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アンモニア冷凍システムの実態とエネルギー管理統轄者の資質

1998年に競合他社が大規模な工場を利根川沿いに建設し、運用を開始した。
その工場では新たな冷却設備を導入した。一次冷媒にNH3を使用し、二次冷媒(ブライン)を冷却し、このブラインをサイロ型タンクに貯蔵し、工場に隣接した冷蔵庫と製品を冷却させるシステムである。冷凍システムの成績係数(COP)が高く、冷蔵庫の温度が安定していることが特徴であるとの触れ込みであった。

この工場の稼働開始前から設備メーカーと競合他社の設備担当者から情報が入り、この冷凍システムは成績係数が計画値より低い(計画:4.5、実態:2.8)こと、ブライン冷却装置の維持管理が面倒なこと、ブラインと水と熱交換させて製品冷却に使用していることなど、負の面も明らかになっていた。
当時、私が加入していた日本冷凍空調学会から、私が関与した「アンモニア吸収冷凍機と電動圧縮式冷凍機を組み合わせたハイブリッド冷凍システム」の見学会を要請してきたが、上司の反対で受け入れられなかった。このため、前述の競合他社のアンモニア冷凍システムを見学するよう薦めた。
もちろん、同業者の私はその見学会に参加することは出来なかったが、その様子は1999年に学会誌に掲載され、計画時の高い成績係数が記載されていた。

2000年前後だったろうか、製造部門の役員とその腰巾着の若手社員が、突然に「工場の電力使用量を半減させろ。」と言い出し、続けて「同業他社が新工場で電力使用量を半減したのだから、出来るはずだ。」と、経済誌に掲載された競合他社の社長談話を根拠に言い放った。
その記事も承知していた私は「冷凍システムの電力使用量は半減しただろうが、総電力使用量における冷凍に係る電力使用量の割合は25%程度であるから、記事のように半減できるはずはない。」と反論した。すると、その役員は「経済誌を信用しないのか。」と、憤懣やり方ない様子であった。これでも役員かと呆れ返る思いであった。
余談であるが、その役員と若手社員は共に経済専門の国立大学出身者で、役員は2期で終わったが、腰巾着であった社員は、現在生産部門の一部門長を務め、工場の閉鎖に邁進している。今も誰かの腰巾着を続けているのである。

一昔前とは違うだろうが、省エネ法(エネルギー使用合理化に関する法律)のエネルギー管理統轄者が、このような頓珍漢な人物であったとしたら、誰がコントロールするのだろうと想像を膨らませ、笑ってしまう事件であった。

by ecospec33 | 2011-08-31 08:35 | ●エネルギー問題  

「電力使用制限令」の前倒し打ち切り(「実質的な節電」と「見かけ上の節電」)

福島第1原発事故による電力供給不足によって生じた電力需給逼迫を解消するために発令された、東京電力管内と東北電力管内における大口需要者に対する「電力使用制限令」が、期限を前倒しして打ち切られることになった。

東北と関東の大震災と新潟・福島豪雨の被災地での大口利用者に対する使用制限は来月2日で終了し、それ例外の東京電力管内は来月22日までを2週間前倒し9日までで終了、また東北電力管内は予定通り来月9日までで終了するという。
しかしながら、残暑への対応から東京電力管内の企業や家庭などに対して、15%の節電努力の協力を呼びかけるという。

節電とは言っても、冷房の温度設定を上げるなど「実質的な節電」と電力需要ピーク時に緊急的に設置した自家発電を運転する「見かけ上の節電」がある。
この「見かけ上の節電」は省エネでもなく、CO2削減でもないので、「電力使用制限令」の前倒し打ち切りで「見かけ上の節電」を中止することは、地球環境にとって良好なことである。また、この「見かけ上の節電」は、電力会社に支払う電力料金より燃料代が嵩むことから、「電力使用制限令」の前倒し打ち切りは、企業にとって渡りに船の話である。
このため、罰則のある節電命令から節電協力に代わった時点で、企業は一斉に自家発電の運転を中止することだろう。

このような状態があったとしても残暑も乗り切れるだろうが、行政はこのような煩雑な指示、命令をしないで、「電力使用制限令」を予定通りに継続する忍耐力が必要であったと思う。また、数日前に東京電力から「電力使用制限令」の前倒し打ち切りの提案があったというが、東京電力は原発事故対応に専念してもらいたいと思っている。

by ecospec33 | 2011-08-30 07:04 | ●原発問題と電力需給逼迫  

ISO 50001(エネルギーマネジメントシステム、EnMS)の概要

今日、BSIジャッパンによるISO50001のセミナーがあったので、参加した。
他社の環境対策室長の薦めがあり、3年ほど前にISO14001(環境マネジメントシステム、EMS)の認証機関をロイド・レジスター(Lloyd's Register)・ジャパンからBSI (British Standards Institution、英国規格協会)ジャパンに変更した。どちらも、英国発祥の認証機関であるが、その名称が示すとおり、格はBSIの方が上と言える。

