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カテゴリ:●CSRと環境対策( 25 )

 

世界自然遺産とラムサール条約湿地(小笠原諸島)

6月24日に、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が、小笠原諸島を「世界自然遺産」に登録することを決めた。
東京から南南東の太平洋上1000kmも離れていて、25時間の船旅でしか行くことが出来ないので、他の地域より固有の生態系を守るには有利だろうが、外部から影響を受けやすい脆弱な生態系でもあるのだろうから、そう容易でもないことだろう。
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日本では「世界自然遺産」としては、屋久島、白神山地、知床に続き、この小笠原諸島が4か所目の登録という。「世界文化遺産」として、法隆寺、白川郷、原爆ドームなど11か所が登録されており、平泉が1両日中に登録される予定とのことである。芭蕉も現代人も遠い昔の栄華を思い浮かべる地である。
『夏草や兵どもが夢の跡』
『五月雨の降り残してや光堂』 
世界自然遺産とラムサール条約湿地(小笠原諸島)_e0223735_944825.jpg
「ラムサール条約湿地」も環境を学ぶ上での常識として知っておいた方が良いだろう。
「ラムサール条約」は、特に水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地及びそこに生息・生育する動植物の保全を促進することを目的としており、日本では尾瀬、釧路湿原など37か所が登録されている。
北海道には何度も出かけたが、一度だけ釧路湿原近くの鶴居村で鶴の親子を見たことがあった。

by ecospec33 | 2011-06-25 09:02 | ●CSRと環境対策  

「エコライフ・フェア2011」に行く

「エコライフ・フェア2011」に行く_e0223735_17375414.jpg今日は、6月の環境月間に合わせて代々木公園で開催されている「エコライフ・フェア2011」に行った。
紙パックのリサイクルを推進する全国牛乳容器環境協議会が出展しており、旧知の仲間に会いに出かけた。
この協議会の専門委員長のときに、5月開催の林野庁主催の「森林(もり)の市」での出展を取りやめ、この環境省主催のフェアに出展するようにしてから、4、5年連続になると思う。
かつては、NHKが藤原紀香やベッキーが司会する公開放送があり、相当な力を入れていたが、一時期のエコの華やかさは薄れている。また来場者数はまずまずと思えたが、ブース数の減少は明らかなようであった。

東京電力は電気事業連合会と毎年出展し、尾瀬の自然も紹介していたはずだが、今回は当然のように見当たらない。東京電力は水源確保のため、尾瀬を売却しない方針のようだが、今後は不明だ。5月末のフジテレビの報道では、尾瀬周辺の水力発電は9基あり、合計出力は約14万kWだそうである。原子力発電1基分の10分の1程度である。
早稲田大学WFR山岳サイクリングクラブの夏合宿で、桧枝岐側の御池から沼山峠を越え、尾瀬沼への木道を自転車で走り、長蔵小屋近くのロッジに一泊した。翌早朝、出発前に長蔵小屋の若主人(若くして亡くなったと聞いている)から「油が垂れるから自転車は乗り入れ禁止だ。」と強く注意されたことがあった。「そんなバカな理由があるか。」と我々クラブの仲間は反発した。
その日は三平峠を抜けて、夜更けに丸沼のキャンプ場にたどり着いたが、後味の悪い思いが残った一日だった。それも、40年近く前のことである。
「エコライフ・フェア2011」に行く_e0223735_1739371.jpg
NHKの「ECOパーク2011」には、大学生の小さなブースが目立った。早稲田大学、慶応大学、青山学院大学、多摩美術大学などである。
千葉大学などISO14001の認証を登録している大学もあるのだから、大学と大学生の関心も高くなっている。
大学には環境に特化した学部、学科が増加した。
ある企業にその卒業生が入社し、環境部門で働いていたが、環境に関する冊子の作成と関係団体のボランティア活動の支援に終始していたように思っている。
企業にとって欲しい人材とは、化学工学などの下地があり、環境にも応用できる人。すなわち本業より、環境が優先することはありえないと思っている。

