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カテゴリ:●その他社会問題( 47 )

 

配電盤での短絡による停電事故から見えることⅡ(福島原発、東電の常識は社会の非常識、立川断層の誤認)

福島第一原発使用済み燃料プールの冷却システムの停電事故が発生してから1週間経過した25日になってやっと、その原因が配電盤に侵入したネズミであると東京電力は断定した。

これは、報道機関のみへの発表であった。
20日に、東京電力のHPに「第一原子力発電所における電源設備の不具合について(続報8)」をリリースし、その最後に「・・・引き続き、電源設備の不具合状況の調査をすすめてまいります。調査状況については、新たなことが判明し次第お知らせいたします。」と記してあったが、原因特定についてはHPにリリースしていなかった。
事故10日後の28日になって、最終報告として「福島第一原子力発電所1~4号機所内電源系の停電事故について」をリリースし、それまで使用した不具合を事故と表現した。

この東京電力の停電事故の対応から見えることは、
第一に、社会の批判を浴びてから、東京電力は本件を不具合から事故と改訂するような体質をもった企業である。
第二に、東京電力は停電復旧ばかりでなく、社会へのリリースが非常に鈍感である。
第三に、この遅い対応の裏には、何十人の印鑑(承認)があったはずで、東京電力の官僚的な体質が見える。
29日に、東京電力は、福島第一原発事故調査の最終報告が自己弁護に終始しているなどと批判を浴びたことから「事前の備えが十分であれば防げた事故だった」と総括した上で、改革プランを決定したそうであるが、今回の停電事故の対応からは、その改革の道は容易でないことが読み取れる。

「東京電力の常識は社会の非常識」、または「社会の常識は東京電力の非常識」を認識できない社内意識、企業体質を壊さない限り、福島第一原発のような大災害は起こりうる。
これは、東京電力にとどまらず、どの企業でも言えることで、企業は社会性を見定める努力が必要である。

これは、学会、学者にも言えることかも知れない。
東京大学地震研究所の佐藤比呂志教授は、立川断層帯のトレンチ掘削調査で、人工物を地震により断層が動いた痕跡と誤認したと発表し、「一種の催眠術にかかっていた。」「発見を焦る気持ちがバイアスとなり、『見たいもの』が見えてしまった。」と釈明し、また社会に混乱を与えたことを陳謝した。
土木工事などに詳しい一般公開の一見学者の指摘で収まったことは幸いであった。そのまま突出すれば、2000年に発覚した旧石器捏造事件の考古学会を揺るがす大事件のように、地震学会、地質学会を揺るがすような大不祥事に発展する可能性すらあった。
先月の発表方法が適切ではなかったとはいうが、新たな発見で誇らしげな彼の映像を思い浮かべると、「彼の常識は社会の非常識」であったようだ。
彼は原子力規制委員会の有識者調査団の一員であるが、今回の一件で彼の言動は信頼を失った。

「日本原子力学会の常識は社会の非常識」、「原子力村の常識は社会の非常識」・・・・なのである。

by ecospec33 | 2013-03-30 15:47 | ●その他社会問題  

配電盤での短絡による停電事故から見えること(福島第一原発、雪印乳業、東京電力、発送電分離)

先週、電力設備のスペシャリストに連絡をとった。
彼は超難関といわれる国家資格の第一種電気主任技術者であり、食品工場では電気主任技術者としての立派な経歴を持つが、本社でも東京電力、関西電力、中部電力に絡んだ4つの特別高圧受変電設備を更新した経歴も持つ。
福島第一原発の使用済み燃料プールの冷却システムの停電事故について、彼に聞けば正論を得ることが出来ると思ったからである。その彼は、東電の官僚的な体質が変わっていないこと、および報道機関の不正確な報道を非難した。

彼は食品工場での何度かの停電事故を経験し、私も現場に直行するなど苦楽を共にしたエンジニア仲間であり、大先輩である。
●電力配線ケーブルの被覆が経年使用による炭化、焼損による停電事故
配電盤の上部の配管の水漏れによる停電事故
配電盤が設置されている隣室配管の水漏れによる停電事故
●設備メーカーの製造ミスによる容量不足のコンデンサ焼損による停電事故
●耐用年数を超えて使用した高圧進相コンデンサのパンクによる停電事故
このような経験もあり、電力設備の経年劣化状況を把握しつつ、高圧配線ケーブルなどの更新も順次行った。

