人気ブログランキング |

<   2012年 09月 ( 9 )   > この月の画像一覧

 

原子力行政の更なる見直しⅡ(原子力基本法、原子力委員会、松田美夜子、原子力白書、原子力政策大綱)

2007年の正月に、松田美夜子女史から年賀状が届いた。それは原子力委員会の委員就任の挨拶状でもあった。
女史は、家庭ごみの分別排出とリサイクルを進めた市民活動の経験から生活環境評論家となり、各種のリサイクル法の審議会委員として法成立に関与し、その間、富士常葉大学環境防災学部の教授を務めた人物である。2005年から6年にかけての「容器包装リサイクル法」の改正時にお近づきにさせていただき、企業の立場を聞いて頂いたが、華やかで快活で、いつも笑顔の“おばちゃま”という感じであった。
私から女史に次のメールを差し上げたところ、ご指摘の通りとの返信があった。
「・・・長年のご活躍が、より大きな社会貢献の場へと飛躍されたことを心よりお喜び申し上げます。4年前の原子力発電所の不具合隠蔽問題、昨年の水力発電所(その後、原発にも波及)の検査改ざん問題など、電力会社と行政に対する社会の不信感を払拭させなければ、原子力発電所の核廃棄物の適正処理に科学的根拠があったとしても、長期にわたっての安全性の維持確保が求められる処理システムに対して、社会・市民からの同意は得られないのではないでしょうか。・・・」
その後の女史の原子力委員会委員としての活躍は承知していないが、今般、原子力規制委員長に就任した田中俊一氏が原子力委員会委員長代理であった当時の1期3年間務め、2009年末に下りられたそうである。

原子力委員会の委員には、松田美夜子女史のような経験と専門性が求められるが、原子力行政の実態がどうであろうとも、委員会として法で規定された役割と権限を認識し、それに伴う責任を痛切に感じてもらわなくてはならないだろう。それが全う出来ないのであれば、実態に適した法の改正が求められるのである。
骨抜きされたと言われる『革新的エネルギー・環境政策』の(2)原発に依存しない社会の実現向けた5 つの政策の中でも、「政府は、以下の内容を盛り込んだ新たな原子力政策を、エネルギー・環境会議の場を中心として確立する。なお原子力委員会についは平和的利用の確認など機能に留意しつつ、その在り方に関する検討場を設け、 組織の 廃止 ・改編 も含めて抜本的 に見直す。」と記載されている。

原子力委員会は原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画を示す、新たな「原子力政策大綱」の策定作業を進めてきたが、本年8月中旬に発覚した原子力推進派だけの秘密会議問題で頓挫している。
平成21年版「原子力白書」を最後に発行できていないにもかかわらず、「原子力政策大綱」だけを策定しようとするのが不思議なことで、また法律に規定された「エネルギー基本計画」や「科学技術基本計画」と同列に捉えて、これを策定するのが委員会の役割と思い込んでいること自体が誤りである。

ともあれ、原子力規制委員会が発足したが、原子力行政の根幹である原子力委員会の早晩の見直しが必要である。

by ecospec33 | 2012-09-26 12:20 | ●原発問題と電力需給逼迫  

原子力行政の更なる見直しⅠ(原子力基本法、原子力委員会、規制委員会、革新的エネルギー・環境戦略)

