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COP17の日本の対応方針に賛同(京都議定書、不平等条約、ポスト京都)

昨日11月28日から、南アフリカのダーバンで約190の国と地域が参加して、COP17(第17回 国連気候変動枠組み条約締約国会議:Conference of the Parties to the UNFCCC)が始まった。
京都で開催されたCOP6で採択された京都議定書(Kyoto Protocol)の第一約束期間(1998年から2012年)以降の枠組みであるポスト京都(Post Kyoto Protocol)を協議する会議である。

今日29日に、政府は地球温暖化問題に関する閣僚委員会を開き、COP17の対応方針として、2012年末で温室効果ガス削減の義務づけ期間が終わる京都議定書について、次の約束期間をつくる延長には加わらないことを確認し、仮に延長が決まった場合には参加を拒否し、先進国に削減義務を課す京都議定書の枠組みから離脱する姿勢を鮮明にしたと報道された。
今日の朝刊で、読売新聞と産経新聞がそれぞれ、京都議定書の延長反対と枠組み離脱を主張していた通りの結果となった。

カナダが12月にも京都議定書から脱退する予定と報じられており、京都議定書の枠組みそのものが崩れつつある。
そもそも、1997年12月に京都で開催された国際会議であったために、日本がEUに対して譲歩を重ねて京都議定書を採択したのが問題の始まりだった。言い換えれば、環境省が勇み足で不平等条約を締結せざるを得なかったと言っても過言ではない。
このため、今回の政府の対応方針は当然のこととして受け止めている。
この結果、COP17で国際環境NGOからは、「化石賞に値する日本は最悪国」と批判されるだろうが、日本は世界の正義を正すことに徹底すべきである。

政権交代直後に、鳩山首相が国内のコンセンサスを得ずに、「2020年までに90年比で温室効果ガスの25%削減」という高い目標を国連で国際公約した。
当時は民主党と鳩山首相の異常な政権運営を感じたが、野田首相でやっと正気に戻ったと言える。
大震災、原発事故という大転機があったのであるから、日本国内のエネルギー需給問題と地球温暖化対策の枠組みの再構築を優先して、国際公約を策定し直すことが必要である。

by ecospec33 | 2011-11-29 20:59 | ●地球温暖化問題  

小金井ごみ戦争終結に向けた市長選の行方

小金井市ごみ戦争に敗北した佐藤前市長の辞任を受けて、小金井市長選が12月11日告示、18日投票で行われる。
その候補者が出揃ったようである。自民党の元市長の稲葉孝彦氏(67)、元自治官僚の野村隆氏(58)、小金井市議の斎藤康夫氏(56)、共産党の小泉民未嗣氏(33)である。

稲葉元市長は「小金井ごみ戦争」の戦犯者に列せられる人物であるから、実に微妙な立候補であり、期待出来ないだろう。斉藤市議は「非焼却施設」という理解困難な廃棄物処理施設を模索している中心人物であることから、お奨めとは言えないようである。共産党は言うことは理に叶っていて立派であっても、何故か嫌われており、若過ぎて経験不足の点から、残念ながら小泉氏は見込めないだろう。
東京大学法学部卒の野村氏は衆議院議員の横粂勝仁氏の政策秘書を務めていたそうで、千葉県、岐阜県、熊本県などの自治体での経験を、「小金井ごみ戦争」の終結に生かせれば、期待出来そうである。

新市長が誕生したとしても、市議会の動向が気になるところであるが、廃棄物焼却施設を二枚橋に建設するしかない。
多摩地区の市長会ばかりでなく、これに東京都庁を組み入れて、早急に「小金井ごみ戦争」終結の工程表をまとめることが新市長と市議会に期待されている。

何度も記しているが、多摩地区のごみ問題が東京都から冷遇されていること、「小金井ごみ戦争」と同様な状況が多摩地区の他の市町村においても今後生じる可能性があることを、多摩地区の全市町村が共通認識し、協力し合うシステムを構築する必要があることを、小金井市民としても訴えていかなくてはならない。

by ecospec33 | 2011-11-29 16:42 | ●廃棄物問題  

大阪ダブル選挙と3大経済圏の工業用水道(大阪維新の会、地勢)