上の停電事故と福島第一原発での停電事故と同様な配電盤での短絡による停電事故といえば、2000年に14,720名の食中毒患者を起こした雪印乳業の集団食中毒事件を思い出すことが必要である。

<<雪印乳業の集団食中毒事件の概要>>  厚生省の最終報告などによる
3月31日 大樹工場での配電盤での短絡による停電事故
4月 1日 大樹工場で脱脂粉乳の製造(S菌の増殖とSEAの産出)
4月10日 大樹工場で4月1日製造の脱脂粉乳を利用して脱脂粉乳の製造
6月27日 大阪市で食中毒事件最初の届け出
6月30日 雪印乳業へ製品回収命令
7月 2日 大阪工場で製造した低脂肪乳からSEA検出、営業停止
8月18日 低脂肪乳の原料である大樹工場で製造された脱脂粉乳からSEA検出
8月19日 大樹工場への立ち入り検査
8月23日 大樹工場で製造した脱脂粉乳からSEA検出、S菌未検出、営業停止
10月13日 営業停止命令の解除
12月20日 厚生省による「雪印乳業食中毒事件の原因究明調査結果について」最終報告
注)S菌(黄色ブドウ球菌)、SEA(黄色ブドウ球菌エントロトキシンA型)

この最終報告書によれば、カマンベールチーズの製造工場で有名な雪印乳業大樹工場で、2000年3月31日に工場内電気室の屋根へ氷柱が落下し、屋根の破損部分から氷雪の溶解水が浸入したため、(配電盤で)配線に短絡が発生し、さらに保護装置が作動したため、工場構内全体が11時から14時までの約3時間停電した。その後18時51分から19時44分までの間、復旧作業のため、さらに約1時間、工場構内全体の通電が止められた(停電した)。
当日、黄色ブドウ球菌の増殖至適温度帯にあった箇所は、クリーム分離工程中の分離器及びその前後の工程および濃縮工程のライン乳タンクのみであった。クリーム分離機内とその前後の工程では、乳分650Lが20~30℃に加温されたまま冷却されずに約4時間放置され、また、濃縮工程では、脱脂乳及びこれを回収するために使用した水(ライン乳)が800Lが9時間以上ライン乳タンク内で40℃に加温されまま冷却されずに放置されたことによって、黄色ブドウ球菌が増殖し、殺菌しても消滅しない毒素エントロトキシンA型が産出した。

福島第一原発での停電事故がもたらす、恐怖心による心理的および放射能による生物的なリスクは、雪印乳業の食中毒事件の比ではない。それは一過性ではないということに尽きる。
雪印乳業は、食中毒事件の収束を図っている最中の2002年1月に雪印食品の食肉偽装事件が発覚し、解体整理された。農水省の後押しもあって、約10年後に、全農と結びつき雪印メグミルクとして再生はしているが、その地位は業界内で低迷したままである。
それに比べて、東京電力は解体もされずに生き延び続けている。公共性が高いこと、原子力発電という高度な技術管理を有していることが理由であろうが、早急に発送電分離をおこない、送電部門を売却して賠償に充てるなど抜本的な解体が必要である。

by ecospec33 | 2013-03-25 13:49 | ●その他社会問題  

福島第一原発の停電とインフレへのマインドコントロール(東電の体質と不信、事故と事象、デフレマインド)

事故から2年を経過した福島第一原発で、3月18日の午後7時ごろに使用済み燃料プールの冷却システムが停電によって停止する事故が発生した。
当時の恐怖を思い起こすような事故であり、報道機関への通報の遅れ、および配電盤が仮設であったことが問題となったが、それよりも原因特定の経過に疑義がある。