原子力行政の更なる見直しⅠ(原子力基本法、原子力委員会、原子力規制委員会、革新的エネルギー・環境戦略)
9月19日に、内閣は14日に「エネルギー・環境会議」で決定した、「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」との目標を掲げた『革新的エネルギー・環境戦略』について、次のとおり閣議決定した。
原子力行政の更なる見直しⅠ(原子力基本法、原子力委員会、規制委員会、革新的エネルギー・環境戦略)_e0223735_124955.jpg
経団連米倉弘昌会長の「国家戦略会議」への出席拒否と辞任示唆、経済3団体合同の記者会見に見られる財界の強硬な反発、および米国への配慮などにより、閣議で決定されるはずであった『革新的エネルギー・環境戦略』は骨抜きされ、資料としての扱いとなったのである。
今後は、「エネルギー政策基本法」に規定され、閣議で決定されるべき「エネルギー基本計画」の取り扱いに注視する必要があるが、そのとりまとめは容易ではない。
原子力行政の更なる見直しⅠ(原子力基本法、原子力委員会、規制委員会、革新的エネルギー・環境戦略)_e0223735_125053.jpg
同日19日に、『原子力規制委員会』と、その事務局である『原子力規制庁』が環境省の外局に発足した。原子力規制委員会の初代委員長に、この原子力委員会委員長代理を務めたことのある田中俊一氏が就任した。このため、これまで原子力を推進してきた『原子力村』の中心人物であるとして、この人事を批判する声が与党内もあがった。
この『原子力委員会』と『原子力規制委員会』の役割と権限は、6月に新たに改正された「原子力基本法」、「原子力委員会設置法」と、新たに成立した「原子力規制委員会設置法」に規定されている。
原子力行政の更なる見直しⅠ(原子力基本法、原子力委員会、規制委員会、革新的エネルギー・環境戦略)_e0223735_1254496.jpg
『原子力委員会』については改定前と変更なく、次のとおり規定されている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「原子力基本法」第五条(任務)
原子力委員会は、原子力利用に関する事項(安全の確保のうちその実施に関するものを除く。)について企画し、審議し、及び決定する。
「原子力委員会設置法」第二条(所掌事務)
委員会は、次の各号に掲げる事項(安全の確保のうちその実施に関するものを除く)について企画し、審議し、及び決定する。
一 原子力利用に関する政策に関すること。
二 関係行政機関の原子力利用に関する事務の調整に関すること。
三 関係行政機関の原子力利用に関する経費の見積り及び配分計画に関すること。
四 核燃料物質及び原子炉に関する規制に関すること。
五 原子力利用に関する試験及び研究の助成に関すること。
六 原子力利用に関する研究者及び技術者の養成及び訓練(大学における教授及び研究に係るものを除く。)に関すること。
七 原子力利用に関する資料の収集、統計の作成及び調査に関すること。
八 前各号に掲げるもののほか、原子力利用に関する重要事項に関すること。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これによって、原子力委員会は法的には大きな権限と役割を担っていることが分かるが、行政組織としての位置づけは内閣府の一審議会であり、また一諮問委員会なのである。このため、文部科学省の原子力の研究開発の政策、経済産業省のエネルギーに関する原子力政策、外務省の科学及び原子力の平和的利用に係る外交政策などについて、原子力委員会が調整のための審議をしているだけで、「原子力利用に関する政策を決定」しているかのように振る舞っているに過ぎない。

2011年4月25日に、福島第一原発事故後に何ら行動をおこさない原子力委員会に対し、業を煮やした野党が衆議院科学技術特別委員会で「火事場は見ているだけか」のように詰問したのに対し、近藤駿介原子力委員長と鈴木達治委員長代理が法で規定されている責任から逃れるような肩透かしな答弁をした。原子力委員会の法の規定と原子力行政の実態がかい離していることからすれば、この答弁は止むを得ないものと理解できるが、法に規定された権限の裏返しである責任は免れない。

by ecospec33 | 2012-09-26 12:13 | ●原発問題と電力需給逼迫  

季節の変わり目と中国(尖閣諸島、反日デモ、雷、停電、選択遮断、コージェネレーション)

2年前の9月上旬に発生した尖閣諸島の中国漁船衝突事件の前後に、商社マンで中国に駐在している義兄と毎日のようにメールでやり取りをしていた。その中で「尖閣諸島」の言葉を入れたメールを送信したところ、そのメールだけが義兄に届いていなかった。中国はそのような統制国家であることを認識させられる出来事であった。

