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電力会社の株主総会と経営者の責任(橋本徹、猪瀬直樹、水俣病、森永ヒ素ミルク事件)

昨日6月27日に、9電力会社の株主総会が開かれ、東京電力では5時間を超える総会であったという。
大株主である大阪市の橋本徹市長、東京都の猪瀬直樹副知事らが改革を迫ったが、何ら反映されなかった。

この株主総会で退任した東京電力の勝俣恒久会長は、日本原子力発電の非常勤取締役に就任するが、その役員報酬、年180万円は返上するという。そんな微々たることだけで、福島第一原発事故の経営責任を取ったと言えるのだろうか。
2002年に、東京電力は原発トラブル隠し事件で南直哉社長らが引責辞任したが、その後、財団法人省エネルギーセンターの会長職などの要職に収まっている。
法的な拘束力がなければ、経営者は社長、会長の職を辞せば経営責任を取ったことになる仕組みである。
4566億円という大幅赤字を計上したソニーでも、ハワード・ストリンガー前会長の報酬が4.5億円と高額なのだから、経営者を辞めることが出来ないのである。ちなみに、前会長は取締役会議長に就いている。

福島第一原発事故によって離散した人たちなどに賠償金を払えば、企業の責任、経営者の責任がなくなるというわけでもあるまい。
原発事故ばかりでなく、水俣病、イタイイタイ病、森永ヒ素ミルク事件、カネミ油症事件など、人の一生を左右する事故、事件の当事者企業の経営者は過去の過失を背負っていることを常に自覚し、行動しなくてはならない。

本日28日が株主総会のピークである。
社会とのコミュ二ケーションに努め、経営責任とは何かを自問自答できる経営者に引き継がれることを期待したい。

by ecospec33 | 2012-06-28 09:32 | ●CSRと環境対策  

電力会社の成長戦略:オール電化社会の構築?Ⅱ(都市ガス化率、ガスヒートポンプGHP、COP、APF)

電力会社の成長戦略の一つが「オール電化社会の構築」であり、その戦術上の武器がヒートポンプ給湯器;エコキュート、IH調理器などの電化厨房、ターボ冷凍機など高効率なヒートポンプと蓄熱、電気自動車と急速充電装置などである。

本年2月中旬にビッグサイトで開催されたHVAC&R JAPAN 2012(ヒーバックアンドアールジャパン)冷凍・空調・暖房展では、一般財団法人日本エレクトロヒートセンターと同様に電力会社が運営している、財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターがヒートポンプと蓄熱システムの普及拡大を図る展示をしていた。
ちなみに、このヒートポンプ・蓄熱センターに、勤務していた大手食品会社に感謝状を贈呈させるよう働きかけたが、それまで宿敵である都市ガスを使用するコージェネレーションの導入が顕著であったために、感謝状を贈呈してもらうまで数年かかるほど難儀した思いがある。

ヒートポンプ・蓄熱センターの倍以上の展示スペースを割いていたのが、一般財団法人日本ガス協会と東京ガス、大阪ガス、東邦ガスである。
ヒートポンプ・蓄熱センターが『ヒートポンプ・蓄熱システムは電力需要の少ない夜間に水や氷に熱を蓄え、昼間の空調に使うシステムです。ピーク電力の削減と省エネルギーを同時に達成できます。』としてやや控え目の展示に対し、日本ガス協会は『震災以降、ガス空調は電力ピークシフトに貢献するシステムとして改めて注目を集めました。・・・節電対策、エネルギーセキュリティの向上ならびに低炭素化社会に寄与する最新のガス空調(GHP、ナチョラルチラー)システムについて・・・実機を展示・・・』として、華やかな展示であった。

原発安全神話崩壊による電力需給逼迫(ひっ迫)という中で、ユーザーとしてエネルギーセキュリティを配慮すると、電力会社が目指す「オール電化社会」を選択することは出来ない。ここが都市ガスの出番である。
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「電力化率」に対応する「都市ガス化率」なるものを図示した。電力化率に比べて極めて控え目である。