by ecospec33 | 2011-06-05 17:39 | ●CSRと環境対策  

環境法と環境教育

株主総会が近づき、役員の交代が発表され、幹部の人事異動の時期である。
食品企業と関連業界団体の環境対策の長が交代する季節でもある。

数年前の全国清涼飲料工業会(全清飲)の環境部長の交代は素晴らしかった。
サントリーから全清飲に出向した人物が環境部長に就任し、その挨拶の直後に環境部会を卒なく進行させたのである。
彼は長らく営業部門にいたにもかかわらず、環境対策に関わる下地が感じられた。出向前から事前に、社内で環境に関して勉強をしてきているのである。
サントリーの底力、人材教育に感心した次第であるが、その点、大手乳業会社は適当である。
M乳業は、環境対策は牛乳パックの回収だけかのような振る舞いをし、M乳業は、事前勉強なしに環境に疎い人物を業界団体に出向させるなどの不可思議な人事をし、またY乳業も似たりよったりである。

環境対策の基礎は、公害問題から始まり地球温暖化問題に至る環境に関する歴史を知って、過去・現在・未来へと続く環境対策に対する洞察力を持つことである。
3年前まで東京理科大で教えていた時は、企業の「環境報告書」に記載されている年表を活用して、環境の歴史を学ばせた。
その年表には、企業の環境対策の歴史と同時に、環境に関する様々な法令「環境法」が記載されており、これを説明して、国の「環境政策」の一旦を学んでもらったつもりである。

ISO14001の認証登録をした事業所は、環境法ばかりでなく事業所に関連する法令、条例などに順守しているかを常時確認する必要がある。
このため、ある環境会議で全工場の環境責任者と担当者に対し、「環境法などの法令はインーネットで確認し、常に勉強しておくように。」と伝えたところ、会議後の感想文に「インターネットのどこにあるかを、詳細に教えて欲しい。」と、小学生のような文字で書かれていた。
本社がそこまでやる必要があるかと思ったが、法令に関する政府のホームページを社内報で流したこともあった。
人材というより企業の姿勢によるが、環境の専門家を育成するということでなくても、環境教育は容易ではないようである。

by ecospec33 | 2011-05-19 13:24 | ●CSRと環境対策  

「CSRレポート」への転換(環境報告書、サステナビリティレポート、ガイドライン、GRI)

ここ数年で、どこの大手食品会社も「CSRレポート」を発行するようになった。
環境への取組の説明責任を果たし、社会から信頼を得る一手段である「環境報告書」を他社より早く発行していこうという競争意欲をかきたてた時期が2000年前後であり、「環境報告書」から「社会・環境報告書」、さらに「CSRレポート」へと転換した時期が、私が編集を担当していた2004年~2008年の5年間であったと思う。
企業の社会的責任であるCSR(Corporate Social Responsibility)については、2004年に経団連が「企業の社会的責任推進にあたっての基本的考え方 」を公表してから、各企業はCSRの部署を新たに組織し、または組織横断的なチームを結成したこともあり、「CSRレポート」への転換が促されたのである。

2003年に環境省は「環境報告書ガイドライン」を策定し、報告内容の標準化が図られたが、国際的な動きはもっと早く、国連環境計画(UNEP)の公認協力機関であるGRI(Global Reporting Initiative Guideline)は、2000年にCSRに関するレポートのガイドラインを策定している。
キリングループは環境省のガイドラインの策定にも関与していたが、早くからGRIに則した「CSRレポート」への転換を図り、食品会社にとって模範とすべき報告書であった。
私は部下に対し、キリングループの「経済面、社会面及び環境面のトリプルボトムライン」を参考とするよう指導していたので、おのずと環境から幅の広いCSRへと転換していき、その報告内容にあった「CSRレポート」へと表題も改めていった。
余談であるが、私は東京理科大学で環境に関する「装置工学概論」を6年間講義していたが、毎年キリングループの「CSRレポート」を教材として利用させてもらった。