NHK報道を時系列に列挙すると、
●18日23時50分「福島第一原発で停電 冷却システム止まる」: 「東京電力福島第一原子力発電所で18日夜、停電が発生し、1号機と3号機、それに4号機の使用済み燃料プールの冷却システムなどが止まっています。東京電力は原因を調べていて、原因が特定されしだい使用済み燃料プールの冷却システムの復旧作業に入ることにしています。」
●19日4時26分「停電で燃料プールの冷却システム止まる」
●19日12時23分「福島第一原発で停電 原因特定できず」: 『・・・17時間たった今も電源設備のトラブルの原因を特定できず、燃料プールの冷却を復旧できない状態が続いています。・・・外部の送電線から電気を受けている3つの配電盤で何らかのトラブルが起きたとみて、調査を行い、これまでに2つの配電盤は復旧しましたが、残る1つの配電盤のトラブルの原因が特定できず、発生からおよそ17時間たった今も燃料プールの冷却を復旧できない状態が続いています。・・・』
●19日17時22分「福島第一原発1・4号機 燃料プール冷却再開」: 『・・・東京電力の尾野昌之本部長代理は、「トラブルを起こした配電盤について、目視で確認したところ、目立った損傷はなかったが、現在も電気の流れ具合を評価するなどして、原因を調査している。今回は、設備を復旧するのに、ケーブルでほかの配電盤に切り替えたほうが早いと判断した」と説明しました。・・・』
●20日0時37分「福島第一原発 すべての冷却システム復旧」: 『・・・東京電力は、今回停止した配電盤のうち、残る1つで異常があったとみて調べていますが、目立った損傷などはなく、トラブルの原因はいまだに分かっていません。東京電力は、この配電盤に、何らかの原因で電気が流れすぎたり、電圧が低下したりするトラブルが起きた可能性があるとみて調べていますが、原因の究明にはさらに時間がかかり、今後の再発防止対策に影響が出るおそれもあります。・・・』
○東京電力20日のリリース「福島第一原子力発電所における電源設備の不具合について」: 『・・・本日午後0時36分頃、仮設3/4号M/C(A)の電源盤内において、端子および壁面がすすけていることを確認しておりますが、その後、双葉消防署による確認の結果、午後1時57分、火災ではないと判断されました。』
●20日15時9分「冷却システム復旧 本格的な調査始まる」: 『・・・東京電力は、今回のトラブルは、原発事故をきっかけにトラックの上に設けた、残る1つの仮設の配電盤に異常があったとみていて、20日朝から設備の電気抵抗を調べるなどして本格的な原因調査を始めました。そして20日午後0時半ごろ、仮設の配電盤の内部の端子や壁にすすがついているのを、調査中の社員が見つけました。・・・』
●21日7時1分「送電線からの2系統 工事のため連結」: 『・・・東京電力は、20日から本格的な原因の調査を始め、仮設の配電盤の内部を調べたところ、電気が流れる端子とそばの壁に焦げ跡があるのを見つけ、近くでネズミのような小動物が死んでいました。東京電力は、原発事故後のおととし5月から屋外に設置している仮設の配電盤の内部に小動物が入り込み、端子に接触してショートなどが起こった可能性があるとみています。・・・東京電力は、今回のトラブルの復旧作業の中で仮設の配電盤ではなく建物の中にある配電盤を使う仕組みに切り替えるとともに、使用済み燃料プールの電源を二重に設ける工事を進めることにしています。』

これを読んで、この原因特定と電源復旧の流れを不可解と思わない人はいないだろう。
第一に、停電頻度の少なさを世界に誇っていた東電にとって、恥ずかしいほどの幼稚な事件である。
第二に、原因の特定を進めながら、電源の復旧(停電の回復)を進めるのが常套手段であり、東京電力もそのようにすると発表しているにもかかわらず、原因の特定が復旧よりも後手になったこと。
第三に、トラブルを起こした配電盤に目立った損傷がないと発表していたにもかかわらず、その後、ネズミによる相間短絡(ショート)した跡が見つかったこと。
この停電事故に関連し、第三に、重要な設備であるにもかかわらず、仮設の配電盤を使用し続け、また電力系統の2重化を怠っていたこと。

仮設配電盤が高濃度汚染の場所に設置されていたのかも知れないが、このような不可解な失態を続ける限り、東電の体質が変わっておらず、東電への不信感も払しょくされない
ということである。
東京新聞は3月22日の社説で、このようにも記している。
『会見した東電幹部は、「事故」とは言わず「事象」と呼び、「原子力の世界では、放射性物質の影響が出るようなことがなければ事故ではない」と言い張った。住民の心情より原子力ムラの特別なルールを優先させる思考法も、どうやら変わってはいない。 結局東電には、住民の側に立つ視点が育っていないようだ。』

