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福島第一原発事故から企業倫理と企業風土を考えるⅣ

福島第一原子力発電所の海水注入中断事件の騒ぎが収まりつつある中、29日に5号機の冷却機能が一時失われ、その公表が半日遅れであったことが、またもやマスコミから問題視されている。
公表を見送っていた原子力安全・保安院の西山英彦審議官は「現時点ではこの扱いでよかったと思う。」と語っている。
私も騒ぐほどの問題とは思っていないが、東京電力の過去の「CSRレポート」を確認すべく、ホームページを探したのだが、すべて消去されていた。そこまですると、これまでのレポートは「虚偽」、「虚構」であったのかと疑いたくなる。
過去の「虚偽」、「隠蔽」に対し、また原発事故後の現状に対し東京電力の労働組合は、どのように対処していたのだろう。
東京電力労働組合32000人>全国電力関連産業労働組合総連合(電力総連)>日本労働組合総連合会(連合)顧問1名>民主党の国会議員1名 という正統な組合組織の構図である。

ところで、1980年に工場に長期出張していた際、動員がかけられた支部集会に参加しなかったことから、工場支部の書記長から「懲罰ものだ。」とお叱りを受けた私が、1987年度に本社支部の支部長を1年間経験したことがある。
その支部長就任挨拶では「闘う本社支部として、組合本部に対し形骸化した部分を打破するようにしたい。」と抱負を語り、本部の怒りを買った。
組合の最高決定機関である全国大会では、組合貴族となっている元委員長の不明朗な顧問就任に反対し、形骸化した苦情処理委員の適正化とスト権投票の廃止を求めた。
当時の組合組織の常識からは逸脱した言動のように思われたようだが、企業活動は株主などの監視があるが、組合活動には監視がないとの認識をもって厳しく対処したつもりであり、また本社支部では週1回程度の中央執行委員会を開催し、春闘、秋闘時には職場集会を必ず開催し職場の意見を集約するなど、組合支部としての活動も真面目に対処したつもりであった。

支部長を辞めてから1年半後に、指摘した苦情処理委員の適正化が行われたそうで、組合の遅い対応に呆れていたが、その2、3年後から職場集会が消滅するなど、しだいに組合活動が低調化、弱体化していったよう思う。いつの間にかスト権投票もなくなった。
経営者と組合代表者との総合経営協議会では、経営者の一人から若年化した組合幹部に対し、勉強会を開いて教えてやるなどという、組合を小馬鹿にしたような発言もあったが、それに対し組合も反論もしなかったようで、御用組合の様を呈していったと言って良いだろう。

どの企業もとは言わないが、労働組織率の低下は、従業員の労働組合の帰属意識の低下と言い替えても良いように思う。
企業にとって一番近いステークホルダーである従業員、ひいては組合員こそが、企業の風土を作るのであるから、この逆風の時期だからこそ、東京電力労働組合の独自性に期待したいと思う。

by ecospec33 | 2011-05-31 19:40 | 〇企業倫理と企業風土  

情報通信産業(IT企業)の起業家が目指すもの

5月末に、ソフトバンクの孫社長が、自然エネルギーの普及を目指す「自然エネルギー協議会」を設立し、大規模太陽光発電(メガソーラー)事業を展開することを表明した。
また、楽天の三木谷社長は「ツイッター」で日本経団連からの脱退を示唆し、「現在の電力業界の構造を維持するのはいいこととは思えない。(経団連と自分の思いの)方向性が違ってきた。」と説明した。
大震災と原発事故を契機に、情報通信産業(IT企業)の起業家が相次いで、このような言動をするのであるからには、これまでの我々の常識と考えていたことを見直さなくてはならないということである。

3月25日のマイブログで「経団連と電事連」のテーマで、「電気事業連合会(電事連)は日本経済団体連合会(経団連)のビルから出るべき」という趣旨の内容を記述した。
私の観点とは相違する点もあるのだろうが、三木谷社長も、旧来の基幹産業が公益事業であるという理由だけで、国の支援、国の保護を受けることへの反発を抱いているのである。
孫社長も電力会社の発電、送電の既得権から脱却するために、太陽光発電という自律分散型の発電施設とスマートグリッド(次世代送電網)の構築への参加を目指している。
これは、既存の大規模発電システムに対する分散型電源システム(ソフトエネルギー・パス)の概念である。