昨日の大阪首長ダブル選挙で、大阪維新の会の橋下徹新市長(42歳)と松井一郎新府知事(47歳)が誕生した。
日本の中でも閉塞感が最も強いと思われる近畿地区、その中核である大阪が副首都としての役割を果たしてもらいたいと考えているので、今後の若手の旗手に期待したい。
大阪ダブル選挙と3大経済圏の工業用水道(大阪維新の会、地勢)_e0223735_18434256.jpg
ところで、2000年から数年にかけて、東京都、愛知県、兵庫県で食品工場において工業用水の活用を進めた。
工業用水が水道水に比べて安価であるのが、その理由である。ちなみに、その経済的メリットは、年間数億円に達した。
東京都と愛知県の工業用水は極めて簡素な運用であるが、近畿地区の工業用水は複雑である。近畿地区は淀川から引き込むため、府と県、市をまたぐからである。
東京都の工業用水の水質管理は徹底しており、都庁には整理された過去の克明なデータが公開されている。一方、近畿地区は各政令指定都市が管理しているが、公開している水質データは非常に粗く、必要なデータが一箇所では収集出来ないのである。
この近畿地区の工業用水道の管理問題は、大阪市と大阪府における二重行政と希薄行政の問題と符合している。
大阪ダブル選挙と3大経済圏の工業用水道(大阪維新の会、地勢)_e0223735_18441164.jpg
この工業用水道の管理問題からしても、「大阪維新の会」が目指す大阪都構想では行政範囲が狭いのではないだろうか。副首都としての機能を大阪都に構想するのであれば、近畿経済圏を広域連合として取りまとめないと、東京都、更には首都圏には太刀打ちが出来ない。
大阪府に比べて東京都が関東平野という広大な後背地に抱え、首都として優れた地勢を有しているから、尚更のことである。

ともすれば忘れがちであるが、日本における首都東京と同様に、世界における日本が優れた地勢を有している利点を忘れてはならない。

by ecospec33 | 2011-11-28 18:33 | ●用水・排水、上水・下水問題  

「阿武隈川から放射性セシウム流出」を検証すると・・・

昨日11月25日、新聞各紙に「阿武隈川河口から1日あたり525億ベクレルの放射性セシウムが海に流出」といった記事が載った。
単位が億であるから大量ということは分かるが、リスクが高いのかは判然としない。

このためには、阿武隈川の水量を把握することが先決である。
国土交通省の河川計画などから、阿武隈川下流域の丸森町における平常時の水量は40m3/秒であり、また高水流量は丸森町、河口部の岩沼市で、それぞれ7100、9200m3/秒を読み取った。
これから、河口部の平常時の流量は、40×9200÷7100=51.8m3/秒 と推定される。
これは1日あたり45億リットルの水量である。
51.8m3/秒×60秒/分×60分/時間×24時間/日×1000L/m3=4.48×10 9L/日 

このため、阿武隈川の放射性セシウムの濃度は、12ベクレル/リットルと算定される。
525億ベクレル/日÷45億リットル/日=11.7ベクレル/リットル
国が定めた放射性セシウムの飲料水の摂取基準が200ベクレル/リットルであるので、飲水してもリスクが少ない濃度と言える。

京都大などの合同調査は、阿武隈川の河川水を取水し、それから放射性物質濃度を測定し、これに水量を掛け合わせることで、海域への放射性物資の流出量を算定したのであろうから、この過程を逆算しただけのことである。
上流域では、これよりも流出量が多いそうであるが、ともあれ、新聞はセンセーショナルな文面にしたがるから注意深く検証した方が良いということである。

by ecospec33 | 2011-11-26 07:30 | ●用水・排水、上水・下水問題  

ベルトコンベア火災と電力ケーブル火災の教訓(Jパワー、石炭火力発電所、フジクラ)

昨日11月24日午後10時ごろに、Jパワー(電源開発)の磯子火力発電所で火災が発生し、約6時間後に発電を中止した。
発電した電力を東京電力と東北電力に送電していたそうであるから、電力需給が逼迫していた今夏の火災事故であったなら、大きな社会問題になっていたはずである。
火災の原因は不明であるが、貯炭サイロから石炭を運び出すベルトコンベア付近から出火したという。