自民党政権は、民主党政権時代に見直されつつあった原子力発電と電力事業の在り方を、審議会から反原発論者を追い出すなどして、しだいに原発事故以前の姿、原子力村と政官財癒着の構造に戻そうと躍起となっている。
22日の朝日新聞朝刊に、『大都市地価 上向く』という大見出しが躍ったが、一部の実態は見出しに合致しているが、多くは見出しと異なっている。日銀新総裁の就任に合わせて、デフレマインドからインフレマインドへのマスメディアのマインドコントロールが始まっている。

ともあれ、政財界およびマスメディアの動きを注視するマインドを持ち続ける必要がある。

by ecospec33 | 2013-03-23 07:05 | ●その他社会問題  

技術者、エンジニアの感性(プラント・エンジニアリング会社、コージェネ、マッチポンプ、バイオマス)

アルジェリアでのイスラム系武装勢力によるテロ行為で犠牲となった日本人の多くは優秀な技術者(エンジニア)であったに違いない。非常に悲惨な事件であり、国家の損失であった。
前副社長から派遣社員まで、その知識、技術、管理能力のレベルとプラント建設における役割は異なってはいるが、数百人のアルジェリア人と協力して砂漠の中に天然ガスプラントの建設を強い意志で遂行していたことは間違いない。
大学同期で日揮に就職したものはいなかったが、化学工学を学んだ者にとって、石油精製、石油化学、天然ガス等のプラント・エンジニアリング会社の大手3社である日揮(当時は日本揮発油)、東洋エンジ二アリング(TEC)、千代田化工(千代化)は、学んだ知識をフルに生かせることから花形の就職先であり、成績優秀者の就職先であった。

どの分野でも同じだろうが、技術者も一朝一夕には育たない。技術者としての感性を持つまでに、実体験という時間を要すると考えている。感性とは想像力と構築力である。
技術者は形のないところから形あるものを想像し、実在のものへと構築していく能力が必要であり、それを実体験することによって、技術者としての感性は磨かれていく。この経験と経済、社会の要請とのバランスを取りながら、社内外の様々な難関を克服して先進的な技術に取り組んむ姿勢が必要である。

1990年代の初めは、コージェネレーション(熱電併給発電、CGS;Cogeneration、CHP;Conbined Heat & Power)は一般的な知られた設備ではなかったが、乳業界で初めて導入することを企画したことがあった。
第二次オイルショック後の1980年代の後半から、国内に設置されたCGSを視察しながら、自工場への導入の機会をうかがっていた。その省エネ性、環境性、経済性が認められている時代ではなかったため、導入するに際して社内では賛否両論があった。その設備のレイアウト一つとっても、役員、部長、上司らが会議をしても決定できないほど、訳のわからない代物だった。
そのCGSの導入を決定前に直属上司の計らいで米国のCGS視察団に参加したことが契機になって、社内でCGSが認知されていった。それでも、論理的でない理由をつけて導入に強行的に反対する先輩技術者がいた。当時、彼は技術者として感性を持ち合わせていないと感じたが、その後もマッチポンプ(偽善的な自作自演)が目立つ人物に終始した。

2005年前後に、食品廃棄物のバイオマスの熱利活用の設備の導入を企画した。これも乳業界初の試みであった。
この施設は昨年度に「平成24年度循環型社会形成推進功労者」環境大臣賞を受けたが、導入するまでの過程は容易ではなかった。導入する数年前から設備メーカーの技術協力を得て小型バイオマス実験装置を工場に設置してテストを繰り返していたが、工場長から難癖をつけられて撤去を余儀なくされるなど大きな反発があったからである。
その工場長は現在関係会社の社長になっており、『矢崎さんは時代を先取りしていた。大したもんだよ。』と、今でこそ理解を示してくれるが、10年近く前に社内の理解者は皆無だった。本設備を導入する間近になっても埒が明かないので、日経新聞の記者にバイオマスの関連記事を掲載するように促し、その記事で社内を強引に説得したこともあった。
幸いに優秀な社外の技術者の協力を得て、この設備が結実し、社会的に評価されたことは幸いである。

太陽光発電の導入など様々な環境関連設備の導入を企画し実行してきたが、残念ながら後輩技術者には、難関を乗り超えるような意欲が見られないようである。
先日、本社の元役員で関係会社社長が、『後輩連は自分の好きな仕事はやるが、それ以外は仕事をやらされているという意識が強い。困ったものだ。』と話があった。何事も積極的に取り組めば、技術者としての感性が磨かれる。やらされていると受動的に取り組めば、感性は鈍化するだけのことである。