従来から太陽光発電設備は将来的に安価になると言われていたが、簡単ではないようだ。
2002年に乳業工場に40kw級の太陽光発電設備を導入したときの設備投資の単価は、NEDO研究費(補助金)を差し引いて、約50万円/kwであった。
あれから9年経過しているが、その単価が安価になったとは聞いていない。
孫社長は、メガソーラーが収益を生むとは断言してはいないが、原子力発電より太陽光発電は安価になると予想している。
しかし、自然エネルギーの発電のみで経済性を追求すべきでなく、送電・配電を組み込んだ分散型エネルギーシステムとして経済性を追求すべきである。

福島原発事故による直接的、間接的な損害賠償の多くを、国ひいては国民が補填することになることは間違いないだろう。
その前に、発電と送電・配電とを完全分離する電力自由化を進め、電気事業法を改正することを推奨したい。東京電力は発電事業を残し、送電・配電事業を売却することによって損害賠償の資金を調達するという考えである。
分散型電源システムを容易に組み込むことが出来る電力自由化と損害賠償向け資金の確保という二つのメリットを得ることが出来るのである。

ともあれ、主要国(G8)首脳会議での「2020年代の早期に自然エネルギーの発電比率を20%に拡大」との管首相の方針表明は、鳩山前首相の国連の気候変動首脳会合で「1990年比で2020年までに25%削減」との目標表明よりは現実的とは思うが、同様に筋書きがなく信頼できない。
しかし、実績があるIT企業の起業家が語る、新たな社会への提案は信頼できるように思う。

by ecospec33 | 2011-05-30 17:08 | ●その他社会問題  

海水注入中断事件から企業倫理と企業風土を考えるⅢ

東京理科大学では、環境に関する「装置工学概論」という講座を持ち、「企業倫理と技術者倫理」を「法令順守(遵守)」とともに講話し、東京電力と同様に雪印乳業の不祥事問題を事例として取り上げた。
雪印乳業の不祥事問題とは、2000年6月に雪印乳業大阪工場で製造された低脂肪乳による集団食中毒事件とその後の展開である。原因は原料である同年3月に北海道の大樹工場で製造された脱脂粉乳であったが、同社ではその特定に時間を要し、約15,000人もの消費者が下痢・嘔吐症状の食中毒の被害を受けた。

最近の焼肉チェーン店の生肉食中毒事件は死亡事故に至ったが、雪印乳業集団食中毒事件は死亡事故までは至らなかったものの、当時の石川哲郎社長が記者団を指さして「私は寝てないんだ。」と常軌を逸した発言が社会の反発を冗長し、食品企業への見方、食品品質への見方が厳しくなる社会現象を起こした。また緒に就いたばかりの自主的な品質管理手法、総合衛生管理製造過程(HACCP)を厚生労働省が見直さざるを得なくなった。
余談であるが、石川元社長の出身校である小樽商科大学の関係者は、さぞかし肩身が狭かったと思う。森永乳業にも同商大出身者が専務に継いで常務を務めていたが、これ以降は役員が出ていないようである。

2000年食中毒事件の直後の暑い夏の日に、京王線高井戸駅そばの細い道に雪印食品の配送車が駐車していた。雪印食品はハムなどを製造販売する雪印グループの会社である。フロントガラスを良く見ると『雪印乳業の食中毒事件とは関係がありません』というような張り紙がしてあった。
しかし、雪印食品は2002年に、国産牛肉と偽ってBSE補助金を詐欺した牛肉偽装が、内部告発によって発覚し、数か月経たずして解散した。
雪印乳業商品の不買運動が続く中、集団食品中毒事件の不祥事は収まりかけていたが、この第2の不祥事の発生が引き金となり、2003年に雪印乳業グループは、北海道の集乳基盤を死守し、創業時からの基幹事業であるバター、チーズなど乳製品事業を残して解体、分社化の道を歩んだ。
冷菓事業はロッテに吸収合併され、育児品事業と医薬品事業は大塚製薬の出資のもとで新会社が設立され、また市乳事業はネスレが買収するという話題があったが、海外企業の進出を嫌う農林水産省の指導のもとに、全国農協直販(全農系)、ジャパンミルクネット(全酪連系)の市乳事業と経営統合して日本ミルクコミュニティが設立された。