海外へのサイバー攻撃や国内での検索項目の削除などを実行する共産党独裁の国家なのだから、今般の反日デモがネットで呼びかけられた自主的な行動とされてはいるが、国家が反日デモを誘導し、また統制していることは間違いない。
世界的なベストセラーとなった自叙伝「ワイルドスワン」は、1960年代の文化大革命時に政治的に利用された紅衛兵が暴走し、経済と社会を停滞させたことを描いている。反日デモを国内政治と国際政治に利用する中国は、社会に自由があるかのように装ってはいるが、相変わらず民主化が遅れた前近代国家であることを示した。

ところで、一昨日18日の深夜に停電があった。夏の終わりの雷だ。めったに使用しない旧式なエアコンが点滅したが、新型は停電対策が施されているので問題なかった。
生産現場での停電は連続操業を停止させ、多大の被害を生じさせる。コージェネレーションを設置している工場では自立運転可能な場合を除き、停電によって過負荷となりコージェネレーションが停止する。この場合は「選択遮断装置」を設置して、重要でない設備だけを自動的に停電させ、コージェネレーションの停止を回避することによって、停電による被害を最小限に抑えることが出来る。
また、あるフィルム製造工場では雷の接近を感知し、あらかじめ手動で選択遮断を行っていた。

この「選択遮断装置」を設置するには、工場内の配電系統が適切に分割されている必要がある。従来からの配電が適切でないため、多くの工場にコージェネレーションを採用したが、これを採用できた工場は限られていた。将来的にも電力逼迫による電力制限令への対応策として、電力デマンドを保つためにも、この装置は有効であるようだ。

ともあれ、今週末22日は秋分の日で猛烈な残暑も収まる。季節の変化と同様に、毎年8月から9月にかけて、中国は日本に対し刺激を与えてくる可能性があり、注視する必要がある。

by ecospec33 | 2012-09-20 11:46 | ●エネルギー問題  

敬老の日と団塊の世代(武蔵野公園、野川公園、ウォーキング、訳あり人間)

3連休の初日15日10時過ぎに、武蔵野公園から野川公園の野川に沿って多くの人たちがウォーキングしていた。『第3回TOKYOウォーキング2012』の三鷹・吉祥寺エリア20kmコースの参加者である。
高齢者の割合が非常に多い。井の頭公園から歩き初めて8kmは過ぎているので、相当な汗である。
敬老の日と団塊の世代(武蔵野公園、野川公園、ウォーキング、訳あり人間)_e0223735_19321524.jpg
敬老の日に向けて、総務省は『「団塊の世代」が65歳に達し始めたことから、今月15日現在で推計した日本の65歳以上の高齢者は3074万人で、去年の同じ時期と比べて102万人増加し、比較が可能な昭和25年以降、初めて3000万人を超えた。総人口に占める高齢者の割合は0.8ポイント増えて24.1%となった。』と公表した。
敬老の日と団塊の世代(武蔵野公園、野川公園、ウォーキング、訳あり人間)_e0223735_19324653.jpg
「団塊の世代」とは、第一次ベビーブーム時代の1947年から1949年までの3年間に出生した世代を指すといわれている。
「私は団塊の世代です。」と、この前後に生まれた人が話しているのを見かけると、訳あり人間だと思ってしまうのは私だけではないだろう。彼が「団塊の世代」の強みと弱みを、その場に合わせて使い分けていると判断するからである。

ともあれ、私の周りにも、同じ時代を共有した「団塊の世代」の兄と呼べるような知人達が、社会の最前線から撤退する。40年近く、お疲れさまでした。

by ecospec33 | 2012-09-17 19:37 | ●その他社会問題  

「原発ゼロ」の反発と評価(革新的エネルギー・環境戦略、国家戦略室、エネルギー基本計画、原発稼働ゼロ)