2月中旬に日本乳業協会の環境委員会で話をさせてもらう予定である。後輩たちの意欲を鼓舞することもあるが、環境問題への対応を体系的に、経年的に、例示しながら把握してもらうことを一つのテーマとしている。
食品工場も他の産業に違わず閉鎖が続いているが、後輩技術者の奮起を期待していきたい。
ただし、マッチポンプに終わってはならない。

by ecospec33 | 2013-01-31 10:08 | ●その他社会問題  

米国の肥満率と貧困率、そしてジニ係数(シカゴ、アメリカ、州別、黒人、白人、ヒスパニック)

2005年の夏に、世界最大のターボ冷凍機メーカーであるトレイン(TRANE)社を視察する際に、米国第3位の大都会、シカゴに立ち寄った。
超高層ビルの一つ、ジョン・ハンコック・センターの最上階330mに上って、ミシガン湖に広がるシカゴの街を見下ろすなど楽しんだのだが、黒人が多いこと、また肥満なアメリカ人が多いことに驚いた。また、肥満の原因の一つに上げられるファストフードを提供するマクドナルドの1号店が、このシカゴにあることも印象に残った。
米国の肥満率と貧困率、そしてジニ係数(シカゴ、アメリカ、州別、黒人、白人、ヒスパニック)_e0223735_1321118.jpg
この肥満の割合は、性別、人種、年齢、教育などによって異なるが、それには貧困が大きく関連しているという。
性別については、男性より女性の肥満率が高い傾向にあり、低収入なほど、女性は増加するが、男性は大きな影響を受けないそうである。
人種については、白人、黒人、ヒスパニックの順に肥満率が高くなる傾向にあり、低収入なほど、白人と黒人とヒスパニックの女性は増加するが、黒人とヒスパニックの男性は低下し、白人の男性は大きな影響を受けないそうである。
米国の肥満率と貧困率、そしてジニ係数(シカゴ、アメリカ、州別、黒人、白人、ヒスパニック)_e0223735_1351333.jpg
このように、低収入と貧困が肥満に大きく関連していることから、アメリカの州別の肥満率と相対的貧困率との関連を、また参考のためにジニ係数との関連を調査した。
肥満率と相対的貧困率との相関は、その傾向は示すことが出来きたが、州という大きな枠組みでは明確はないようであった。
また、肥満率とジニ係数との相関はないに等しい結果であった。

私も2、3年前に肥満率にカウントされないことになったが、腹は引っ込まない。肥満大国アメリカを論じていても仕方がないのだが・・・

なお、用語は次のとおり。
●肥満率:BMIが30kg/m2以上の人口比率
●相対的貧困率:全国民の可処分所得の中央値の半分に満たない国民の割合
●ジニ係数:所得分配の不平等さ表す指標

by ecospec33 | 2013-01-11 13:08 | ●その他社会問題  

当事者意識の欠落(経営者、経団連、連合、政官財癒着、原子力規制委員会、昔の名前で出ています内閣)

経営者から平社員まで、当事者意識がないという話を友人がしていた。
自分の地位を脅かすようなリスキーな案件には当事者でもあるにもかかわらず、当事者ではないかのように振る舞う経営者がいるという。それでいて、当事者でない他人の功績を自分のものにしてしまう経営者がいるという。
仕事を依頼すると、自分でいかに処理するか考えもせずに、全てを聞いてくる社員がいるという。当事者意識があれば、そのような態度は取らないはずで、当事者意識を持ってくれさえいれば、教示することがたくさんあるのだがと嘆いていた。

政治家が変わっても国は変わらない、選択する政治家、政党がないと言い訳をして、選挙に行かない国民も当事者意識に欠けている。
大地震で原発が大爆発するかも知れないし、隣国の挑発で戦争が勃発するかも知れないにも関わらずである。トンネルの天井が落ちてくるかも知れない。

経団連が支持する自民党に政権が戻り、金融緩和と大型補正予算を期待して株価が上昇している。
しかし、景気がついていかなければ、空騒ぎで終わるはずである。株は実質的な経済指標でなく、気分に大きく作用される指標だからである。
55年体制は何であったのか。政官財癒着の自民党から連合が支持する民主党に政権が変わった3年前には、自民党に優れた政治家、人材がいなかったはずであり、現在もその状況に変化はない。
新内閣の多くが古株の政治家が中心となれば、「昔の名前で出ています内閣」という具合になる。そうなれば、淡い期待が次第にしぼんでいく。
民主党は政権与党の自覚、当事者意識がなかった。当事者意識を持っていたとしても、鳩山元首相がそうであったように、誤った当事者意識、勘違いの当事者意識であったと言えるだろう。果たして、自民党は?ということである。