環境対策を専任していた担当者は、この「CSRレポート」時代に反発している部分もある。
昨年末のエコプロダクト展で、大手乳業メーカーの知人に「CSRレポート」一冊をお願いしたところ、「乳業と製菓を一緒にまとめたこともあるが、昔ほど内容は面白くないよ。」と言いながら手渡してくれた。知人が言うとおり、環境対策のページが約3分の1に圧縮されて、環境対策の実態が掴みにくくなくなったため、参考とならないのである。このため、「CSRレポート」の他に、環境だけを取り出した冊子を発行する大手企業もある。

ヨーロッパの企業では、業績などの「Annual report(年次報告書)」と、CSRに関連した「Sustainability Report(持続性報告書)」を発行するのが常識のようだが、米国の企業は、私が知る限りでは発行していなかった。
キリングループは、2010年版からレポートの名称を「CSRレポート」から「サステナビリティレポート」に変更した。これも大手食品企業の世界戦略の一環だろうか。

by ecospec33 | 2011-04-23 10:36 | ●CSRと環境対策  

環境ISOの認証登録から自己宣言へ (EMS、ISO14001、EMAS、JAB、自己宣言)

環境マネジメントシステム(EMS)を「ISO14001」認証登録と同一視する向きもあるが、それは大きな間違いである。
勤務していた乳業会社では、1991年に環境対策室が設置され、環境マニュアルを策定し、1993年から独自の環境マネジメントシステムで自社、関係会社の工場を管理していた。
1996年にISO14001認証登録が開始されたことから、1999年にモデルの2工場で登録を開始し、数年経過して自社工場すべてが環境ISOでの環境マネジメントシステムに切り替えた。
その切り替えに出遅れた関係会社の工場は、2006年から環境省が策定した「エコアクション21」の認証登録を進めた。

日本適合性認定協会(JAB)のホームページには、国別の認証登録組織数が掲載されており、日本が他国を圧倒していることがわかる。EU諸国は環境ISOでなく、EMAS(Eco-Management and Audit Scheme)での環境マネジメントが行われていることは良く知られていることであるが、登録が多いドイツでも日本の10分の1以下である。
ところが、この日本の認証登録組織数が頭打ちから低下傾向にある。

環境ISOを維持するには大きな経費が必要なことから、本社の認証登録の3年後の更新時期に合わせて全工場を本社が統一管理するマルチサイト化を進め、さらに2年後には全数審査からサンプル審査する認証機関へと変更させた。これによって、維持経費を年間1000万円削減することができた。
このように工場、事業所などのサイト数は増加しても、マルチサイト化によって登録組織数は減少するものと考えられる。

しかしながら、それだけが原因ではないと考えている。
私が担当した数年間を見ても、3年という1区切を3回迎えた工場ばかりでなく多くの工場で、外部審査の指摘内容は浅く広くというジレンマに陥っており、審査機関は環境に係るコスト削減を進めるコンサルタント業務をする対応を見せつつあった。このため、私はJISに明確に記載されている「環境ISOの自己宣言」方式への切り替えを一時は意識した。
結果的には、「認証登録」という“ブランド”は得難いものと判断し、認証機関の変更に留め、新たな観点から審査してもらうことにした。

私ばかりでなく、このように考えている担当者は多いはずで、環境ISOの認証登録から自己宣言への切り替えが着々と進行していることが、登録組織数の減少の原因と考えている。このことは、審査機関にとって経営上由々しき問題であろうが、“ブランド”がなくても日本の企業が環境保全に対する取り組みを軽視するなどといった、本質的な問題は生じないと思っている。

by ecospec33 | 2011-04-21 19:11 | ●CSRと環境対策