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原子力発電の行方と代替電力Ⅶ(再生可能エネルギー、コージェネレーション)

これまで6回連載した「原子力発電の行方と代替電力(代替電源)」について整理し、原子力発電をどの程度まで代替出来るかを検証する。

過去の実績と今後の予測をもとに、それぞれの代替電力の発電設備容量が、次のとおり毎年増加すると仮定した。
●代替電力1:火力発電・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  200万kW/年
●代替電力2:コージェネレーション・・・・・・・・・・・    40万kW/年
●代替電力3:太陽光発電・・・・・・・・・・・・・・・・・・   20万kW/年
●代替電力4:風力発電・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    9万kW/年
●代替電力5:地熱発電・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    2万kW/年
●代替電力6:廃棄物発電とバイオマス発電 ・・・   11万kW/年
●代替電力7:マイクロ、ミニ、中小水力発電・・・・   0.4万kW/年
●代替電力8:海洋温度差発電などその他・・・・・・    0万kW/年
ここで、代替電力3から8の再生可能エネルギーについては、その低い稼働率を考慮して、相対的な設備容量を算定している。

原子力発電の代替に必要な設備容量は、2010年度の原子力発電の設備容量をベースに、これから毎年低減していく設備容量とした。
原子力発電所の40年間運転した後に閉鎖する場合、それを超えて50年間運転した後に閉鎖する場合、さらに60年間運転した後に閉鎖する場合の3つのケースを算定する。
原子力発電の行方と代替電力Ⅶ(再生可能エネルギー、コージェネレーション)_e0223735_204002.jpg
一方、代替電力については、
●代替電力3~8:再生可能エネルギーは、上記の設備容量が毎年増加するとする。
●代替電力2:コージェネレーションは、2030年までは設備容量が毎年増加するが、それ以降は電力需給逼迫がやや緩和されにつれて、その設置が激減するとし、設備容量は増加しない。
●代替電力1:火力発電は、他の代替電力だけでは補填できない電力を確保する程度の設備容量を増加させるとする。このため、2030年までは毎年60万kW増加、2045年までは毎年80万kW増加、それ以降の増加はしないとする。
この結果を、図示する。
原子力発電の行方と代替電力Ⅶ(再生可能エネルギー、コージェネレーション)_e0223735_20405230.jpg
この図のとおり、原子力発電の代替としては、再生可能エネルギーだけでは、さらにコージェンレーションを加えても、容易に代替できるものではないことが明白となった。

次回は、これについて定量的な解析をおこない、まとめとしたい。

by ecospec33 | 2011-07-31 16:40 | 〇原発の行方と代替電力  

フィンランドの放射性廃棄物の最終処分場(「100,000年後の安全」、モンゴル)

フィンランドの道を初めて走ると、道沿いに露わになっている巨大な岩に気づくことだろう。森と湖が有名であるが、岩盤で出来上がった大地なのである。
フィンランド人の知人が、「氷河が表土を削ったために鉱物資源が全くない。約1万年前に氷期が終わり、覆っていた重たい氷河が後退したため、大地が毎年数mmづつ隆起している。」と説明してくれた。
車でボスニア湾に面したバーサ(Vaasa)に向かう途中で、港の跡を見せてくれた。日本の鎌倉時代に栄えたという港からは海岸線すら見渡すことができなかった。単純計算で、5mm/年×800年=4m は海抜が上がっているのである。このような大地は、世界的にも珍しいのだそうである。「フィンランドは大地が隆起しているため、スウェーデンに次第に近づいている。」と興味深い話もしてくれた。
フィンランドの放射性廃棄物の最終処分場(「100,000年後の安全」、モンゴル)_e0223735_924329.jpg
このようなフィンランドで、世界初の放射性廃棄物の最終処分場、オンカロ(ONKALO:地下特性調査施設)の建設が進んでいるという。そのドキュメント映画『100,000年後の安全』が上映されているという。その映画の紹介で、「6万年後には氷河期が来るが、誰が安全に管理できると言えるだろうか。」というシーンがあった。
2004年に上映された『The Day After Tomorrow 』は、地球温暖化によって深層海流が停止し、温暖なメキシコ湾流が止まることによって、ニューヨークが突然氷河に覆われるという筋書きである。これを米国出張への飛行機内で見ていて、気分が悪くなったことを記憶している。
この映画の方が、2007年に上映されたアル・ゴアのドキュメンタリー映画『不都合な真実:An Inconvenient Truth』よりも衝撃的で啓発的であったと思うのだが、ゴア氏は環境問題を啓発したとしてノーベル平和賞を授与されている。
福島第一原発事故を契機として原子力発電を見直されている時期に、『100,000年後の安全』が上映されるのは意義のあることだと思う。
余談であるが、ゴア氏は自宅で電力とガスを浪費していると、民間団体から大批判を受けた。「一般市民の20倍、その費用は年間350万円」だそうで、その後、急激に発信力が失ったように思う。