原子力規制委員会が、福井県の敦賀原発に続いて、青森県の東通原発にも活断層が走っていると判断した。
かっての原子力安全委員会は、電力会社の判断を踏襲するだけの原子力発電推進の行政機関であったが、原子力規制委員会は当事者意識をもって、その機能を発揮し始めたと考えてよいだろう。
科学者、工学者、技術者は、政治、経済、社会から逃避することは困難であるが、当事者意識を持って偏らない行動をしていかなくてはならない。

すべからく当事者意識を持つことは難しい。何を規範にしているかが根本にあるからである。
世界観、歴史観、社会観、価値観・・・。損得勘定ばかりに囚われてはならないのである。
当事者意識に磨きを掛けることに老若は関係ない。

by ecospec33 | 2012-12-21 07:52 | ●その他社会問題  

せわしない師走(総選挙、COP18、敦賀原発、廃炉、北海道、節電要請、排水処理)

先週7日に久しぶりに、大きな地震があり、震災を思い起こしたが、師走の街は都知事選挙と衆議院議員総選挙で騒がしい。
一昨日9日に、イトーヨーカドー武蔵小金井店前の広場で、菅直人前首相が脱原発を訴える街頭演説をしていた。核燃料廃棄物の処理問題など真剣に聞く必要がある重要なテーマなのだが、寒さもあって聴衆はまばらであった。終始、拳を硬く握りしめて話をしているところが、彼らしい実直さの表れなのだろうが、聴衆を引き付けるには、手を大きく開げてアピールするような大仰な仕草も必要であるだろう。
自民党政権に戻れば、原発の再稼動を強硬に進め、脱原発は遠のく。しかし、選挙の争点はそれだけではない。それに、争点はあっても、困ったことに、政治主導という行政マネジメントを任せられる信頼できる政党が見つからない。

同日に、海外では、カタールで開催されていたCOP18が閉幕した。
2009年9月に鳩山由紀夫元首相が国連演説で「1990年比で2020年までにGHG排出量を25%削減する」と表明した。しかし、それは彼の自己満足の結果であったので、原発事故以前から、日本の地球温暖化への大方針が決まっていないと言ってよいだろう。このような国内事情であるから、国際舞台での日本の立場は小さくなる。早急に、脱原発の工程を明確にし、自然エネルギーを最大限盛り込んだ地球温暖化対策の中長期的な計画を策定する必要がある。

昨日10日に、原子力規制委員会の田中俊一委員長が、福井県にある敦賀原発の廃炉を示唆した。
原子力規制委員会の調査団が、敦賀第2原発の直下を走る破砕帯(断層)の一つが活断層である可能性が高いと判断し、これに関し、田中委員長が「再稼働の安全審査はできない」と述べたことから、敦賀原発は廃炉になる可能性が高くなった。
原子力発電推進を基盤としてきた電力業界、行政、学会の関係者にとって一大事である。推進の下で、見て見ぬふりをしてきた実態が露わになったと考えてよいだろう。

同日から、泊原発が停止している北海道電力管内で節電要請が開始された。
雪が多い厳しい寒さの中、北海道では、来年3月8日まで2010年度に比べて7%以上の節電が家庭と企業に求められる。
11日の朝のフジテレビでは、北海道コカ・コーラボトリングの自販機の冷却輪番停止と排水処理のエアレーター停止による節電が紹介されたが、後者は問題が多いことを知る人は少ない。
排水処理など生産に直接関係ない設備を節電することは容易なのだが、その後の不調を元に戻すまでに多くのエネルギーが必要となることを配慮していないのである。
師走なので、この詳細は省くことにする。

by ecospec33 | 2012-12-11 10:10 | ●その他社会問題  

10月が始まった(3R推進月間、環境税、増税、エコポイント、CO2削減、費用対効果、排出量取引)