電力会社のオール電化に対抗する武器が、都市ガスなどを燃料とする家庭用燃料電池;エネファーム、ガス発電・給湯暖房システム;エコウィル、潜熱回収型高効率給湯器;エコジョーズ、コージェネレーション、ガス吸収式冷凍機(冷温水機);ナチョラルチラー、蒸気ボイラーなどである。
電力会社はこれを省エネ効果がない、CO2が削減出来ないと徹底的に批判してきたが、福島第一原発事故以降、この非難が沈静化している。また、2006年からエアーコンディショナー(エアコン)の省エネ性の判断(評価)基準として、エネルギー消費効率をCOP(成績係数;Coefficient Of Performance)に代わって、年間の使用実態に合わせたAPF(通年エネルギー消費効率;Annual Performance Factor)が設定されたことにより、ガスヒートポンプ(ガスヒーポン、GHP;Gas engine driven Heat Pump)ではガスエンジンの排熱を活用するために、暖房効率の優位性などが評価されたことが大きい。
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2000年前後に、ある乳業工場の休憩室にガスヒートポンプを設置したことがあった。それは暖房時の性能が電気モーターヒートポンプ(EHP;Electric Heat Pump)に比べて格段に良かったためであった。このAPFの基準によって、当時の判断が正しかったことが明確になった。
また、2007年に、食品研究所の空調用熱源設備の更新計画があり、エンジニアリング会社から提案された計画は氷蓄熱に重きを置いたシステムであった。
氷蓄熱の年間の使用時間・期間が短いことから、COPではなくAPFで検討し直すよう計画の練り直しを指示することによって、電力を使用するターボ冷凍機と都市ガスを使用する吸収式冷凍機を組み合わせたシステムに落ち着いた。

電力会社による「オール電化社会構築」というイメージ先行の宣伝、またガス会社の的を得た宣伝にも惑わされたはならないということである。

by ecospec33 | 2012-06-25 11:11 | ●エネルギー問題  

電力会社の成長戦略:オール電化社会の構築?Ⅰ(FOOMA、電力化率、ヒートポンプ、IH)

ここ1週間の間に、大飯原発の再稼動と原子力規制委員会の設置など、慌ただしく決定された。
6月上旬に、2012国際食品工業展(FOOMA JAPAN 2012)が東京ビッグサイトで開催された。曜日にもよるのだろうが、2日目の火曜日は、中国からの団体視察らしき入場者もいて大混雑であった。

本会場外の通路(ガレリア)の一角に、特別企画『省エネ・省コスト・生産性向上を実現する「食品工場のプロセスイノベーション」』のブースが開設されていて、ヒートポンプやIH(Induction Heating、高周波誘導加熱)など、電気を効率的に熱に転換する技術を食品工場に導入した事例がパネル展示されていた。しかしながら、節電が叫ばれている最中、電力を使用する設備は忌み嫌われているだけに、派手さに乏しく、ひっそりと展示していたために、立ち寄る人は少ないようであった。
日本エレクトロヒートセンターが企画協力したという、その特別企画の狙いは、食品工場では、殺菌、乾燥などの常温から温度を上昇させる加熱(昇温)工程と冷凍、冷蔵などの常温から温度を降下させる冷却(降温)工程を合わせ持つ場合が多いため、この生産工程に電気をいかに直接的、間接的に使用させるかであり、言い換えれば電力を多く使用させること、さらに言えば電力化率(最終エネルギー消費量に占める電力消費量の割合)を向上させることにある。この行くつく先は「オール電化」である。
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この図から、民生の家庭、業務部門での電力消費量、電力化率の上昇が顕著であること、また電力化率は欧米に比べて数%高い傾向が続いている。このような上昇が続けば、2030年には電力化率は30%に達すると推定される。