これまでも、石炭や可燃物などを搬送するベルトコンベア付近から出火した火災は少なくない。その火災原因にベルトコンベアが直接的、間接的に関与している。
●東京都京浜島清掃工場:2002年5月7日
焼却用廃棄物を運搬するベルトコンベアから火災が発生。
火災原因は、ベルトコンベアで破砕機から分別処理部分に移動する所で発火していることから、破砕機で生まれる火花が不燃ゴミ中の引火性のものを発火させてしまったものと推定された。
●四国電力西条発電所:2006年9月10日
コールサイロからコールバンカーへ石炭を運搬するベルトコンベアから出火。
火災原因は、ベルトコンベア内のローラーの軸受部が固着し、軸と軸受内輪とが擦れた結果、発熱し、周辺の石炭粉やベルトコンベアに延焼したものと推定された。
●新日本製鐵八幡製鉄所:2008年7月29日
コークス炉に石炭を運搬する屋外のベルトコンベアから出火。
火災原因は、ベルトコンベアが劣化して落下し、ガス管を損傷したことが出火原因と推定された。
●北海道電力苫東厚真発電所:2008年10月 16日
苫東コールセンター貯炭場から苫東厚真発電所1号機貯炭場へ石炭を運搬するベルトコンベアから出火。
火災原因は、火災発生当日にコンベヤ下部で実施していたコンベヤ腐食部修繕工事において、コンベヤ支柱ボルト取替作業のためガスバーナーを使用した際、ガスバーナーから発生した高温ガス等により、コンベヤ建屋側壁の内張りベニヤ材に着火し、建屋内部に延焼したものと推定された。

いずれにしても、老朽化対策の遅れ、火災予防対策の不足、人材教育不足などが真因となるのだろうが、過去の同類の火災が教訓として生かされていないようである。
火災の消火と復旧には多くの時間を要し、鉄鋼や電力の供給不足といった社会問題化する可能性がある。

このように社会問題化しないまでも、一企業にとって火災事故が大きなリスクとなる。
2002年前後であったと記憶するが、子会社の乳製品工場で電力ケーブルから出火した。
夜勤の設備担当者がピチピチという聞きなれない音を感じ、天井を見上げて火災に気づき、延焼を未然に防ぐことが出来たのだが、国際的な外食企業へ納入する製品を製造するラインを再開することが出来たのが、火災後2日であった。
私も火災当日から徹夜を強いられ、電力設備の復旧と工場内の製造担当と設備担当との調整に当たった。また、火災原因の追究について社内では出来ないと判断して、電線メーカーであるフジクラにお願いした。
この結果、出火した電力ケーブルは空調設備に電力を送電し、24時間×30年間にわたって連続使用していたこと、またケーブルの放熱が妨げられる配線構造となっていたために、絶縁被覆が徐々に炭化して、ショートしたことが原因と推定された。

この火災事故を契機に、フジクラから提供された情報を参考にして、電線、電力ケーブルの配線手法など電力設備に関する規格を見直し、全面的に改定するとともに、老朽化した電力ケーブルの更新を進めた。
電気設備の専門担当であったなら、過去の仕事を反省することなしに、この火災を単独事故として扱い、教訓と生かさなかったかと思うが、これまで電気設備に関与してこなかった私だからこそ出来たものと思っている。

by ecospec33 | 2011-11-25 12:25 | ●その他社会問題  

企業倫理の確立に向けて(企業風土、社会的責任、CSR、ISO26000)

一昨日11月22日に、大王製紙の井川意高前会長が特別背任容疑で逮捕された。
大王製紙のエリエールはナンバーワンのシェアを誇るティシューであるが、同業他社と協調をしない強引な値下げ商法で、そのシェアを確保していると製紙業関係者から聞いたことがあった。これも創業者による同族経営によるものかは明らかでないが、創業家3代目が家業を危うくした。帝王学を学んだエリートらしいのだが、「長男の甚六」気質と言われる問題でもあったかと思う。
前会長はこの巨額借入の不祥事を個人的な問題として詫びてはいるが、大王製紙における企業風土、コンプライアンス(法令順守)とコーポレイトガバナンス(企業統治)といった企業倫理の問題である。
オリンパスの巨額損失隠し、読売巨人軍の内部紛争なり、一時代を反映する同根な事件が相次いでいるが、一流企業と呼ばれている大企業の多くが、過去の不祥事という負の遺産を背負って経営を継続している。