夜半に台風17号が猛スピードで日本列島を縦断し、10月に入った。

『東京駅』が保存・復元工事を終えて全面開業した。
工事の最終段階には、外壁の要所に貼られた無垢の銅板のあかね色が印象的だった。
10月が始まった(3R推進月間、環境税、増税、エコポイント、CO2削減、費用対効果、排出量取引)_e0223735_10421079.jpg
『3R推進月間』が始まった。
環境省が示す趣旨は次のとおりである。
「国民・事業者・行政が一堂に会し、廃棄物問題に関するそれぞれの知識や経験を交換するとともに、参加者一人ひとりが自らのライフスタイルを見直す機会を提供することを通じ、“3R”(廃棄物等の発生抑制(Reduce)、再使用(Reuse)、再生利用(Recycle))の推進に関する理解を深め、循環型社会の形成に向けた取組をより一層推進します。」(関係8省庁:財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、消費者庁)
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『環境税』が始まった。
経済界も導入反対であったが、静かに審議され、瞬く間に決定された。
2010年に、電力中央研究所が「3兆円の地球温暖化対策予算の費用対効果を問う」というディスカッションペーパーを公表した。『・・・すでに日本の地球温暖化対策予算は3兆円に上るとされる。・・・増税の前に、既存の政策の費用対効果を厳しく評価すべきであろう。』
これらの意見は無視され、何らの評価がないままに環境税という増税が決定された。

環境税は現行の石油・石炭税に上乗せして課税されるが、最終的に消費者が負担することになる。その額は平均世帯で年間約400円、数年後にはその3倍、約1,200円に増額されるという。
民主党は、政権獲得前にガソリン暫定税率分の撤廃、減税をマニフェストに掲げていたが、それも出来ないままに、マニフェストにない消費増税をおこない、はたまた環境税という増税である。
消費増税には社会保障の一体改革という錦の御旗があるが、環境税にも地球温暖化対策という錦の御旗が掲げられている。
10月が始まった(3R推進月間、環境税、増税、エコポイント、CO2削減、費用対効果、排出量取引)_e0223735_10425854.jpg
しかながら、これまでも家電エコポイント、住宅エコポイント、エコカー補助金・減税と、いかにも環境(エコ)に相応しい対策をとっていたかのようであるが、景気浮揚が主な目的であり、行政は国民を『エコ』という言葉で巧みに踊らせているようである。
2011年2月に、朝日新聞が大見出し「家電エコポイント、CO2削減試算ずさん 効果6分の1」で、『「二酸化炭素(CO2)の削減効果は年間400万トン」。政府がそううたって2009年5月から進め、家電の買い替えを促した家電エコポイント制度。その根拠となったCO2削減予測値の算出方法が、実態とかけ離れたものだったことが分かった。算出に関する資料の廃棄が昨夏判明し、環境省が当時の担当者に聞き取り調査する中で明らかになった。』という記事を載せた。
これに対し、2011年6月に、環境省、経済産業省、総務省が、「家電エコポイント制度の政策効果等について」で、『総額約6,930億円の予算措置に対し、CO2削減効果は約270万トン/年と推計』と公表した。
新聞記事と行政公表の大きな違いは基準点が異なっているなどのためと思うが、行政の実績効果は目標効果の67.5%でしかなく、その評価は赤点に近い「可」である。これ以外のエコ制度の費用対効果の目標と結果を公表していないので不明であるが、多くは期待出来なのであろう。
10月が始まった(3R推進月間、環境税、増税、エコポイント、CO2削減、費用対効果、排出量取引)_e0223735_10432357.jpg
ここで、環境税と家電エコポイントについて、CO2を1トン/年削減する費用を算定し、その費用対効果を比較する。
●環境税:1.9兆円÷600~24,000トン/年=79,000~317,000円/(トン/年)
●家電エコポイント:6,930億円÷270万トン/年=257,000円/(トン/年)
いずれも排出量取引相場の30~100倍であり、費用対効果が極めて低い数値である。
家電エコポイントは直接的に効果が推計できたが、環境税はその使い道によって効果が左右される。このため、費用対効果はさらに低くなる可能性もありうる。

『第三次野田内閣』が発足した。
短命に終わった民主党政権の「最後の内閣」と呼ばれ続けるだろう。目玉であった「事業仕分け」は不毛に終わり、増税の道を歩んだ民主党。政治主導は官僚主導に巧妙にすり替わっているようである。

「環境税」というハードルを首尾よく飛び越えた環境省は、『エコ』という錦の御旗で「排出量取引」に突き進む。

by ecospec33 | 2012-10-03 10:47 | ●その他社会問題  

敬老の日と団塊の世代(武蔵野公園、野川公園、ウォーキング、訳あり人間)