この7月初めに、各紙が「米原子力大手ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)を子会社に持つ東芝が5月中旬、米政府に書簡を送り、使用済み核燃料などの国際的な貯蔵・処分場をモンゴルに建設する計画を盛り込んだ新構想を推進するよう要請、水面下で対米工作を進めている。経済産業省が後押ししてきたが、外務省が慎重姿勢を示すなど異論もある。」と報じている。
モンゴルで食品工場を省エネ診断した際に、休日に首都ウランバートル郊外に遊びに行った。草原の向こうに薄赤色の岩山を見ることが出来た。大きな結晶を持った花崗岩からなる岩山である。
モンゴルはウランが産出し、フィンランドと同様に大地が岩盤であるから、その最終処分を要請する。理があるようで、腑に落ちない結論である。
フィンランドの放射性廃棄物の最終処分場(「100,000年後の安全」、モンゴル)_e0223735_925668.jpg
この7月29日には、朝日新聞が「米国オバマ政権は、昨年、ネバダ州ヤッカマウンテンでの最終処分計画を白紙撤回した。米国の原発から出る使用済み核燃料の処理方法を検討してきた米エネルギー省の諮問機関「ブルーリボン委員会」が、「中間貯蔵施設」での100年程度の集中管理などを提案する報告書を公表した。」と報じた。

日本国内にいる原子力発電の推進派、擁護派は、これに対し、どのような解決策を提示してくれるのだろうか。

by ecospec33 | 2011-07-31 09:39 | ●原発問題と電力需給逼迫  

原子力発電の行方と代替電力Ⅵ(福島原発事故、原爆30個分、「やらせ」)

27日に開催された衆議院厚生労働委員会における、東京電力福島第一原発の事故を受けた放射線の健康への影響についての参考人質疑で、東京大学先端科学技術研究センターの児玉龍彦氏教授が、「今回の原発事故によって、広島原爆の29.6個分の放射性物質が放出された。」と渾身の力で語り、また「放射性残存量が、原爆は1年間で1000分の1に低減するのに対し、原発事故は10分1しか低減しない。」と、放射性物資の慢性被害への国会の対応の鈍さに、怒りを露わにしながら語った。
チェルノブイリの事故が原爆約70個分であると言われていることから、福島第一原発がいかに大事故であったかを良く理解することができた。

昨日29日午後に報道された原子力村の実態は、呆れるばかりである。
4年前に浜岡原子力発電所のプルサーマル発電のシンポジウム開催に際し、事前に中部電力が原子力安全・保安院から、地元の人に賛成側の質問をしてもらうよう、いわゆる「やらせ」の依頼を受けていたことを明らかにした。また、同様な事例が、九州電力、四国電力であったという。
原子力の安全を監視する専任部署が、原子力推進に手を貸す振る舞いをするとは異常である。保安院が経済産業省の一機関であるという組織問題だけに、問題の原因を押し付けて、この事件を済ませてはならない。
九州電力の「やらせ」メール問題とは次元が違う。国、行政機関が世論を捻じ曲げる行為である。原子力村の馴れ合い体質の一端が露呈したと考えた方が良いだろう。

このような状態が続くようでは、原子力発電に対して信頼が築けるはずもなく、原発の再稼働もおぼつかない。
これまで、5回連載した代替電力(代替電源)を整理するのは、次回である。

by ecospec33 | 2011-07-30 07:47 | 〇原発の行方と代替電力  

原子力発電の行方と代替電力Ⅴ(減原発、IAEA、IRRS、代替電源、小規模な水力発電)