2009年初めに雪印乳業、日本ミルクコミュニティの知人らと話した時は、風土が異なった会社になっているから、今さら合併はありえないという話しが出ていたが、その年に同2社が経営統合し、共同持株会社である雪印メグミルクを設定し、2011年4月に雪印メグミルクと雪印乳業および日本ミルクコミュニティが合併し、四谷にあるシンボルマークも雪印メグミルクに変わった。
2000年の集団食中毒事件から11年、2003年の雪印乳業解体から8年である。
「人のうわさも四十九日」ではないが、「企業の不祥事も一昔」ということであろうが、かつて雪印乳業へ設備の売り込みをした営業担当者が、私のところに来て「雪印さんは官僚的組織で、課長にも会えない。会わしてくれない。」と話し、不祥事の前後でも、いっこうに変わっていないとも話していた。
気さくな日和佐信子女史を社外取締役に迎えても、企業の体質、風土は変わっていないのかも知れない。

ところで、雪印乳業の集団食中毒事件という不祥事は、今回が初めてということではなく、1954年に全く同じ原因で、2000人もの集団食中毒を起こしている。「忘却は半世紀」ということである。
福島原子力発電事故という世界の大不祥事が、一昔10年、はたまた半世紀50年で忘れ去られることはないだろうが、原子力発電の安全性強化を着実に監視し続けることも、忘れてはならないことである。

by ecospec33 | 2011-05-29 17:33 | 〇企業倫理と企業風土  

海水注入中断事件から企業倫理と企業風土を考えるⅡ

2002年8月に東京電力の原子力発電所において自主点検時の虚偽記載とその隠蔽があったことが、経済産業省原子力安全・保安院から公表された。このため、すべての原子力が停止され、翌年の夏は電力供給不足となる危険性がはらんでいた。

今年と同じように、夏前に各工場では発電機を借りるなどの対応をおこなったが、幸いにして冷夏の様相を呈したため、その発電機は用無しで終わった。
私はその取りまとめを行ったのだが、元工場長から経費を本社が負担してくれなかったと嫌味を今でも言われている。

当時、東京電力の営業担当者が、この原子力不祥事(不正問題)の内容の説明と謝罪に来社したことがあった。
記載上の問題があったが、安全には問題がないとの説明を受けた後、私から「経済産業省より東京電力さんの方が原子力発電を熟知しているから、安心しても良ろしいですね。」と話すと、営業担当者は「そのとおりです。」と胸を張った。

我々も東京電力に全幅の信頼を抱いていたのだが、この東京電力の「おごり」の姿勢が、虚偽と隠蔽の体質と風土を作り出したと言って過言ではないだろう。
原子力発電が半分を占める関西電力の営業担当者は、この東京電力の不祥事に対し、「原子力発電の技術力は、我々の方が上ですから。」と誇っていた。ところが、2004年8月に美浜原発3号機で蒸気噴出による5名死亡、6名重症という死傷事故を起こした。

国の原子力の安全体制づくりだけでは拭いきれない危険性を、どの電力会社も「おごり」の姿勢の裏に、孕んでいるということを忘れてはいけない。

by ecospec33 | 2011-05-29 08:33 | 〇企業倫理と企業風土  

海水注入中断事件から企業倫理と企業風土を考える

東京理科大学では、環境に関する「装置工学概論」という講座を持っていたが、「企業倫理と技術者倫理」を「法令順守(遵守)」とともに説明した。
その中で、東京電力の不祥事問題を挙げていたが、3年目までの話と、それ以降の話は全く異なったものとなった。
その違いは、次の東京電力のホームページ抜粋から、理解してもらえると思う。

企業倫理・法令遵守の取り組み:http://www.tepco.co.jp/corporateinfo/trust/index-j.html
『皆さまからの信頼に応えられるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。私ども東京電力は、平成14年8月の原子力不祥事以降、信頼回復のため「しない風土」と「させない仕組み」のもとで、グループの総力をあげて企業倫理や法令の遵守、安全・品質管理、情報公開による透明性の確保に全力で取り組んでまいりました。しかしながら、平成18年11月以降、当社発電設備においてデータ改ざんや手続き不備等の不適切な事案が明らかになり、再び立地地域の皆さまやお客さまの信頼を大きく損なうことになりました。こうした事態を踏まえ、当社は再発防止対策として、これまで取り組んできた「しない風土」と「させない仕組み」を充実・徹底させるとともに、「言い出す仕組み」を構築することといたしました。』

野党が政争化させている福島第1原発1号機の海水注入中断は虚偽であったか、どうかなど、その真相を解明することは難しいことと思うが、昨日、枝野官房長官が「福島第一原発の敷地内で事故直後に実施した放射線のモニタリング(監視)について、一部公開していないデータがあった。」と発表した。
今になってと誰もが思うだろう。細野豪志首相補佐官も「当初であれば混乱があったことは理解できるが、2カ月半たっている。タイミングが遅い。」と話している。
東京電力は社内の仕組みを変えたとしているが、「虚偽」と「隠蔽」の体質、風土は容易に変わらない。