3連休の初日15日10時過ぎに、武蔵野公園から野川公園の野川に沿って多くの人たちがウォーキングしていた。『第3回TOKYOウォーキング2012』の三鷹・吉祥寺エリア20kmコースの参加者である。
高齢者の割合が非常に多い。井の頭公園から歩き初めて8kmは過ぎているので、相当な汗である。
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敬老の日に向けて、総務省は『「団塊の世代」が65歳に達し始めたことから、今月15日現在で推計した日本の65歳以上の高齢者は3074万人で、去年の同じ時期と比べて102万人増加し、比較が可能な昭和25年以降、初めて3000万人を超えた。総人口に占める高齢者の割合は0.8ポイント増えて24.1%となった。』と公表した。
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「団塊の世代」とは、第一次ベビーブーム時代の1947年から1949年までの3年間に出生した世代を指すといわれている。
「私は団塊の世代です。」と、この前後に生まれた人が話しているのを見かけると、訳あり人間だと思ってしまうのは私だけではないだろう。彼が「団塊の世代」の強みと弱みを、その場に合わせて使い分けていると判断するからである。

ともあれ、私の周りにも、同じ時代を共有した「団塊の世代」の兄と呼べるような知人達が、社会の最前線から撤退する。40年近く、お疲れさまでした。

by ecospec33 | 2012-09-17 19:37 | ●その他社会問題  

多難な新年度(南海トラフ巨大地震、事業継続計画、国家存亡危機、リスボン地震、被害額)

2012年度を迎えた。入学式には都合がよいが、寒さが続いて、楽しみの桜は予想以上に遅れている。昨日1日に自転車で多磨霊園内を通過したが、しだれ桜だけがやっと開花したところであった。

年度初めに賑わしている話題は、消費税増税、電気料金値上げ、電力逼迫と原発再稼働、食品の放射性セシウム新基準であるが、東日本大震災は1年を過ぎて見直された東京直下型地震と南海トラフ巨大地震は、過去の想定をはるかに上回る震度と津波が想定され、国、地方自治体、事業者、国民それぞれが防災、減災に対して様々な対応が必至となった。
多難な新年度(南海トラフ巨大地震、事業継続計画、国家存亡危機、リスボン地震、被害額)_e0223735_1012337.jpg
私も担当したが、各事業者は2003年に公表された南海・東南海・東海地震の震度と津波の想定図を基に、本社、営業所、工場、関係会社などの被害想定をし、復旧に関わる問題の抽出と検討、そして対応策の検討と対策を講じてきたであろうが、2011年の東日本大震災の大規模被害と福島原発事故による電力逼迫を受け、また昨日、一昨日の新たな大地震の公表を受け、事業継続計画(Business continuity planning、BCP)の大幅な見直しが必須となった。

この南海トラフ巨大地震発生は、事業者だけでなく国家の存亡危機の問題である。
浜岡原発で建設中されている18mの防潮堤を3m乗り越える可能性があるという象徴的な問題だけではない。
2003年に想定された南海・東南海・東海地震の直接的・間接的な経済被害総額は53兆円~81兆円であったが、南海トラフ大地震による被害総額はこれを遥かに凌ぐものである。
確実に被害を受ける震度6強以上の面積が2003年の約5倍に拡大したことから、約250兆円の被害を受けることが算定される。これは約500兆円のGDPの半分に相当する莫大な金額である。
ちなみに、内閣府が阪神淡路大震災と東日本大震災によるストック(建築物、ライフライン施設、社会基盤施設など)といった直接被害額をそれぞれ、9.6兆円、16.9兆円と推計している。

1755年にポルトガルで発生したマグニチュード8.5~9.0のリスボン地震によって、首都リスボンを中心に約6万人が死亡し、国力が大幅に低下し、国際的地位が失墜した。このときはポルトガルのGDPの3割~5割が失われたそうである。
このため、南海トラフ大地震と首都直下型地震の問題は、政争化した消費税増税などを吹き飛ばすほどの桁違いに大きい国家戦略上の命題である。

自治体による被害想定と対策の見直し、首都機能移転・分散の計画など早急な対応が求められることになり、引き続き国家多難な新年度を迎えることになった。

by ecospec33 | 2012-04-02 10:16 | ●その他社会問題