今日、朝日新聞朝刊一面に、『「減原発」への工程表』が載った。
『菅首相が表明した将来の「脱原発」をより現実的な「減原発」(原発への依存度低減)という目標に置き換えることで、「管氏個人の考え」から「内閣の方針」に発展させる狙いがある。』そうである。
反原発>脱原発=卒原発>縮原発=減原発>>原発容認>原発推進 
これで、原発に関する言葉が出そろった感じではあるが、原発への依存低減は止めることができない社会の流れと考えた方が良いだろう。
自民党の政権下では、縮原発のような議論は論外であったはずであるから、問題も多いが、民主党政権の時代に福島第一原発事故が起こったことは、言葉が適切とは思わないが、不幸中の幸いであったのかもしれない。

今日の東京新聞朝刊一面には、『2007年に日本がIAEA(国際原子力機関)から受けた「総合的規制評価サービス(IRRS:Integrated Regulatory Review Service)」の英文報告書の概要について、経済産業省原子力安全・保安院は、保安院と原子力安全委員会の役割が明確でない点など問題点を指摘されたにもかかわらず、好意的に評価された部分のみを和訳して公表していた。』そうである。
真偽を確認すべく、この英文の報告書とその概要を捜したが、探し当てるのに時間を要した。
「IRRS報告書の公表について」の最終段で、『原子力安全・保安院としては、評価結果やコメントを踏まえ、安全規制の高度化、実効性の向上に向け、更なる取組みを図っていくこととしております。』と、不都合な真実を隠して、良い子ブリを強調している。

それでは、原子力発電の代替電力(代替電源)の続きを進める。
●代替電力7:マイクロ、ミニ、中小水力発電
2006年に、私は食品工場に風力発電、太陽光発電、水力発電という再生可能エネルギー(自然エネルギー)を同時に設置した。そのような食品工場は皆無であったからこそ、実施したのである。
その水力発電は、排水処理水の落差を利用し、街灯1つを賄うだけのマイクロ級の小さなものであった。そのメーカーのHPを確認したが、現在も当時の広報記事が掲載されている。いかに、小規模な水力発電に進展がないかがうかがえる。
一方、資源エネルギー庁の2008年度「未利用落差発電包蔵水力調査」によると、国内の未利用落差による水力発電を、地点数で971カ所、発電容量が約31万kW、発電量が約14.9億kWhとしている。これから算定される稼働率は約55%である。
今後20年の間に、この水力発電の半分が開発されると仮定して、発電設備容量が毎年0.8万kW増加すると算定される。これに稼働率を考慮して、毎年増加する相対的な設備容量を0.4万kWと仮定する。
●代替電力8:海洋温度差発電など
新エネルギーには、前述した太陽光発電などに加えて、温度差エネルギー、塩分濃度差発電があるが、原子力発電の代替にはならないほどの規模であることから、ここでは除外する。

これまで記した代替電力(代替電源)が、原子力発電をどの程度まで代替出来るかについては、次回に考察したい。

by ecospec33 | 2011-07-29 10:07 | ●原発問題と電力需給逼迫  

原子力発電の行方と代替電力Ⅳ(代替電源、風力発電、地熱発電、廃棄物発電、バイオマス発電)

NHKのBSプレミアムで「さあ ムーミン谷に行こう」を放映している。ムーミンはフィンランドが生んだ森の妖精である。
震災直後に、フィンランドの知人が心配して連絡をくれ、メールとファイスブックでやりとりしているのだが、2週間ほど前に、「東京も落ち着いた生活を取り戻した。」と連絡したところ、「日本人の努力だ。」「これから、サマーハウスで、8月半ばまで夏季休暇だ。」と返事があった。
ヨーロッパにあってアジア系の血を引いていると言われており、明治時代に隣国ロシアの艦隊を破ったこともあり、親日家が多いことでも知られる。