食品会社では製品の品質クレームを減少させる体制を整えてきたと思うが、経営トップにクレームが伝わらないように、また営業部門に迷惑をかけないように、生産工場段階で、また本社の生産部門段階で、そのクレームを社内で最少に収めることが業務と考えている従業員が多いように思う。
クレームを社内の大クレームにさせない工場長、また生産部長は能力評価が高く、人事査定評価が高いという不文律が出来上がっているために、従業員は、それを目指すことになる。
クレームを減少させるという体制を整えても、「虚偽」、「隠蔽」の体質、風土はなくならないのである。

東京電力の二度あることは三度あると同様に、すべての企業で起こりうる問題と思って良いだろう。
株主総会が近い。企業の風土づくりは、人事に起因すると思って良い。
従業員は人事異動の適正さ、公正さを見て行動するものである。

by ecospec33 | 2011-05-28 09:21 | 〇企業倫理と企業風土  

公的資格取得に挑戦しようⅢ!!

3年前まで東京理科大学で教えていたとき、「法令順守と公的資格取得」というテーマで1回分の授業をおこなっていた。
その講義は、企業倫理と技術者倫理から始まって、環境法令の概要と挑戦してもらいたい公的資格の紹介までの1時間半分の内容であった。

我々が学生の時はそのような授業はなかったが、勉強の一環と思って公害防止管理者の資格試験を受験した。しかし、今の学生に資格を取得してもらうためには、その意義を話さなくてはならなかった。
公的資格取得の個人的な意義として、技術を知る、良い就職先を得る、社会貢献、社会参加、他者から高く評価される、査定が良くなるなどを挙げ、また社会的な意義として、社会秩序の維持、技術の伝承、地球環境問題対応、取得者の高齢化対応などを挙げた。
このうち高齢化について調査したが、公害防止管理者の資格取得者の約6割が55歳以上であったと記憶しており、今でもそれと同様か、それ以上に資格者の高齢化が進んでいるように思う。

私の授業では、公的資格の取得を薦める前に、環境対応施設、設備に関する様々な法令を説明した後、「環境基本法」と「循環型社会形成推進基本法」の目的と定義を抜粋し、原文を読んでもらった。
法令の「精神」までとは言わないが、「目的」を知ってもらうことで、国の環境政策を知ってもらい、また国、地方公共団体、事業者及び国民の適切な役割分担などの「定義」を確認し、何をなすべきかを知ってもらうことが、その趣旨であった。
授業ではさまざまな資格を紹介し、中でも「エネルギー管理士」、「公害防止管理者」を取得するよう薦めるだけで、その内容にまで踏み込む時間がなかった。
週一回の授業の前に、私の恩師の部屋に挨拶に出向いた際、分厚い参考本から抜き書きをされていたことがあった。恩師は、夏の短期集中講習で「公害防止管理者」について教えていた。

あるとき授業が終わって、2名の男子学生が「公害防止管理者はだめでしたが、危険物取扱者を取得しました。」と話してきた。
理科大神楽坂の学生は、英語は苦手のようであったが、実に真面目であったと思う。特に女子学生はやる気もあった。
また礼儀正しくもあった。ある電力関係の講演会で講演した直後に、東京電力の名刺を差し出した若者が「教え子です。」と言って、授業への感謝を述べてくれた。
その彼ばかりでなく700名近い教え子たちが社会で大活躍してくれることを、期待するばかりである。

by ecospec33 | 2011-05-26 18:18 | 〇公的資格に挑戦しょう  

公的資格取得に挑戦しようⅡ!!(東京都のキャップ&トレード制度)

昨日開催された東京都の地球温暖化防止に係る「総量削減義務と排出量取引」に関する研修会の参加した目的の一つは「キャップ&トレード(C&T)制度」の実態を知ることであった。

2008年晩夏に本社で本件に関するNHKの取材を受けた際に、個人的な見解と断って、この制度化に大反対であること、オリンピック誘致費用を太陽光発電設置に充てる対応をしてほしいと表明はしたが、CO2排出量が多い大規模工場の上位を占める東大和市にある乳業工場を撮影取材することを薦めた。
その工場は、都市ガス化燃料転換からコージェネレーション設備、熱回収焼却設備、太陽光発電など、私が長年にわたって省エネルギー対策と地球温暖化対策を講じてきた工場である。NHKの撮影時に向けて下準備をおこなって、撮影当日は部下の替え玉を参加させた。40KW級の太陽光発電なども長時間撮影していたが、映し出された映像ではすべてカットされていた。