9月14日に「エネルギー・環境会議」が『革新的エネルギー・環境戦略』を決定した。これに対し、政界、経済界、原発関連自治体、原発反対派などから様々な反発がある。
第一の柱は、「原発に依存しない社会日も早実現」。・・・・
第二の柱が、「グリー ンエネルギ革命 の実現 」。・・・・
第三の柱は、「エネルギー安定供給」。・・・・
しかしながら、政府は新たな討論型世論調査などの国民的論議を加えて、良くまとめたのではないかと私は評価しており、民主党の選挙対策だけとは思っていない。
ちなみに、NHKの9月11日の世論調査結果では、『政府が新たにとりまとめるエネルギー政策に、将来、原発をなくすことを盛り込む方向となっていることを評価するか』に対し、『「大いに評価する」と「ある程度評価する」を合わせた「評価する」が65%で、「あまり評価しない」と「まったく評価しない」を合わせた「評価しない」を大きく上回りました。』となっている。
「原発ゼロ」の反発と評価(革新的エネルギー・環境戦略、国家戦略室、エネルギー基本計画、原発稼働ゼロ)_e0223735_714362.jpg
原発の建設再開は容易に受け入れ難いが、これからの政府の役割は、原発事故に基づいた安全評価、原発再稼動、廃炉などに関し、原発ごとに「原発稼働ゼロ」に向けて2030年代までの具体的な道筋を示すことであり、また地震多発国における核廃棄物の中長期的な処理方法に対して、国民的な合意を得ることである。国際的な課題を根拠にして、原則を崩すような対応は容認できない。

自民党の総裁選候補者すべてが、この「原発ゼロ」を拙速と批判しており、自民党政権が総選挙で政権を奪還すれば、この『革新的エネルギー・環境戦略』を反故にすることは間違いない。
現政府がこれを基にしてより法的根拠の高い「エネルギー政策基本法」に基づいた『エネルギー基本計画』を閣議決定したとしても、改定は容易に可能である。
これを取りまとめた「国家戦略室」は、政治主導という流れの中で閣議決定で設置されたが、自民党政権下では「国家戦略室」を消滅させる可能性すらある。
政治が安定しないのであるから、官僚は長期的な展望をもった国家のための仕事はしない。

「これまで『エネルギー基本計画』を読んだことがある。」と言える国民は少ないだろう。政治家も少ないに違いない。
私は企業の立場からこれを読み、コージェネレーション、太陽光発電、バイオマス熱利用、省エネ対策など、国のエネルギー政策と合致しているかを確認しつつ、それを経済性と環境性の天秤にかけて実行してきた。また、これを読むことによって、新たな原発建設の不可能問題と核廃棄物の問題など原発行政の行き詰まりを知ることができた。

ともあれ、エネルギー政策に関心をもち、『エネルギー基本計画』を読む国民が増えることを期待したい。
それが、政財界、産官学の暴走を止めると確信している。

by ecospec33 | 2012-09-17 07:17 | ●エネルギー問題  

厳しい残暑が続く(哲学堂、平林寺、武蔵野公園、カブトムシ、毒蛇、ヤマカガシ)

夏バテから解放される時期なのに、残暑が続くので真夏時より厳しいような気がする。
2週間ほど前に、中野駅から哲学堂近くをバスで通過した。この哲学堂は中野駅の北数kmにあり、東洋大学を創設した井上円了が建設した公園である。