ところで、前回に続いて、中長期の脱原発、縮原発、卒原発に向けた代替電力(電源)について、その設備容量がいかに増加するかを実績から推定し、原子力発電の代替が可能かを探る。
●代替電力4:風力発電
風力発電は開発余地が大きいとは言われているが、発電出力のゆらぎ、バードストライク、低周波騒音、景観論争、送電困難、落雷による破損事故、台風での倒壊事故などの問題があり、普及の大幅な拡大は見込めないように思う。
2009年度の設備容量の増加量は30万kWであったことから、今後は、その1.5倍の45万kWが毎年増加すると仮定する。稼働率は約20%であることから、相対的な設備容量を9万kWとし、これが毎年増加すると仮定する。
原子力発電の行方と代替電力Ⅳ(代替電源、風力発電、地熱発電、廃棄物発電、バイオマス発電)_e0223735_1832812.jpg
●代替電力5:地熱発電
地熱発電は、その立地の適地が国立公園内であり、また温泉地域との調整が必要なことから、ここ数年、設備容量、発電量ともに進展がない。
地熱発電の設置が比較的好調であった1975年度から1995年度までの設備容量の平均増加量が、1.1万kWであった。このことから、今後、約2倍の2万kWが毎年増加すると仮定する。
原子力発電の行方と代替電力Ⅳ(代替電源、風力発電、地熱発電、廃棄物発電、バイオマス発電)_e0223735_18438.jpg
●代替電力6:廃棄物発電とバイオマス発電
2008年に、私が食品工場で企画しNEDOとの共同研究で、食品残さのバイオマス利活用を進めたが、発電するより熱利用の方が効率的であった。その後、この設備を統括したエネルギー・ソリューション会社が、食品企業をくまなく調査したが、食品残さのバイオマスを効率的に活用できる工場は見当たらなかったという。
また、私がグリーン電力を北海道の酪農家から購入することを企画し、直接調査したところ、その酪農家のバイオマス発電設備の投資額の90%を国と地方自治体が補助していた。
数年前に、北越紀州製紙の関東工場で、日本最大級の発電量4.1万kWの木質系バイオマス発電設備を視察したことがある。製紙会社として、その燃料である木くずが確実に確保されているとの印象を強く持った。
一方、秩父市の「木質バイオマスガス化発電事業」は、その原料である間伐材などの木材チップが高騰し、市長の休止命令の事態に陥るなど、好調な運用がなされていないように思える。
このように、2002年に「バイオマス・ニッポン総合戦略」が閣議決定され、その後も改定されたが、思った以上の進展はないように思われる。
ただし、確実なバイオマスが存在する。それは一般廃棄物(家庭ごみ)である。厨芥ごみのメタン発酵も少しは増えているだろうが、プラスチック、紙などの廃棄物も混入するが、焼却施設での発電が着実に増加している。2000年から2009年までの、廃棄物発電の設備容量の増加量は平均5.3万kWである。稼働率が約45%であることから、毎年増加する相対的な設備容量を2.5万kWと算定される。
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これに比較して、下水道処理における汚泥の消化ガス発電の設備容量は、2004年度で2.1万kWと極めて小規模である。
ここで、総合資源エネルギー調査会需給部会の「エネルギー長期需給見通し」などによれば、廃棄物発電とバイオマス発電を合わせた設備容量は、2002年度が161万kWであり、2005年度が234万kWであった。この3年の短期間であるが、毎年平均24万kWが増加したこととなる。稼働率を下水道の消化ガス発電なみとして、毎年増加する相対的な設備容量を11万kWと仮定する。その約22%が廃棄物発電による。

これらの代替電力(代替電源)が、原子力発電をどの程度まで代替出来るかについては、次回に考察したい。

by ecospec33 | 2011-07-28 18:07 | 〇原発の行方と代替電力  

原子力発電の行方と代替電力Ⅲ(代替電源、火力発電、コージェネレーション、太陽光発電)

今夏の原発停止という電力供給不足(電力需給逼迫)の事態に対し、市民は徹底した節電対応し、事業者(企業)は節電以外に、その多くが自家発電設備を設置し、また、張本人である電気事業者(電力会社)は火力発電などの古い発電設備の再稼働と中型発電設備を設置することで乗り切ろうとしている。
これは、ここ数年間の短期的な対応であって、それ以上の中長期的な対応が、政府、電力会社、企業、市民に求められている。