ISO 50001(エネルギーマネジメントシステム、EnMS)の規格概要の説明と、この7月に日本で初めて認証を取得した㈱山﨑砂利商店の紹介がなされた。
本規格は、米国が開発した規格(ANSI/MSE2000)とBSIが開発した規格(BS EN16001)を基にして2011年6月に発行されたのだから、出来立てほやほやの規格である。
エネルギーの削減、CO2の削減に特化した規格であり、ISO14001の一部門を深化させたと考えればよく、このため、規格の統合化も可能という。
ISO 50001(エネルギーマネジメントシステム、EnMS)の概要_e0223735_21135654.jpg
出典:省エネセンター
企業人であれば、ISOが新たに発行されると対応しなくてはならないと思うだろうが、本規格に関連して、マネジメントの以前に省エネ法があり、法令順守を優先することが必須であり、本規格はエネルギーの削減、省エネを推進する手法(マニュアル)では決してない。また、この認証を取得すれば、エネルギーの削減が保証されるということではない。
しかしながら、本規格の「エネルギーレビュー(エネルギー分析)」を行うことによって、「著しいエネルギー使用」という改善点を発見することが可能である。実際に改善するのは、その後である。

㈱山﨑砂利商店は、認証取得にコンサルタントを活用したとのことで、その行政書士の資格を有するコンサルタントが約8か月の取得までの工程を説明された。エネルギー管理士ならば認証取得のためのコンサルタントも可能と思っていたが、行政書士が・・・と唖然としたが、その人物の資質によるものかと思う。
本規格への対応については、大企業と中小企業と異なるはずであるだろうが、将来的には、省エネ法順守の公明性、透明性を補完(証明)する大きな武器になるに違いない。

by ecospec33 | 2011-08-25 21:18 | ●エネルギー問題  

食料自給率と食品廃棄物Ⅶ(食品バイオマスの利活用、エネルギーアドバンス)

数年前に私が着想し実施までを行った「森永乳業 多種バイオマスの最適な複合利活用による熱供給」が、今年の3月に「平成22年度食品産業CO2削減大賞」の農水省総合食品局長賞を受賞した。
私が単独で構想を展開させ実験などを重ねて5年経過し時点で、それまでもコージェネレーションの導入で協力してもらっていた、㈱エネルギーアドバンスの優秀な技術者とともに、この食品バイオマス施設を具体化し実施した。着想から実施までに約7年を要した。
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食品工場では、その製造品目によって様々な食品廃棄物が排出される。
前回、前々回に、廃棄物の処理について厳しい指摘をしたのには、私が現実的にこのよな対策を実施した経験を有しているからである。
廃棄物を安価に処理することだけを考えてはならない。環境対策の一部として考えて、いかに価値のあるもの、経済的に成り立つものにするかを検討しなくてはならない。
その価値は、廃棄物の自工場での確実な管理、廃棄物の排出削減、熱回収によるエネルギーの削減、CO2の削減などによる環境性と経済性である。

食品廃棄物の処理するポイントは、その含水率によって、処理法を検討することである。
廃液などの高含水率(約85%)の食品バイオマスはメタン発酵させ、コーヒー粕などの低含水率(約60%)の食品バイオマスは乾燥させ、これを合わせて、ボイラーで熱回収させたのである。

社内で誰からも指摘、指導されることなく着想し、構想を膨らましていたのが一番楽しい時期であったようだ。現実に出来上がってしまうと、こんなものであったかと、それほどの満足感は得られなかった。
しかしながら、それが公的に評価されるのは、非常に誇らしいものである。

by ecospec33 | 2011-08-24 19:52 | 〇食料自給率と食品廃棄物  

武蔵野公園の「原っぱ祭り」と夏の終わり

野川沿いの武蔵野公園のクジラ山の野原では、「原っぱ祭り」の準備が始まっていた。毎年夏休みの最終の週末に開催される。夏の終わりの風物詩である。
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寒冷(秋雨)前線が南下し最高気温が30℃を割ったため、蝉の声は力不足で、樹液の甘酸っぱい匂いがする木にも、カブトムシを見ることが出来なくなった。
野川公園北側の国分寺崖線から流れ出す小川には、先週まで小さな子供たちがいて、ざわめいていたが、誰もいなくなった。
また残暑で暑さが戻るだろうが、今年の夏の電力需給逼迫も終了である。

by ecospec33 | 2011-08-22 14:18 | ●季節の変化と日常生活  

食料自給率と食品廃棄物Ⅵ(食品リサイクルの現実)