小学校の夏休みには、自宅が哲学堂に面していたので、塀を乗り越えてセミ、トンボ、ザリガニを取るのが常であった。
私の祖父母は、現在三井文庫になっている上高田にある黒塗りの車列が並ぶという三井家墓所に面した、庭石のある邸宅に住んでいた。この邸宅は戦時中に東京大空襲で焼けたため、祖父母、伯母と赤子の従兄、叔母は近くの哲学堂の山に避難し一夜を明かし、日が昇ってだいぶ経ってから、煤で真っ黒になった母と落ち合うことがことが出来たと叔母から聞かされている。
ちなみに、焼け跡では三井家墓所の消防栓の水を借りたそうである。
この三井家墓所にほど近いとろにある東光寺が運営する「ひかり幼稚園」に私は通っていた。戦後10年近くたった当時は、焼失して基礎コンクリートしか残っていない本堂跡でアコーディオンを弾きながら、先生が歌を教えてくれた。
      <静かな平林寺>
厳しい残暑が続く(哲学堂、平林寺、武蔵野公園、カブトムシ、毒蛇、ヤマカガシ)_e0223735_14335567.jpg
このように哲学堂周辺は3代に渡っての故郷であり、戦前から30数年以上前までの遠い昔のことであるが、当時から哲学堂にはカブトムシはいなかった。
このため、小学校4年生の時に、埼玉県新座市にある野火止用水と禅刹として有名な平林寺まで昆虫採取に出かけたことがあった。今でこそ、小金井市の自宅周辺の道路では押しつぶれたカブトムシを何匹も見かけることがあり、また毎年数匹捕まえるが、今年は4匹捕まえて近所の子供にあげることが出来た。
このため、遠くの平林寺まで小学生が良くぞ出かけたものだと感心していたのだが、小金井も新座も都内からの直線距離は変わらないのである。
ただし、現在の平林寺は整備されているため、カブトムシなどの昆虫採取は難しそうである。
厳しい残暑が続く(哲学堂、平林寺、武蔵野公園、カブトムシ、毒蛇、ヤマカガシ)_e0223735_14335740.jpg
カブトムシばかりでなく、小金井には毒蛇もいる。
最近、武蔵野公園ヤマカガシを見つけた。幼蛇であったが、毒を持っているにしては毒々しい色であった。これを見つけて以来、怖いので草むらに入らないように心掛けている。
ともあれ、小金井には自然が残っている。

by ecospec33 | 2012-09-14 14:42 | ●季節の変化と日常生活  

閉鎖的組織がリスクを生む(原子力村、永田町、霞が関の論理、日本乳業協会、清涼飲料工業会)

福島第一原発事故は「原子力村」と呼ばれる政財官と産官学の閉鎖的な組織が生んだと言われている。一向に解消されない学校でのいじめ問題も、世間知らずな教育界の閉鎖的な組織が生み出していると言っても過言ではないだろう。
閉鎖的な社会を維持するために、村八分とよばれるような掟と組織が必要であったが、多種多様な情報が交錯する個人の権利が強くなった現代では、このような閉鎖的な組織が通用しなくなった。

政治の世界は、いまだに「永田町の論理」がまかり通り、また経済の世界も、経団連などの財界の閉鎖的な論理で切り抜けようとうする。
国民の圧倒的な声に、連合を支持母体に持つ民主党と政府は原発ゼロを政策に組み込みつつあるが、財界が支持母体である自民党は容易に判断を下すことは不可能である。
衆議院の解散が近い中で、老齢の政治家と政治評論家は政治のポピュリズムを憂い、日本維新の会の躍進をけん制する。また、財界は原発ゼロに反対し、政府・与党に対して原発ゼロでの経済発展があるかを証明せよと求め、また自民党の政権奪還を承知で、次期衆院選では原発ゼロ問題を争点にさせてはならないと公言する。
官僚は「霞が関の論理」で動き、事務次官会議を止めさせるなど政治主導と脱官僚を目指した政府・与党に対して非協力的であり、震災復興と政治の停滞に乗じて縦割り予算の確保という権力維持に終始しているように見受ける。
政財官の閉鎖的な組織構造は、原発事故後も健在であると言ってよいだろう。しかしながら、国民は政治、経済、官僚の世界における政治家、財界人、官僚の一挙手一投足をも監視できるようになっており、それを継続することは出来ない。