2010年9月に東京電力は「中長期成長宣言 2020ビジョン」を策定した。その中の基本理念の実行プランとして「7つのバリューアップplan」で、「plan2 あらゆる分野で電化をおすすめする-電気を“つかう”側への働きかけ-」を挙げ、電化率の向上を目指している。
本年5月に、東京電力が福島第一原発事故以降にオール電化住宅の新規営業を中止していたのに対し、関西電力はCMを自粛したものの販売促進を継続実施し、オール電化住宅の着工を昨年度も着実に伸ばしていたことが批判された。
全ての電力会社が家庭ばかりでなく、業務、産業、運輸の全ての部門で電化を推進し、合わせて低炭素社会の構築を目指している。この「オール電化社会の構築」こそ、原発事故後も変わらない電力会社の成長戦略である。
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最終(二次)エネルギーとして都市ガスなどの他のエネルギーより優れた電力のユーザー特性に、利便性、安全性、効率性、制御性、環境性、搬送性などがある。家電製品があふれるオール電化社会がバラ色の将来を象徴しているかのようである。
しかしながら、あの昨年の電力需給逼迫(ひっ迫)時に、オール電化住宅の住民は何を思ったのだろうか。また緊急的に自家発を設置した事業者は何を思ったのだろうか。
電力会社から供給される電力に大きなリスクが潜在していたこと、それが顕在化したということである。

電力会社が目指す「オール電化社会の構築」に安易に乗ってはならないという警鐘であった。

by ecospec33 | 2012-06-21 11:08 | ●エネルギー問題  

井戸水のヒ素汚染とシアン検出問題(地下水、茨城県神栖市、和解、伊藤ハム東京工場)

2012年6月7日に、茨城県は国の公害等調整委員会の裁定を踏まえ、神栖市の住民に和解金として6,000万円を支払うことで住民側と和解した。また6月11日に、住民側は国を相手取っての民事裁判は行わず、正式にこの裁定を受け入れた。

2000年頃から神栖市の住民が手のふるえや頭痛などの健康被害を訴え、2003年に井戸水から旧日本軍の毒ガス兵器に使用された有機ヒ素化合物ジフェニルアルシン酸(Diphenylarsinic Acid;DPAA)が「地下水の水質汚濁に係る環境基準」の450倍検出された。
2006年に地元住民37人が、国の公害等調整委員会に国と茨城県に対して損害賠償を求めて申請し、2012年5月11日に公害等調整委員会は県の責任だけを認め、総額約2,800万円の賠償金を支払う裁定が下っていた。
神栖市の飲用井戸による健康被害と農業用井戸による農作物被害を引き起こした地下水の汚染を、『1983年以降、1997年までの間に、何者かが・・・(井戸周辺の)いけすを埋め戻した際、廃棄物とともに大量の(旧日本陸軍が製造・保管していたヒ素化合物であるジフェニルアルシン酸)DPPAを混入したコンクリートを地中に流し込んだ。本件コンクリート塊に含まれていたDPAAを高濃度に含んだ水は、周辺地下水より重いため、汚染を拡散しながら地下水中を降下浸透した。・・・』と国は裁定している。

この問題が大々的報じられてから、数年後の2008年9月末から10月上旬にかけて、千葉県柏市にある伊藤ハム東京工場の井戸水から水道水の水質基準(0.010 mg-CN/L)を超えるシアン化合物(0.014~0.037 mg-CN/L)が検出され、この井戸水を使用し製造したソーセージやピザを自主回収する回収する騒ぎが発生した。

当初、この工場付近には戦前、陸軍省の基地・施設があり、当時の地図に「毒ガス室」の名称が掲載されていることから、青酸ガスが漏れて地下水に浸透したのではないかとの報道もあったが、その年の12月に第三者調査委員会が、『・・・アンモニア性窒素が多く含む水に塩素を添加して処理を行った際、塩素添加量が不十分である場合は、結合塩素が生じ、この結合塩素と有機物が反応して微量ながらシアンが生成することが、室内実験によって確認された。・・・おそらく、再現試験で実証した現象が、・・・井戸水の水処理において発生し、悪い条件が重なって基準値を超えるシアンが検出されたものと推察される。・・・不十分な塩素処理が行われた要因としては、塩素の注入量の変化や添加する塩素(次亜塩素酸)の有効塩素濃度の低下と推測される。・・・』と結論づけた。

ともすると、地下水から旧日本軍の亡霊が現れる。
神栖市では、環境省が当該のコンクリート塊などの汚染源を掘り出し、焼却処分したが、汚染源に近い井戸水の有機ヒ素化合物の濃度は環境基準を上回っており、基準以下になるに数十年かかるという。

by ecospec33 | 2012-06-12 11:34 | ●用水・排水、上水・下水問題  

武蔵野公園と野川公園のバーベキュー(BBQ、スッポンの甲羅干し)