大手乳業会社も例外ではなく、各社それぞれの「脛に傷」を持っている。
森永乳業は「森永ヒ素ミルク中毒事件」(1955年)、明治乳業は「明治ヤシ油混入事件」(1971年)、雪印メグミルクは「雪印食中毒事件」(2000年)である。
このうち、「明治ヤシ油混入事件」は食中毒を起こした事件ではないため、あまり世間に浸透していないようである。これは、明治乳業が安価な異種脂肪(植物油脂)を牛乳に混入させ販売したという事件であり、数年前の中国でのタンパク質代替としてメラミンを牛乳に混入させた事件と同質のものである。
他社の事件が過失であったのに対し故意であったことが大きな社会問題となり、国会でも『明治乳業の社会的責任をどう考えているのか』と、政府と監督官庁の農水省が追及された事件であった。当時40年前には「CSR」という言葉は存在しなかったようだ。

2011年の年の瀬が気になり出した11月に入ってから、大手乳業会社から「CSR報告書2011」が送られてきた。
この2年間、1か月づつ発行が遅れてきているので、送り主のCSR室長に発行を早めるようにと叱咤激励し、また、大震災の対応が記されていたことは評価するが、CSRの言葉遊びをしているようで、また、まるでリクルート用の冊子となっていたので、骨太な内容にした方が良いと批評しておいた。
提供される様々な商品、新製品、サービス、また公表される「CSR報告書」などを含めて、この企業の現在の実力であるので、厳しい評価、批評をしたところで何の効果もないことは承知の上である。

この「CSR報告書」の基本とすべき概念を、ISO26000(社会的責任に関する手引)が示している。「社会的責任に関するコミュニケーション」の章、「社会的責任に関する情報の特性」の項で、社会的責任に関係する情報に求められる条件を規定している。
 1.完全であること
 2.理解しやすいこと
 3.敏感であること
 4.正確であること
 5.バランスが取れていること
 6.タイムリーであること
 7.入手可能であること
5.バランスが取れていることについては、『情報はバランスが取れ,公正であるべきである。また,組織の活動の影響に関する否定的な情報を省くべきでない。』と規定している。

この『否定的な情報』の視点から、大手乳業会社の「CSR報告書」を見比べると、雪印メグミルクだけが「雪印食中毒事件」に加えて「雪印食品牛肉偽装事件」を記載し、過去の不祥事を風化させてはならない姿勢がくみ取れる。
しかし、他の2社は現在の華やかさを見せつけるが、過去の不祥事を隠しているかのようであり、風化させない努力を垣間見ることは出来ない。
「CSR報告書」は社外に綺麗ごとの情報を発信する手段ではない。従業員の読み物でもあり、企業風土を形成する一手段であると考えたい。

企業は経営指標だけで推し量ることが出来ない生き物である。その生き物だけに、企業倫理は一朝一夕には確立しない。
ISO26000を取り込むであろうCSR担当部署の見据える先は、企業倫理の確立である。

by ecospec33 | 2011-11-24 12:05 | ●CSRと環境対策  

エセ科学とエセ技術は無くならない(疑似科学と疑似技術、ニセ科学とニセ技術)

20年ほど前になるが、プレート式熱交換器に付着するスケール(汚れ、Fouling)を防止するため、ある水処理装置を組み込んだ実験をおこなった。
これを命じた上司は技術雑誌の広告を見て、熱交換器の熱効率が低下しないので長時間の連続運転が可能となるのではないかと、直観し飛びついたようである。私はこれに対し、新しい技術を容易に見つけ出すことは出来ないと冷静に考えていた。
米国製の水処理装置の販売代理店を直接呼んで効用を聞いたが、NASAの開発した技術であることを前面に出して、水の結晶構造を変えることができるなどと説明するのみで、案の定、科学的な根拠がなく納得の行くものではなかった。