このような閉鎖的な組織は日本国内のあらゆる場所に存在している。
財界>業界>企業、全てに閉鎖的な組織が組み込まれている。
食品業界内で閉鎖性を論じるならば、日本乳業協会は清涼飲料工業会に比べて閉鎖的である。乳業協会は事業仕分けで補助金が全くなくなったにかかわらず、高給取りの厚生労働省と農水省の天下りを受け入れ続けているが、飲料工業会は7年ほど前に仕事をしない農水省の天下り役人の首を切っている。これに加えて会員および行政への情報発信力の相違から組織の閉鎖性を見極めることが出来る。
食品企業については、世界に進出している企業ほど閉鎖的でないと言えるだろう。味の素、キリン、
アサヒ、コカコーラなど環境対策などでお世話になったが、求める情報に対して的確にご提供いただき参考とさせて頂いた。それに比べて乳業会社は業界団体と同様に閉鎖的である。明治は自己主張の強い世間知らずの憎まれ小僧、森永は発信力のない紳士、雪印メグは落ちぶれた官僚といったところであるが、どちらにして農水省と酪農制度に守られているという前近代的な雰囲気が拭えない。
閉鎖的組織がリスクを生む(原子力村、永田町、霞が関の論理、日本乳業協会、清涼飲料工業会)_e0223735_929022.jpg
そのような企業の内部が開放的であろうはずもないだろう。
業務とは全く関係のない上司の転居の手伝いを命令するなど、まるで徒弟制度のような組織、結婚式の出席予定者にいちゃもんをつけ、葬式には大勢駆けつけさせるように仕向け、異常なほどの仲間意識を植え付けさせる組織、その一方で仲間の自殺未遂には三猿のように我関せずを決め込む組織、仕来たりとしがらみを助長させる組織も多く残っているはずである。

発展が見込めない閉塞感のある組織ほど、このような傾向が強くなる。みんなで渡れば怖くない、なれ合いの仲良しクラブ的な閉鎖的な組織には「原子力村」と同様なリスクが潜在する。
閉鎖的な組織を個性だけで片づけてはならないのである。瀕死の樹木に気味の悪いキノコが生える。キノコが生えてからの生還はあり得ない。

by ecospec33 | 2012-09-12 09:30 | ●CSRと環境対策  

容器包装リサイクルの推進(3R推進団体連絡会、法規制と自主行動計画、経団連)

『2012年容器包装3R連携 市民セミナーin札幌』が、今週の9月3日に開催されたという。それに参加していた業界団体の関係者から連絡を受けて知ったのだが、私もかつては各地で行われていた、同種のフォーラムなどに参加したことがある。

この主催者は『3R推進団体連絡会』である。
この『3R推進団体連絡会』は、2005年の「容器包装リサイクル法」改正見直し時に、経済産業省からの指導を受けて、次の8団体が、『容器包装の3R(リデュース・リユース・リサイクル)の円滑な推進と普及啓発を行うとともに、加盟団体相互の情報交換を図り、社会に貢献することを目的として』、2005年12月に結成された。
●ガラスびんリサイクル促進協議会
●PETボトルリサイクル推進協議会
●紙製容器包装リサイクル推進協議会
●プラスチック容器包装リサイクル推進協議会
●スチール缶リサイクル協会
●アルミ缶リサイクル協会
●飲料用紙容器リサイクル協議会
●段ボールリサイクル協議会

法令によって規制するのでなく、業界団体の自主的な行動を促すことによる規制は、地球温暖化対策と廃棄物対策からなる経団連の『環境自主行動計画』と同様に、経済産業省と経団連のお手の物である。
市民団体からの突き上げに対し、素早く結成された『3R推進団体連絡会』の各8団体は、昨年3月に第二回目の5年間の自主行動計画を掲げて行動している。

『3R推進団体連絡会』のHPを開くと、自主行動計画とフォローアップ、貴重な市民意識調査結果は掲載されているが、この『2012年容器包装3R連携 市民セミナーin札幌』開催の案内は掲載されていなかった。
各8団体の専務理事など執行部隊の長は、この連絡会の会合などに多くの時間を割いており、多くの関係者が支援しているので、業界団体の努力が表出していないことが非常に残念であり、HPを充実させることが肝要である。