昨日6月9日に関東甲信地方も梅雨入りしたが、今日は晴れ間がのぞいた。
近くの武蔵野公園と野川公園ではバーベキューが盛んで、専用の広場は若者のグループと家族が大騒ぎをしていた。
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この公園を流れる野川に入って、子供たちが網で、エビ、ザリガニ、小魚を取っている風景が当たり前になる季節になった。釣りをする人もいるのだが、鯉を釣り上げている姿を見たことがない。時々、カメも釣れるらしい。カメは良く見かけるが、スッポンはいると聞いていたが、なかなか機会がなかった。
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数日前に、甲羅干しをしているスッポンを発見した。
よく見ると、30cm近くある甲羅の上にトンボが止まっている。近くに寄ると、野川に飛び込んでしまい、また突然現れた大型の蛾、オオミズアオに気を取られていたら、見失った。
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自然に恵まれた野川沿いの両公園は、老若男女にとってリフレッシュに最適である。

by ecospec33 | 2012-06-10 14:47 | ●季節の変化と日常生活  

利根川水系の水質汚濁事件の終結(埼玉県、群馬県、ホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン)

6月7日に、埼玉県は「浄水場におけるホルムアルデヒド検出事案の原因調査結果について」を、群馬県は「利根川水系の浄水場におけるホルムアルデヒド検出事案の調査結果について」を公表し、5月19日から20日にかけて千葉県で最大計35万世帯余りが断水した、大規模な水質汚濁事件の第1ステップの終結を宣言した。

同日、埼玉県はヘキサメチレンテトラミンを含んだアルカリ廃液を排出したDOWAハイテックに対し、「ヘキサメチレンテトラミンを含む廃液の適正処理について」を提示し、再発防止の行政指導をおこなった。また、群馬県と高崎市も、この廃液を中和処理して利根川に流出した高崎金属工業に対し行政指導を行う予定という。

両社ともに、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)と水質汚濁防止法の違反は認められず、行政指導にとどまる結果であった。
埼玉県と群馬県が公表した調査結果については、これまで私が工学的に検証した推定と相違点があり、疑問が残るが、事業者への法的な責任を問うことが出来ないため、行政指導が妥当であると思っている。

1980年代初めに、大手乳業会社の福岡県の子会社工場が水質汚濁防止法違反で、子会社と製造課長が数万円の罰金を科せられた事件があった。このときは、市民からの白濁した水が流れているとの通報を受けて警察が内偵し、現行犯として罰則であった。
また、2005年に、キリンビール横浜工場が水質汚濁防止法違反で、企業とキリンエンジニアリングの担当者が罰則を受けた事案も、横浜海上保安部が海上監視作業中に異変を確認した現行犯としての罰則であった。
今回のように推定だけでは、水質汚濁法違反を問うことは難しいのである。

6月6日に、周辺自治体などの水道事業者43団体でつくる「利根川・荒川水系水道事業者連絡協議会」が厚生労働省と環境省に対して、「ホルムアルデヒド検出に関する緊急要望書」を提出した。
『ホルムアルデヒドの生成能としての環境基準化及び排水基準化』と『産業廃棄物排出企業への、指導及び監視の仕組みの強化』の要望である。ホルムアルデヒド生成能については、5月29日に「利根川水系の水質汚濁の検証Ⅲ」で、私が記述したとおりである。

ともあれ、大規模な水質汚濁事件の第1ステップの終結であり、再発防止への第2ステップの始まりである。

by ecospec33 | 2012-06-08 19:12 | 〇利根川水系の水質汚濁  

事業者の資質と社会的責任(DOWA、利根川の水質汚濁、ホルムアルデヒド、森永乳業、自主回収)

6月7日に、利根川水系の浄水場でホルムアルデヒドが検出され、千葉県で大規模な断水を起こした水質汚濁問題に関して、DOWAハイテックは埼玉県北部環境管理事務所から文書による行政指導を受けた。