2010年4月から始まる東京都のキャップ&トレード制度の説明会が、2008年秋に行われた際には、小平市にあるブリジストンと連携し、これまでの地球温暖化対策の努力を評価すること、コージェネレーションの環境性を評価することなどの質問をおこない、またパブリックコメントでも、制度の適正化を要請した。
説明会では、東京都は、都市ガス化した数工場と東芝府中工場を優良事業所と紹介していたが、今頃になって都市ガス化して何で優良事業所なのかと思い、また東芝は生産品目の変更で排出量を減少させたというが、乳業会社ではそのような対応は出来ないではないかと反発を感じた。
「東京都の外に生産を移管することで、CO2排出削減目標を達成すれば良いということか。」と質問した人がいたが、これに対し「東京都以外の府県も、同様にキャップ&トレード制度を取り入れていきますので、そんなことをしても無駄ですよ。」と東京都は強気な発言をした。制度に罰則規定を組み込んだ行政に、権力を非常に感じた瞬間であった。
埼玉県も1年遅れてキャップ&トレード制度を取り入れたというが、罰則規定はない。

説明会の帰途、部下には「キャップ&トレード制度に強く反対する経団連の意向を東京都は無視し、中小企業のCO2削減を経済支援する制度を組み込むことで東京都商工会連合会に取り込んだと聞いている。自由経済が終わり、環境社会主義経済が始まる。環境制約というより経済制約が増えるばかりで、自主的な自助努力に面白みがなくなるばかりだ。」と話した。
私が関与してきた東大和市と葛飾区にある2つの乳業工場は優良事業所に認定され、削減率を半減できたと聞いている。過去に実施した多くの環境対策を考えれば、当然の結果である。

数年後、東京都はこのキャップ&トレード制度の実績を喧伝するに違いないが、このような大々的な権力の行使が、環境に優しい大都市を作るのに本当に必要かを検証していくことが必要である。
ちなみに、昨日の「総量削減義務と排出量取引」に関する「検証主任者等講習会」に参加した人数は約120名。そのうち10%が女性で、またそのうち40%が60歳以上であった。この制度を維持していくには、都市の女性進出が遅れており、また高齢化が進み過ぎているのではないだろうか。
社会に受け入れ易い規制、制度をもって、環境に優しい大都市を作ることが、本筋であると確信した。

by ecospec33 | 2011-05-25 19:10 | 〇公的資格に挑戦しょう  

公的資格取得に挑戦しよう!!

今日、新宿で東京都の地球温暖化防止に係る「総量削減義務と排出量取引」に関する「検証主任者等講習会」があったので、1日がかりで参加した。
その講習会の開始される直前に、大学の同期で大手水処理会社の営業部長である友人から電話があったので、「資格も取れる有意義な講習会に参加している。」と話したところ、「そのような講習会で頭の体操をするより、AKB48の可愛い子達の名前を全員記憶する方がよっぽど良い。」と一笑に付された。

40年前の早稲田大学在学中に、公的資格である水質と大気の「第1種公害防止管理者」を、私を含め同期の連中が当たり前のように取得していた。一時代前の食品製造の工場長のほとんどが、公害防止管理者の資格を取得していたものだが、今はそうではない。
食品製造会社に勤務していた15年ほど前、公的資格を取得しない風潮が強くなっていたので、資格取得を増やすために、生産部門の長と連携して、工場で公的資格を使用して公的な責任者を務めている担当者に毎月数千円を支払うことを制度化した。
直属の上司である設備部門の長は、査定でプラスすれば良いと制度化に反対し、また組合員の平等を志向する労働組合も反対した。幸いというか、闇専従の委員長が私の部下であったので、彼に制度化の意義を直接説明することで、けりがついた。

この制度化後の3年間は、私と部下含めた3名で、公害防止管理者、エネルギー管理者、電気主任技術者の資格取得を推進する講習会を年1回一泊2日で開催した。
当時は、資格者数がなかなか増加しなかったのであるが、現在はISO14001認証登録が進み、公的資格取得が昇進にも影響すると認知されると、直接関与しない製造部門の従業員が率先して取得するようになり、劇的に資格者数が増加した。
この違いは、付帯設備部門の従業員より製造部門の方が高学歴であるということが関係しているかとも思う。