すなわち、中長期の脱原発、縮原発、卒原発に向けては、その代替の電力(電源)が必要である。
この代替電力について、その設備容量がいかに増加するかを実績から推定し、原子力発電の代替が可能かを探りたい。
●代替電力1:火力発電
電気事業者は、地球温暖化対応可能な高効率なLNG火力発電と、資源量が豊富で安価な石炭火力発電を新たに設置する計画を進める以外にない。
1990年から2010年までの間に、火力発電の設備容量は最大400万kW、平均160万kW増加している。今後は、これより早いスピードで新設していかざるを得ないと考えられるので、毎年200万kW増加すると仮定する。
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●代替電力2:コージェネレーション
企業は、応急的に設置した自家発電ではピーク時の運転とはいうものの、燃料費がかさみ、またCO2が増大することから、コージェネレーション(コジェネレーション:Cogeneration、熱電併給発電、CHP:Combined Heat & Power)に切り替えが進むものと考えるのが妥当だろう。コージェネの設置は燃料高騰により、ここ数年低迷していたが、震災以降メーカーへの急激に問い合わせが増加したそうである。
企業ばかりでなく、マイホームでのオール電化の見直しから、燃料電池(エネファーム)、エンジン(エコウィル)といった家庭のコージェネが増加することが見込まれるだろう。
前者を産業用コージェネ、後者を民生用コージェネと呼んでいるが、1988年度から2000年度までのコージェネの設置が比較的好調であった時期の設備容量の増加量から今後の増加量を算定する。
設備容量の平均増加量は年間39万kWであったことから、今後は同程度の40万kWが毎年増加すると仮定する。
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●代替電力3:太陽光発電
孫社長が、「再生可能エネルギー特措法」の成立を見越して、メガソーラー(大規模太陽光発電)事業への意欲を見せている。このような再生可能エネルギーを期待する社会背景をもとに、急激に発電容量が増加することが見込まれるだろう。
2010年に出荷された太陽光発電の設備容量は106万kWであったことから、今後は、その2倍の200万kWが毎年増加すると仮定する。ここで注意しなくてはならないことは、設備容量(kW)に対して発電できる量(kWh)は、曇りの日もあり、夜もありで極めて少ない。
この稼働率は約10%であることから、相対的な設備容量を20万kWとし、これが毎年増加すると仮定する。
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次回は、風力、地熱、バイオマス発電を検証しよう。

by ecospec33 | 2011-07-27 17:35 | 〇原発の行方と代替電力  

原子力発電の行方と代替電力Ⅱ(情報の開示、情報の監視、公正性と透明性な情報)

7月22日に、朝日新聞と日本経済新聞が、社説で同じ内容を発信している。
朝日新聞が関西電力管内の節電開始に関して、「何より効果的な節電をするには、政府や電力会社が供給能力や需要動向に関する情報をきちんと開示することだ。」、日経新聞が電力供給力とコストの情報に関して、「国民が当面の節電に取り組み、これからのエネルギー政策を考える際に、判断の基礎になる正確なデータがない。政府と電力会社に公表を強く求めたい。」と、非常に厳しい論調である。

一方において、23日には東京新聞に、「経済産業省資源エネルギー庁が、原発に関する新聞や雑誌の記事を監視する事業を、過去4年間、年約一千万~約二千四百万円で関係する財団法人に委託していたことが判明した。」と載った。また、「震災に伴う第一次補正予算に「ネット上の不正確情報の監視」として八千三百万円を計上し、15日に入札があり、広告代理店が落札した。」という。「従来の新聞記事の監視を縮小し、一般市民がツイッターやブログなどを通じて発信する情報の監視に重点を置く。」というのである。

九州電力の「やらせメール」の問題しかり、あきれた話である。
原子力産業、ひいては電力産業は、税金を使用して社会からの批判的な情報を把握し、社会へは、公正性と透明性を持った情報ではなく、ゆがんだ情報しか発信をしないつもりなのであろうか。IT情報時代前のように、情報統制が出来ると思っているのだろうか。
これによって、東京電力のホームページから、原発事故以降に「CSRレポート」が消えた理由がわかった。公益事業ならば、なおさらでなくてはならない、CSR(企業の社会的責任)の姿勢がなかったということなのだ。

これまでの私の経験から、新聞以外からも関係する情報を的確に得ることが出来るとは思っているが、一般の人は容易ではないはずである。
安全性の確認を得てからの、停止中原発の運転再開は許すとして、政権が交代すると、自民党は、産業界(経団連)からの要請として、電力の供給不足と企業の海外移転という社会不安を理由に、工事中と計画中の原発の推進を画策することは間違いないだろう。
そのときは、福島第一原発事故の被害の大きさ、悲惨さを思い浮かべること、また使用済み核燃料の処理が出来ていないことを想起することが、肝要である。戦争を忘れてはならないと、同じことである。

by ecospec33 | 2011-07-26 16:34 | 〇原発の行方と代替電力  

原子力発電の行方と代替電力Ⅰ(発電容量、認可出力、脱原発、縮原発、卒原発、原子力発電の興隆と没落)