これに対し、親会社のDOWAホールディングズは、『当社子会社「DOWAハイテック(株)」に対する報道について (第3報)』を発表した。
その中で「・・・DOWA ハイテックは今回の件に関して法律に則った手続きおよび手順を踏んでおりましたが、今回頂いたご指導について真摯に受け止め、誠意を持って対応していくとともに、今後は外部委託を含めて廃棄物の処理について総点検を行い、管理体制の強化を一層進めてまいります。・・・」と記し、社会に対し多大な迷惑をかけたことに対しては、何ら謝罪の言葉が見られない。
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同日に、食中毒の可能性があるため、森永乳業が子会社の北海道保証牛乳が製造した牛乳などの製品の自主回収を『商品回収に関するお詫びとお知らせ』で発表した。
その中で、「・・・お客さまには多大なご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申し上げます。また、今後このような事態が再び発生することのないよう、品質管理体制の一層の強化に努めてまいります。何卒ご理解とご協力を賜りますよう重ねてお願い申しあげます。・・・」と記した。

この二つの事業者は業種と社歴が異なり、製品の購買者が異なる(ステークホルダーが全く異なる)ために、事業者の資質が異なるのは当然であるが、社会に対する姿勢(社会的責任と道義的責任をとる姿勢)が異なることはあってはならないだろう。

本筋から外れるが、数日前に、DOWAホールディングズの前身に関してプラントメーカーのエンジニアから話を聞いた。
「25年以上前に、秋田県で同和鉱業が設計した廃棄物最終処分場の建設を落札した。その設計が工学的に間違っていたので指摘して訂正させた。市の会議室で行われた会議に同和鉱業は大人数で参加し、市の担当官も呆れるほど反発したが、一人で筋を通した。同和鉱業は設計したので建設も取れるものと思っていたので、嫌みもしたかったのだろう。当時、同和鉱業の技術力が高いという印象はなかった。」と、若かりし頃の武勇伝を語った。

また、森永乳業については、本年2月に、『札幌工場生産中止に関するお知らせ』で、「・・・当社が推進している市乳事業の一層の効率改善のために、札幌工場の生産を中止し、道内の生産を集約することといたしました。現在の札幌工場の生産品目につきましては、北海道保証牛乳株式会社他に生産を移管し、製品供給はこれまで通り継続する予定です。・・・」と発表したが、今回の当該子会社が製造した製品の自主回収事案は将来の企業リスクを予感させる。

by ecospec33 | 2012-06-08 09:53 | ●CSRと環境対策  

容器包装リサイクルの行方Ⅵ(行政の作為、不作為、環境省、3R推進に関する小委員会、田中勝、崎田裕子)

前回、エネルギー行政、とりわけ原子力行政の作為と不作為を記した。
身近な環境問題である家庭ごみ(一般廃棄物)の容器包装廃棄物について、行政の作為、不作為の事案を提起したい。

容器包装リサイクル法に関し、昨年2001年7月に5回、「容器包装リサイクルの行方」と題して特集を組み、2013年の改正に向けた問題点を整理した。
本年2012年3月27日に、環境省の中央環境審議会「廃棄物・リサイクル部会容器包装の3R推進に関する小委員会」が1年ぶりに開催されたが、来年が改正年に当たるにも関わらず、それ以降目立った動きがないそうである。
まるで、震災廃棄物の対応に追われる環境省は、本改正に向けて不作為を決め込んでいるようである。容器包装廃棄物の再商品化委託料を支払う事業者にとっては、年々費用が低下し、改正はまっぴら御免こうむりたいと、これ幸いなことなのだが、社会コストの最少化と資源の合理的利用を目的として、最低限の見直が必要である。
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3月の小委員会では、環境省が上図をなどの資料を提示した。環境省の伊藤廃棄物・リサイクル対策部長が冒頭あいさつで、『・・・容器包装リサイクル法につきましては、平成9年に施行され、・・・施行以来関係者の皆様のご協力により、着実にリサイクルの推進が図られてきている・・・容器包装廃棄物は、従来は容積比で家庭ごみの6割以上を占めておりましたが、環境省の平成22年度の調査結果では50.1%、約半分にまで下がってきているという状況でございます。また、一般廃棄物の排出量及び最終処分量につきましても、年々減少傾向にあり、排出量につきましては、ピーク時から約800万トンも減少をしていると、こういう状況でございます。これらは、今日ご出席の関係者の皆様方のご努力による大きな成果であると・・・考えているところでございます。』と話し、法規制の成果と事業者、消費者、国、地方公共団体の連携の成果を大きくアピールした。