あるNPO法人が、2年ほど前に私の後任者となった環境対策部門の長に接触を図った。
そのNPO法人とは、その数年前から私とも“おつきあい”をしてはいたが、遠巻きにして観察していた。というのも、“うさんくさい”匂いがしたのである。
そのNPO法人は今も活動しているらしいので、名前を伏せておかなくてはならないが、そのHPを開くと、全国展開を図るという内容は消去され、3年以上前の理事長挨拶などの内容だけが掲載されている。

4年ほど前に、そのNPO法人が関与して建設した埼玉県にある廃棄物処理施設を有する企業を視察した。予定の半分程度しか産業廃棄物を収集できていないために、木材のチップを投入しており、その施設の裏では運転員が数名蠢いていた。木材チップは品薄で高騰しており、買い入れ費用がかかっている感じであった。
「コカコーラが食品廃棄物を資源化して売却。」とセンセーショナルに宣伝していた時期であったので、「環境に優しいと、貴社も宣伝できますよ。」と勧誘しきりであった。

しかしながら、不思議なのである。産業廃棄物を処理しているにもかかわらず、産廃処理の許可を得ていないのである。埼玉県は資源化施設であるから、その許可の必要はないと言っているそうだが、排出、搬送されている時点では産業廃棄物で、その処理施設は産廃処理施設の対象外なのである。
栃木県は、長年運営していきた産業廃棄物である脱水汚泥を肥料化(コンポスト化)する会社を閉鎖に追い込んだことがあったが、これも産業廃棄物の処理施設として許可を得ていなかったという理由をつけたのである。
また、その施設は、廃棄物を直接的に燃焼するという工程があるにもかかわらず、ダイオキシン対応が施されていなかった。これに関しては、「その処理は焼却施設に当たらない」という行政の考え方も成り立つであるだろうが、実質的には廃棄物の半分程度が焼却しているのである。

この視察の後も、“うさんくさい”NPO法人に盛んに付きまとわれたので、周辺の工場から該当する廃棄物の少量を出してもらい、私はお付き合いを最小限に留めていたが、バブル期入社の私の後任者は、誘惑への素直さ、勉強不足、経験不足、実績を上げたいという焦りなどによって、そのNPO法人に取り込まれたと言って良いだろう。
NPO法人の工程表に乗って、農林水産省のバイオマス関連の多額の補助金を得る算段を続けていた。
役員らから意見を求められたので、私は「お付き合いしていた農水省元環境対策室長の話でもあるが、NPO法人は設備会社と連携しており、リース会社を巧妙に使い、公的な補助金を引き出そうと考えている。これが監査などで公にされれば、これに加担した企業として、ブランドイメージが堕ちることにも成りかねない。」と諭した。

結果的には、会長判断で取り止めとなったが、バブル期入社の担当者の産業廃棄物という一分野での判断ミスが原因で、「企業のほころび」が表面化する可能性があることを、この事件が示している。

余談であるが、かつて視察した埼玉県の産業廃棄物処理会社は、案の定、1年ほど前に倒産したと、そこに産業廃棄物を排出していた工場の担当者から聞いた。
昨年秋のゴルフコンペ時に、そのことを後任者に話して、「信用のおける会社とお付き合いしなさい。」と諭したつもりだが、そのNPO法人は彼に営業活動を続けているらしく、「NPO法人には大学教授がついている。」と強気で、自分の失敗事件に気づいていないようであった。「HPも見返しなさい。」とも教えたが、彼はどうしただろうか。

by ecospec33 | 2011-08-22 10:31 | 〇食料自給率と食品廃棄物  

食料自給率と食品廃棄物Ⅴ(食品リサイクル、脱水汚泥、産業廃棄物、おから乾燥)

社内のある研究所が、脱水汚泥のガス化燃焼という実験を炉メーカーのテストプラントで行っていた。食品会社の排水処理の脱水汚泥は含水率が高く、自燃することが出来ないと思われたのだが、その実験は成功したかのように大々的な報告がなされていた。