上司の思惑とは裏腹に、長時間運転の実験結果は、その水処理装置の有り無しに関わらず、プレート式熱交換器に付着したスケール量は全く変わらなかった。これに対し、販売代理店は実験した系(システム)が水処理装置と合っていなかったと主張したが、技術的なアドバイスもなく埒が明かないので、それ以上の交渉は止めにした。
その後も、同じような目的で磁気式、電場式などの装置を冷却塔に、また重油を低分子化するという売りの装置をボイラーに実装して実験を試みたが、販売者が宣伝するような効果は見当たらなかった。

その後数年経って、子会社が上述のNASA開発の水処理装置を販売しており、関係する工場に冷却塔の付属装置として納入していることを知って驚いた。その子会社の社長はかつての上司が務めていたから尚更のことであった。
また、この水処理装置をボイラー給水に実装した実験を行っていて、スケールと腐食が防止できボイラー用薬剤が不要となったことを理由に、子会社の営業担当者が全ての工場に展開するよう要請してきた。しかしながら、ボイラーの実装実験が水処理装置の有無の差を実証出来るほどの科学的な方法でなかったことから、その要請を断るとともに、1年以上続いていた実装実験を即時に中止させた。
それでも、子会社は社外への販売は止めずに、水道の赤水防止と水道管の腐食防止にマンションなどに売り込んだりしていたが、あるマンションで漏水事故が発生し、水処理装置の効能がなかったとして提訴されてしまった。訴訟では、「水道管の腐食を抑えることで、漏水事故の発生を遅らせることが出来た。」と屁理屈を通して逃れようとしたが、敗訴したそうである。この裁判があって、子会社は水処理装置の販売から撤退したと聞いた。

ほぼ同時期に、この子会社は結氷を促進するという薬剤の特許を申請し、販促用パンフレットを作成するなど販売を開始していた。それは新聞誌上にも掲載された。
アイスバンク(アイスビルダー、氷蓄熱システム)の中に、その薬剤を投入することによって冷媒の蒸発温度を下げることなどができ、10%もの省エネ効果が得られるという触れ込みで、全工場に展開したいという要請があった。
子会社の開発担当者を呼んで、省エネ効果が得られた実験の方法と結果を見直し、また食品工場のアイスバンクで半年間の実験をおこない検証をおこなった。これも案の定の結果で、担当者の実験は何らの科学的根拠がなく、検証結果も薬剤投入の効果は皆無であった。
これによって、全工場への展開、社外への販売は中止されたが、産業技術総合研究所の博士と共同の特許申請であったために、三菱電機に第三者検証をお願いするなど、多くの時間を費やして打ち消さざるを得なかった。

上司であった子会社の社長とは直接的に話はしなかったが、新技術と思い込んだ装置と近しい担当者への思い入れが、科学的な根拠がないままに進めた事業の失敗であったと思っている。
とかく新技術を触れ込む水処理は、水もの、際物なので細心の注意を図った方が良いというのが私の実体験である。

by ecospec33 | 2011-11-22 06:27 | ●用水・排水、上水・下水問題  

東京ごみ戦争と小金井ごみ戦争(多摩地域の冷遇、格差)

1971年に、美濃部都知事が都議会で「ごみ戦争」を宣言した。
江東区議会が、自前の清掃工場(焼却施設)の建設計画を中断している杉並区のごみを受け入れないことを決議したためである。
その後、杉並区は当初の計画通りに高井戸に焼却施設を建設し、1983年に操業を開始した。この施設も来年2012年には老朽化による更新工事が開始されるという。

23区は「東京二十三区清掃一部事務組合」を結成し、区内のごみ問題を総合的に対応しているが、多摩地域は2、3の市町村が「衛生組合」を結成しているものの、地域全体を総合的にごみ問題に対応する組合を結成していない。
一方、最終処分については、区部は「(財)東京都環境整備公社」を、多摩地域は「東京たま広域循環組合」を結成している。余談であるが、前者は組織を拡大し続け、都庁の天下り先とも言われている。
ごみ問題で、多摩地域は区部に比べ冷遇されていること。また、この原因は東京都としての役割を果たしていないことであると記したが、東京都が区部で進めた組織力が、区部と多摩地域の格差を生じさせているのである。