一昨日、早めに出て、中央高速の勝沼インターチェンジで降りて、一の宮で桃狩りをした。40分で取り放題、食べ放題であったが、お腹がいっぱいになり、早めに出てきてしまった。桃狩り用の桃は、販売している桃とは異なり小さめであり、当然のように味も悪いのかもしれない。
そのあと、「ぶどうの丘」を見学してからマンズワイン勝沼工場に向ったが、道路脇に無人で桃が売られており、実に安い。つい車を止めて買ってしまった。「バーバキューハウス万寿園」で昼食をとり、2時過ぎには無事に帰宅できた。

ところで、脱原発、縮原発、卒原発という言葉が躍るが、その様相を知ることが容易でなく、また、原発の延命化問題を肌身に感じることが容易でない。
このため、信頼できる「原子力安全基盤機構」などの資料をもとに、原子力発電所の発電容量(認可出力)の、実績の推移と今後の推移を「見える化」した。今後については、40年で一律に閉鎖、廃炉にするか、50年、60年まで延命させるかをビジュアル化した。
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ここでは、福島第一原子力発電所の全てを閉鎖とし、現在、準備工事(計画)中の原子力発電所ばかりでなく、着工して本工事(建設)中の原子力発電所は、福島第一原子力発電所事故の影響で、地元の理解が得られないことから、新たに稼働することができないとした。
ちなみに、すでに着工している原子力発電所の設備容量は、「もんじゅ」を除き、次の通りである。
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これらの原子力発電所が運転開始されたとしても、2010年度末に稼働していた54基の設備容量、4884.7万kWに比較すれば、約10%に満たない。ここで、大間原子力発電所は、福島第一原発3号機と同様にMOX燃料を使用することから、営業開始時期の決定は混迷することだろう。

この1963年に開始し、2010年度を頂点とする原子力発電産業が、日本の産業を支え、ともに発展してきた。
今後縮小していくという状況は、特に関与してきた企業、個人にとっては、はなはだ厳しく寂しいという感慨があるだろうが、これが現実になるという意識を持つ必要があるだろう。
いまどき、このような若者は少ないだろうが、将来、原子力発電に関わりたいと思っている若者は、このような意識を持った方が良いだろう。また、日本国内と海外とは原子力発電に関する事情が異なるから、海外に出ていく以外にないだろう。

ともあれ、日本における約100年間の「原子力発電産業の興隆と没落」の歴史を、国民が見守っていく必要がある。
もちろん、これに代わる代替電力、代替発電を見出せることが条件であるので、次回それを確認してみたい。それによっては、「再生可能エネルギー全量固定化価格買い取り制度」などの政策を早急に進めていく必要があるだろう。

by ecospec33 | 2011-07-26 08:39 | 〇原発の行方と代替電力  

容器包装リサイクルの行方Ⅴ(社会的費用-便益=社会全体のコスト、再商品化手法)

容器包装リサイクル法の10年目の見直しの審議会において、『事業者側の再商品化の費用負担が約400億円に対し、自治体の容器包装廃棄物の分別・収集・保管の費用が約3000億円であり、特に容器包装リサイクル法施行後、新たに分別収集を始めたことにより約380億円の費用が増加しており、過大な費用負担である。』との指摘が、地方自治体と市民団体からなされた。

これに対し、事業者側から『自治体の算出根拠が明白でない、自治体で効率的でない運用がなされていないのではないか。』という指摘があったことから、2007年に環境省が一般企業と同様な会計制度を取り入れた「一般廃棄物会計基準」ガイドラインを地方自治体に示し、コスト分析と評価を行い、効率的な運営に努めるよう指導した。
また、これに合わせて、環境省は「一般廃棄物処理有料化の手引き」と「市町村における循環型社会づくりに向けた一般廃棄物処理システムの指針」のガイドラインを示し、それぞれ、一般廃棄物処理(ごみ)の有料化の推進および廃棄物の減量とその適正な処理を指導している。