それを読んだ役員が、私の意見を求めてきた。これに対し、「脱水汚泥は食品廃棄物に該当はしないが、産業廃棄物として大きな量を占めることから、その処理方法を模索することは研究所の取り組みとしては理解できる。しかしながら、脱水汚泥とそれに関連する廃棄物について、排出量、排出形態、排出環境などの実態を的確に把握していないこと、ガス化燃焼での熱収支が正確でないこと、炉メーカーの言いなりとなった報告であることなどから、この実験以降の展開を中止すべきである。」と進言したことがあった。

その研究所では先例があった。この問題が発生する数年前に、「おからの乾燥技術開発」というテーマがあった。「おから」を有償で引き取ってくれる企業があれば、有価な資源として産業廃棄物とはならないが、そのような甘い社会ではない。法廷で争われたこともあったが、「おから」は産業廃棄物と同時に、食品廃棄物でもある。
「おから」の適正な処理については、この開発テーマに上がる2年ほど前に、私が社内で方向性を打ち出して一件落着していた。しかしながら、その研究所に対して、ある乾燥機メーカーが売り込みを図っていたのである。ある乾燥機メーカーとは、かつて私が「おから」の乾燥テストを実施したメーカーであった。


この「おから乾燥技術開発」なるテーマについても、食品廃棄物の実態を認識していないこと、経済性に関する検討がなされていないことなど、私が意見を出して反対したことによって、それ以上の進展はなかった。

食品廃棄物など産業廃棄物に関しての売り込みは多い。乾燥、焼却など処理設備の類、安価な産廃処理業者の自薦、他薦の紹介の類など様々であるが、マユツバで臨んだ方がよいだろう。
先の研究所の事例のとおり、これまで廃棄物などを扱ったことがなかった部署、あるいは担当者は、バイオマス、ガス化燃焼、エネルギー転換、送風乾燥などの目新しい誘い文句に、経済性の高い先進的な技術と勘違いして、その売り込みに飛びつく傾向にある。

次回も、生々しい事例を紹介し、注意を喚起したい。

by ecospec33 | 2011-08-21 12:52 | 〇食料自給率と食品廃棄物  

食料自給率と食品廃棄物Ⅳ(食品リサイクル法、飼料化、肥料化、バイオマス)

コンビニの弁当などを製造する工場があり、その工場長に工場内を案内してもらった。
パンの耳の切り端があり、「飼料会社が、他の食品廃棄物と無償で持って行ってくれる。」と自慢そうに工場長は話した。「それは、廃棄物処理法上も食品リサイクル法上も脱法行為に当たる。法に沿った適正処理をしなくてはならない。」と諭したことあった。
パンの耳は食品廃棄物であるが、有償で売却することで産業廃棄物扱いとしないこと、その他の食品廃棄物は産業廃棄物としてマニフェスト管理することを、工場長に約束させた。
このように、食品廃棄物と認識せず、また食品廃棄物が産業廃棄物にならない場合もありうる。

中部地方から千葉県へ300km近くを、豚の飼料として食品廃液を輸送している事例もある。養豚向けの飼料会社がローリーを週2、3回廻してくれるのであるが、それがかなりの有償引き取りなのである。
冨士山の西側山麓に「ヨーグル豚」というブランド豚の養豚場を視察したことがあったが、その食品廃棄物をヨーグルト状の酸性飼料化する神奈川県の食品リサイクル会社は倒産し、経営者が変わった。千葉県でもセブン-イレブンなどから出る弁当などの食品残さをリサイクルする大規模な食品リサイクル会社「アグリガイアシステム」があったが、運用開始して約2年足らずで2009年に倒産した。その飼料化工場は大々的に見学者を受け入れていたが、倒産劇はテレビでも放映され、セブン-イレブンの対応にも多少なりとも問題があったようである。

一方、食品廃棄物をバイオマスとしてエネルギー化している会社もある。市川環境エンジニアリングの関係会社である台東区にある「バイオエナジー」である。バイオマスをメタン発酵させ、そのメタンを燃料としてガスエンジンと燃料電池で発電(24,000kW)し、余剰分の電力を売電するのである。
8年ほど前の運用開始前に視察させてもらったが、立派な設備であった。しかしながら、かなりの有償引き取りであったので、取引は成立しなかった。
食品廃棄物の飼料化、肥料化は、その先のユーザーが確保されているかが問題であるが、バイオマスとしてエネルギーに変換できれば、そのユーザーは確実に確保されている点で有利と言える。