『3R推進団体連絡会』が2008年にお台場で主催した『第三回 容器包装3R推進フォーラム』では、化学工学会で旧知の国立大学准教授が分科会の議事進行役となり、その場をすり抜けるような適当なコメントを発していた。
彼は電力中研の出身者でこの分野の専門家でもないにかかわらず、何故?と思っていたが、この種のフォーラム、セミナーの開催は、廃棄物のデータなどを集計するコンサルタント会社が請け負っているため、適当な学識経験者に参加を要請するのである。その要請を気軽に受ける学識経験者?も問題であるが、コンサルタント会社も問題であり、さらには主催者側に問題があるということだ。

官製的に結成された『3R推進団体連絡会』は、設立後に8団体間に不協和音が生じた。というより、一団体が突出していたために、その活動が停滞する事態に陥ったことがある。
その団体の専務理事が尋常な人物でなかったために、業界団体間の協調をとることが非常に困難であったと聞いている。今は市民団体の顧問をしているようだが、近寄りたくない人物に変わりはない。
乳業に関連するプラントメーカーなどからも彼の評判を聞いており、彼の出身母体のM乳業、今やM社となっているが、社内でも問題児であったのだろう。
社外の業界団体には、それなりに適当な人物を派遣しなくてはならないというのが、この結論である。

ともあれ、行政、業界団体、市民の各主体の努力が社会に浸透し、容器包装廃棄物の3Rが進むことが望まれる。

by ecospec33 | 2012-09-05 17:20 | 〇容器包装リサイクルの行方  

長期の夏休みから現実へ(容器包装リサイクル法改正、エネルギー政策と原発問題、脱原発社会)

夏休みが終わり、今日から小学校が始まった。防災訓練でもしたのか、低学年の小学生が真新しい防災ずきんを抱えながら母親と帰って行く姿を見かけた。
私のブログが二か月間も更新されていないので、入院でもしたかと思った友人から電話があった。他の友人も心配しているそうで、有難い話である。
長期の夏休みを終わらせ、今日から再開しようと思っていたところだと話した。
長期の夏休みから現実へ(容器包装リサイクル法改正、エネルギー政策と原発問題、脱原発社会)_e0223735_16322752.jpg
先週、紙パックのリサイクルを推進する業界団体の関係者とゴルフをした。神流川沿いの山中のゴルフ場であったが、暑さは都内と大差なかった。
その行き帰りの車中で、改正時期が迫る「容器包装リサイクル法」「エネルギー政策と原発問題」が話題となった。

環境省は震災廃棄物の処理問題で手が回らないために、「容器包装リサイクル法」の改正方針を決定する審議会を全く開催していないこと、また関係する消費者団体も原発問題にシフトしている。このため、約5年前の改正時には、地方公共団体、業界団体、消費者団体が三つ巴の緊迫した状況になったが、今回はそうはならないだろうというのが、容器包装メーカーの環境部長の結論であった。業界団体の対応も少々緩和させても良いようである。
さらに、前回は野党であった小沢民主党が消費者団体の意向に同調し、業界からリサイクルに要する費用を捻出させる動きを見せたが、今回は、震災復興、原発問題、消費税増税などに比べ、この容器包装リサイクル改正問題は極めて小さな政治マターであることから、どこの政党からも横槍が入らないと考えて良い。
ちなみに、当時の小沢党首は、若手議員の議会での勉強のためにという理由から、法改正案に反対する意見を強制的に述べさせたと聞いている。

「エネルギー政策と原発問題」については、エネルギー政策の審議を公開してはいるが、国民の不信感は拭えないこと、また多くの国民が支持する「脱原発社会」実現への工程が見えないことが主な論点であった。
今後、今夏の電力需給の問題などから、これについては深堀りしていく。

by ecospec33 | 2012-09-03 16:33 | ●プライベート