今日の「検証主任者等講習会」の最後には「修了試験」があった。講習会は眠らずに聴いていたつもりだが、何しろ昨日になって持参する膨大な資料を印刷していたので、予習しなかったこともあり、散々であった。
「ニューヨーク帰りの髙橋真梨子のコンサートは最高だった。」と2年ほど前に話していた友人の言うとおり、イトーヨーカ堂の看板娘でもある板野友美ちゃんしか知らないようでは、頭の老化が進んでいるのだろうし、今の時代は生きられないのかも知れない。
ともあれ、若者、特に環境を志す学生は、関連する公的資格取得に挑戦し、次代を担ってもらいたいと思う。

by ecospec33 | 2011-05-24 20:22 | 〇公的資格に挑戦しょう  

審議会を傍聴しようⅡ!!

2002年に委員を務めたNEDOの技術評価委員会のときの傍聴者は20から30人程度だった。「産業用コージェネレーション実用技術開発」に関係する企業、ガス会社、技術専門新聞社の社員などであったろうが、知人も数名いたが、委員会会場では挨拶を交わす程度であったと思う。
経済産業省からNEDOに出向している推進役の担当官が、ふんぞり返っていたのが印象的であった。

2007年頃に毎年国連に報告する「日本国温室効果ガスインベントリ報告書」を策定する環境省の委員会を傍聴したことがあった。
傍聴者席は20数名程度分しかなく、新聞記者風の人が多かったと記憶している。
これを傍聴したことが、その後数年たって算定したのだが、『飲料の「牛乳」を生産する際に排出される温室効果ガスの約80%が、牛の消化管内発酵に伴うメタン排出による』ということを、突き止めるきっかけとなった。

環境省には中央環境審議会などがあり、経済産業省には産業構造審議会などがある。
資源エネルギー庁には、エネルギー政策、原子力政策に直結する総合資源エネルギー調査会があり、省エネルギー部会、新エネルギー部会、原子力部会、原子力安全・保安部会などがある。
これらの部会のうち原子力に関する審議会は、福島原発事故の関係から、今後多くの傍聴希望があると思っていいだろう。

ちなみに、各省庁のホームページは次の通り。
環境省の審議会・委員会:http://www.env.go.jp/council/
経済産業省の審議会・研究会:http://www.meti.go.jp/committee/index.html
資源エネルギー庁の審議会:http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/index.htm

by ecospec33 | 2011-05-23 17:50 | 〇審議会を傍聴しよう  

審議会を傍聴しよう!!

5年前は容器包装リサイクル法改正の審議会が毎週のように続き、企業の環境責任者として欠かさず傍聴した。環境省、経済産業省、農林水産省がそれぞれ審議会を実施し、合同審議会となって決着したのだが、数十回開催された。

審議会の雰囲気と各委員がどのような発言したかを確認して、審議の行方を見届け、それを上司に毎回報告しなくてはならない。
委員には権威と呼ばれる高齢の学識経験者もいて、小声のためもあって何を話しているか、何を言わんとしているのか定かでない。その彼が、専門月刊誌に審議会の動向を連載し、持論を展開する。荒唐無稽とは言わないが、およそ世間が許容するような提案でもなく、世間を驚かすようなニュースバリューの高さを強調したような提案なのである。

環境経済学者と呼ばれる大先生から小先生まで、拡大生産者責任(EPR、Extended Producer Responsibility)を引っ提げて、容器に入った製品、包装された製品を作る事業者の責任を追及する。市民団体は、それで勢いを増す。
公害が厳しい時期は、汚染者負担原則(汚染者支払原則、PPP、polluter-pays principle)を掲げて、汚染者である公害発生事業者に発生した損害費用を支払わせるという論理があった。
このPPPであれば、容器包装廃棄物の排出者である消費者が直接的な汚染者で、その処理費用を負担すべきであるにもかかわらず、新たな環境経済論理であるEPRを持ち出すのである。

このような環境の歴史も勉強できるのであるから、環境を学ぶ学生ばかりでなく、一般人も実際の審議会を傍聴することをお奨めする。
専門性が高い、経験がないから苦手であるということではなく、高名な学識経験者や有識者より、一般大衆の方がよっぽど良い提案が出来るはずだ。
不可思議、不合理と思えば、パブコメをすれば良いだろう。
政策決定の課程を知ること、国の行く末を見守ること、この大災害から学んだ教訓のはずだ。

by ecospec33 | 2011-05-22 17:31 | 〇審議会を傍聴しよう