このように、食品廃棄物の扱いには信頼のある会社との取引が必要であるが、全体像を描き、先を読む力も必要である。

by ecospec33 | 2011-08-20 20:33 | 〇食料自給率と食品廃棄物  

豪雨の野川、天竜川の転覆事故、福島第一原発事故

秋が近づく豪雨が、野川周辺に降った。
雨が止んだ夕刻に散歩がてらに野川を覗いたら、川辺の草がなぎ倒されて、集中豪雨のすさまじさが感じられた。
この激しい雨量でも、「小金井新橋」と「二枚橋」の間にある、第2調整池と第1調整池は、いつものとおりの状態で、その役目を十二分に発揮する機会は極めて少ないようである。10時過ぎからの豪雨も、小金井市は大雨でも、野川上流の国分寺市は晴れていたとのことで、数km範囲の集中豪雨でしかなかった。
武蔵野公園への「やまめ橋」の看板には、増水の危険性を記しているが、この程度なら安心と思っている自分がいる。しかしながら、それが天竜川の川下り船の転覆事故につながるのである。

今年は、東北地方の大津波、新潟・福島の集中豪雨、天竜川の転覆事故など水害が続く。天災と人災が入り混じってはいるが、天竜川の川下り事故は、全くの人災である。
その理由:
1.2名の船頭の役割が明確でない。
船首の船頭が、衝突時に「これで終わりと思った。」と発言。船頭として、お客さんを助ける気はあったのだろうか。
2.操船していた船尾の船頭の経験不足。
観光案内をする船首の船頭を長くやっていたそうであるが、小型船舶操縦士の免許証を取得してから、3か月半だけで操舵する船尾の船頭になれるのだろうか? させてよいのだろうか?
3.操船していた、ご高齢な船頭。
亡くなられた船頭は66歳という。タクシーの運転手も十二分に高齢の方がおられ、乗っている方が平気だろうかと心配するほどである。
船首の船頭が、岩への衝突原因を操船のちょっとしたタイミングミスとしている。66歳のちょっとした判断遅れと操船遅れが命取りにつながったようである。
20年近く前に、秩父で川下りをしたことがあるが、その時の船頭も高齢で、それに態度も悪く、客への接し方が横柄であったことを記憶している。
4.転覆を想定したマニュアルがなく、その訓練もおこなっていなかった。

福島第一原発事故も同様で、津波を想定したマニュアルはなく、その訓練もおこなってこなかったということだろう。まさしく人災である。

by ecospec33 | 2011-08-19 18:49 | ●その他社会問題  

火力発電所のトラブル頻発(コンバインドサイクル、都の火力発電計画)

電力需給逼迫の最中に発電所のトラブルが頻発している。
これを経時的に記す。(出力、営業運転開始年)
 ・7月16日:中国電力三隅火力発電所1号機(100万kW、1998年)
 ・7月27日:東京電力鹿島火力発電所4号機(60万kW、1972年)
 ・7月下旬:東北電力管内の水力発電所32か所(100万kW)
 ・7月30日:電源開発高砂火力発電所1号機(25万kW、1968年)
 ・7月30日:電源開発橘湾火力発電所2号機(105万kW、2000年)
 ・8月13日:関西電力堺港発電所2号機(40万kW、2009年)
 ・8月17日:東北電力秋田火力発電所2号機(35万kW、1972年)
水力発電所は水害によるものであるが、他は、それぞれ原因があるのだろうが、トラブルが多いように見受けられる。

40年間以上も運転と停止を繰り返している火力発電所もあることから、原子力発電が停止したために、老朽化を承知の上で運転しているものもあるに違いない。
この中で特筆すべきトラブルは、2009年から営業運転に入った堺港発電所である。高効率なコンバインドサイクル発電所であるが、ガスタービンの動翼が高温によって損傷しているようであり、その復旧には、数か月を要するとのことである。
かつて、改良型コンバインド発電設備のある東京電力品川火力発電所を見学させてもらったが、そのガスタービンと蒸気タービンが直列一軸の発電設備は壮観であった。
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火力発電所1基のトラブル停止によって、原子力発電半基分の発電量が失われるのであるから、火力発電に依存せざるを得ない状況では、電力供給の綱渡り状態が当分続くだろう。

電力会社は火力発電所を新設、増強せざるを得ないが、7月15日に石原都知事が火力発電所の建設を検討中と発表している。餅は餅屋に任せておいた方が良いと思うのだが、火力発電所を除外した排出量取引も始めているのであるから、都民につけを回さないなら、何でもおやりなさいと言いたい気がする。

by ecospec33 | 2011-08-18 16:08 | ●エネルギー問題