これに対し、鳥取環境大学教授の田中勝委員長は『・・・容器包装の割合が減っているということがわかりました。・・・排出量も5,500万トンから4,600万トンまで、1人当たり1.1キロが1キロを割るようなところまで減ったということで、いろいろ生産者にdesign for environmentということで・・・スタートしましたけれども、その効果が出たのかなと思います。』、次に、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の委員でもあるNPO法人理事長でジャーナリストの崎田裕子委員が、『・・・容器包装の容積比が6割から5割になったと、やはりこういうふうなデータがしっかり出てくると、全国にみんなで取り組んでいるのが効果が出たということが強く発信できますので、こういうのを使って、これからもぜひこのリサイクルの大事さを広めていくということを、続けていきたいなと改めて思いました。・・・』と続けた。

昨年7月21日に、私は「容器包装リサイクルの行方Ⅲ」(http://ecoeng.exblog.jp/15150445/)の中で、『2009年度は非常に低下しているように見える。しかしながら、これは重量から容積に換算する「容積換算係数」を大幅に変更したためであって、2008年以前の「容積換算係数」を使用すれば、ほとんど低下していない。このため、家庭ごみ中の容器包装廃棄物の容積割合は60%という実態は変わっていないと言ってよい。』と注意を喚起した。
今回、新たに2010年度の環境省「容器包装廃棄物の使用 排出実態調査」を加えて図示する。
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(重量割合の上位を占める「容積換算係数」が大幅に低下し、その容積割合が増大している。)
これらの図から、容器包装廃棄物の湿重量割合で2010年度が、また容積割合で、2009年度と2010年度が、それ以前と比べ不連続に低下していることがわかる。
この要因は、図のとおり「容積換算係数」が大幅に変化した(させた)こと、また2010年に「調査対象」を6都市から7都市に増加した(させた)ことによる。
2009年度以前と2010年度以後は、基本的に比較するようなデータではないのである。

行政の作為を感じる情報開示の方法で、小委員会を翻弄している。
環境省の事務局は情報を的確に開示することが求められ、一方、小委員会のメンバーは自分自身で情報を的確に収集・分析する努力をすべきである。それが出来ないなら委員を辞することは出来る。それこそ、幾ばくかの税金ドロボーである。
小委員会メンバーは専門家としてのプライドがあるだろうが、行政の作為を知らずに(知っているかもしれないが)、それに上塗りするようなコメントを発して、行政におもねる態度は恥ずべき行為であると認識すべきである。

行政の作為に乗るような審議会の委員は不要である。

by ecospec33 | 2012-06-06 19:23 | 〇容器包装リサイクルの行方  

行政の作為と不作為(原子力委員会、原子力安全委員会、総合資源エネルギー調査会基本問題委員会)

6月4日に、国会の事故調査委員会の要請によって、1991年に原子力安全委員会が電源喪失の安全指針の見直しの検討をした際、電力会社の強い反発を受けて見直しを見送ったことが判明した。
この事業者の作為と行政の不作為が、その20年後に長時間の電源喪失による福島第一原発事故を発生させたと言える。

5月24日には、原子力委員会の原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会が、原子力発電を推進する事業者、原子力委員長など原子力委員などを集めて事前勉強会を秘密裏に(非公開で)20回以上開催し、小委員会の報告書案を開示していたことが判明した。
これには、ベクトル方向が合った事業者と行政の作為が見られる。

資源エネルギー庁で現在審議が進んでいる総合資源エネルギー調査会基本問題委員会の経緯を注視していると、行政の作為と不作為を垣間見ることが出来る。

再生可能エネルギーを推進したいNPO法人代表の飯田哲也委員が、エネルギーミックスの選択肢案に原子力発電割合15%も加える提案をしたが、新日本製鐵会長の三村明夫委員長が感情的に拒否したことがあった。
この提案は、飯田氏にとって現実的で妥協的な選択肢の提案であり、事務局(資源エネルギー庁)は事務局資料に追加せざるを得なかったが、地球環境産業技術研究機構理事長の山地憲治委員や日本エネルギー経済研究所理事長の豊田正和委員が推す原子力発電割合35%の選択肢を事務局資料から削除することはしなかった。