市長が辞任せざるを得なかった小金市のごみ問題に対し、石原都知事はまるで他人事のように静観しているが、この多摩地域のごみ問題は40年前の「東京ごみ戦争」と何ら変りがない大事件である。都知事は「小金井ごみ戦争」を宣言し、多摩地域のごみ問題に本腰を入れて対応しなくてはならない。

by ecospec33 | 2011-11-21 07:02 | ●廃棄物問題  

国民の不信感を翻弄した放射汚染処理水の飲水事件(脱塩、RO膜)

去る10月31日に、東京電力と政府の共同会見の席上で、内閣府の園田康博政務官が低濃度放射能汚染水の浄化処理水(脱塩水、RO膜処理水)を飲んで見せ、国民を驚かせた。
10月10日の会見で、原発事故周辺の樹木に散布されている処理水が低濃度であることを証明するために飲んだらどうかとのフリーライターからの求めに応じたそうである。

飲んだ水はヨウ素やセシウムなどの放射性物質は検出限界未満で、健康上の問題はないそうであるが、求めたメディアも応じた衆議院議員も、国民の不信感を弄んでいるのではないだろうか。
国民に東京電力と政府への不信感を増長させようとするメディアと、メディアの背後にいる国民の不信感を払しょく出来るものと目論む政府とが共同で創作したシナリオを、彼は演じて見せたのである。その題名は、「国民の不信感を翻弄する術」であった。

環境エンジニアリング会社の技術者から、処理水を飲んだという同様な話を聞いたことがあった。
30年以上も前になるが、技術者の上司が、排水処理設備工事の現場で施主に完工を確認してもらっている際に、排水の処理水を飲んで見せたそうである。今でこそ、処理水をRO膜で処理すれば大腸菌もいないだろうが、当時は膜技術が開発されていなかったので、病原菌もが混入している可能性の高い処理水であったはずである。
それは、設備の不備を隠すための咄嗟の行動であったという。
施主ばかりか、その技術者も上司の行動に唖然としたが、何とか検収を済ませることが出来たそうである。
芸術的な意匠図を描く一級建築士であった、その上司は会社を辞められてからも私のところに訪ねて来ては、性能が高い?焼却炉を売り込みするなどしていたが、彼の裏を知って信用ならないため、一切お断りしていた。

不信を覆い隠す、または不信感を弄ぶ、このような行動が不信を招くだけである。
誰がと限定する必要はないが、それぞれが確信できた事実を説明し続けることしかないだろうが、非常に難しいことのようにも思う。

by ecospec33 | 2011-11-19 10:21 | ●その他社会問題  

食品企業における環境ブランドと広告宣伝費の相関性(費用対効果)

日経エコロジーが、環境ブランド調査を毎年実施している。
企業に属していた数年前は、この環境ブランド指数が同業他社より低いと環境部門の長として非常に気になることであった。
しかしながら、この指数を決定付ける環境コミュニケーションは、テレビCM、企業のホームページ、企業の商品やサービス、新聞記事、新聞広告などが上位に並び、環境・CSR報告書は最下位であった。すなわち、企業の環境ブランドは専ら企業の広告宣伝費によって決定されることを示唆するものであった。このため、食品企業について調査した。
食品企業における環境ブランドと広告宣伝費の相関性(費用対効果)_e0223735_1833598.jpg
この結果は相関が高いことを示し、広告宣伝費が200億円以下については、環境ブランド指数が大きく変動することが判明した。
これに関して、宣伝広告費が多大にも関わらず環境ブランド指数が低いといった費用対効果が低い企業は、キッコーマン、明治乳業、ハウス食品、大塚製薬、山崎製パン、森永製菓、ヤクルト本社であった。逆に、費用対効果の高い企業は、サッポロビール、アサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園、カゴメであった。

広告宣伝費は、環境ブランドのイメージを高めるだけの役割でないことは明白であるが、新製品の宣伝など他の役割においても費用対効果の低い支出している可能性があることを示唆するものである。
今後行われるであろう企業のCSRランク付けについても、広告宣伝費と相関が高いという同様な結果となることが示唆できる。

by ecospec33 | 2011-11-17 18:34 | ●CSRと環境対策