経済産業省は、容器包装リサイクル法の施行によって、事業者と自治体の「社会的費用」が増加したのに対し、廃棄物の焼却・埋め立て費用の削減、枯渇性資源の削減などによって「便益」を得たとして、その差額である「社会全体のコスト」を280億円であると算定している。
この「社会全体のコスト」を低減できたのか明確にすることが、今年から始まった容器包装リサイクル法の再見直しの課題の一つである。
容器包装リサイクルの行方Ⅴ(社会的費用-便益=社会全体のコスト、再商品化手法)_e0223735_8162555.jpg
1年以上にわたる10年目の見直し審議によって、2006年に容器包装リサイクル法が改正されたが、「政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。」とする付帯決議が、衆議院で17項目、参議院で11項目なされた。非常に多い項目数であると言われている。
この中には、発生抑制を最も優先すべき、ファストフードなどでの再使用容器の利用、ペットボトルの再使用の検討などがあり、また『プラスチック製容器包装の再商品化手法については、循環型社会形成推進基本法の原則を堅持すること。』という1項目がある。
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これは、法の基本方針が改正され、プラスチック製容器包装の再商品化手法について、材料(マテリアル)リサイクルとケミカルリサイクル4 手法に加えて「円滑な再商品化の実施に支障を生ずる場合に、固形燃料等の燃料として利用される製品の原材料として緊急避難的・補完的に利用する。」とし、燃料化を追加したことへの抵抗的な決議と言える。
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2007年に、再商品化を担う日本容器包装リサイクル協会が、再商品化が高額となる材料リサイクル優先の問題点を明確化するために、「再商品化手法に関する環境負荷等の検討」を行い、『材料リサイクル手法が特段優れているとはいえない。』と結論づけている。
この再商品化手法に関しては、今年から始まった法の再見直しでも、検討されるものと思っている。

廃棄物と容器包装リサイクルに関し、1回の異なった話題をはさみ、これまで6回連載し、その現状を整理し、問題点を指摘した。とりあえず、この話題を終えたいと思う。

by ecospec33 | 2011-07-23 08:22 | 〇容器包装リサイクルの行方  

容器包装リサイクルの行方Ⅳ(再資源化量、リサイクル率、リターナブルびん)

一般廃棄物のリサイクル率は増加を続けている。総再資源化量も増加していたが、全体の排出量が低下していることから、ここ数年減少に転じている。
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この状況をバックアップしたのが、自治体の家庭ごみの分別収集と有料化である。
府中市は2010年2月から開始した家庭ごみ有料化に合わせ、プラスチック製容器包装ごみの有料化も実施した。これによって、ごみ排出量を約20%削減したと公表している。仙台市、京都市など、プラスチック製容器包装ごみを有料化する自治体も増加している。
この有料化は、リサイクルに回すべきプラスチックごみだけを分別排出することから、自治体と事業者の再商品化への処理作業を効率的にすることも期待されるだろう。
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このように、平成7年に容器包装リサイクル法が成立したことによって、また市民の意識の変化と事業者の軽量化などの努力によって、確実に減量化(Reduce)と再資源化(Recycle)が進んだ。
しかしながら、環境を標榜する市民団体は再使用(Reuse)が進んでいないと主張する。学校の給食での牛乳の容器を、牛乳パックから再使用できる牛乳ビンにするなどの運動を展開する。
確かに50年くらい前はリターナブルびんの全盛だった。酒屋さんに瓶を持って醤油とお酢を買いに行き、樽から瓶に注いでもらった。一度帰り道で落としてしまい、もう一度買いに行かされた苦い思い出がある。
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減少が続いてはいるが、牛乳やビールのように、リターナブル(リユース)びんは地域を限定し、利用場所を限定したクローズ系で回収と洗浄を確実に行う場合には、経済性に成り立つだろうが、その洗びん設備は大規模投資であるため、新たな設備を導入する事業者はほとんどない。
生協系のリユースびんを回収し、洗浄している都内の事業者を見学したことがあるが、洗びん装置は非常に旧式なもので、その設置環境の衛生性は優れているとは言えなかった。
ドイツでは非常に肉厚なPETボトルでのリユースについては、2008年から環境省などが実証実験をおこなっているが、オープン系では回収率が低下すること、外面に傷が残ること、内面に汚濁残留物が残るなど難点が多かったと記憶している。

by ecospec33 | 2011-07-22 10:09 | 〇容器包装リサイクルの行方