東京工業大学大学院教授の柏木孝夫委員がコージェネレーションに関する資料を提示すると発言した。その後、委員本人が提示するものと思いきや、事務局が資料を提示した。これでは、委員と事務局との馴れ合いである。なお、事務局が好む柏木氏はコージェネレーションを推進するコージェネレーション・エネルギー高度利用センター理事長でもある。
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これに対し、事務局が好まない飯田氏の発言を擁護するような資料を事務局は提示しようとしない。
飯田氏はスペインでは再生可能エネルギーの割合が約33%を占めているから、日本でも再生可能エネルギーを同様に増加させることできると主張したが、柏木氏はヨーロッパでは電力送電網が張り巡らされ、全体として原子力、火力、再生可能エネルギーがベストミックスしていると主張していた。最近になって、事務局が、「欧州は陸続きで他国と送電網が通じているので、我が国と(再生可能エネルギーの)状況が異なるとの議論がされることがあるが、スペインはフランス国境との間で送電網が基本的に切れており、我が国類似の状況にあるため、参考にしやすい側面あり。」という、極めて重要な資料を提出した。

このように、行政の作為と不作為が混在している。
国民として、その行動を許すか、許さないかで、国の将来が決まる。

追記するが、6月4日に開催された総合資源エネルギー調査会総合部会の電気料金審査専門委員会では、6月1日に朝日新聞が報じた、経済産業省が東京電力の料金値上げの審査日程を、あらかじめ作っていたことが議題として取り上げられた。
消費者団体代表の批判に対し、中央大学教授の安念委員長が、『事務局がシナリオを作るのは自由だが、そのシナリオに委員会は全く拘束されない。枝野大臣から事務局からも「こうしてほしい」という話は受けたことがない。』と述べている。
このように、行政の作為を排除しなくてはならない。

by ecospec33 | 2012-06-06 10:38 | ●エネルギー問題  

エコライフ・フェア2012とエコ仲間(代々木公園、深大寺~神代植物園~国立天文台)

昨日は、東京駅で先輩連とランチをして、雑踏の渋谷駅から、環境省主催の「エコライフ・フェア」が開催されている代々木公園に向かった。
日本乳業協会傘下の紙パックのリサイクルを推進する「全国牛乳容器環境協議会」のブースに立ち寄った。
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昨年の震災直後より盛況であったが、当然のように、東京電力の尾瀬のブースはないなど企業・団体のゾーンには活気が見られなかった。
それよりも、NPO・NGOのゾーンと、NHKが主催する「ECOパーク2012」の学生サークルのゾーンが昨年より活況であった。
昨年の電力需給逼迫の節電対応があり、スーパークールビズが喧伝され、ひと頃より、エコ活動が社会に根付いたのだろう、などと後輩連と納得しながら話した。
エコライフ・フェア2012とエコ仲間(代々木公園、深大寺~神代植物園~国立天文台)_e0223735_17214889.jpg
先週は、「全国牛乳容器環境協議会」の有志の会である「牛の会」があった。
三鷹駅に6名が集合し、バスで深大寺に行き、蕎麦を食べてから参詣した。
神代植物公園はバラフェスタの最終日前日で満開であった。温室の睡蓮とベコニアがバラ以上に素晴らしく、芍薬も満足できた。
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国立天文台に歩いて向かった。黒点を観察していた口径20cm屈折望遠鏡の第一赤道儀室と口径65cmの国内最大の屈折望遠鏡の大赤道儀室(天文台歴史館)には、ボランティアの若者がいて、ドイツのカール・ツアイスの望遠鏡の説明を聞くことが出来た。
老朽化のために、大赤道儀が1990年代から使用していなことは、非常に残念なことであった。
武蔵境にバスで向かい、居酒屋で軽く語らって、解散した。

by ecospec33 | 2012-06-03 17:22 | ●プライベート