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カテゴリ:●CSRと環境対策( 25 )

 

「大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応」への反応(サステナビリティー、SDGs、ESG、CSV、KGI、KPI)

2019年11月4日にトランプ大統領は「パリ協定」からの離脱を国連に正式に通告した。大国としての責務から逃れることにより、大国としての権威の失墜につながる暴挙と言える。これに対し、小泉環境大臣も呆れているようで、翻意を促せないと発言している。ごもっともなことだ。

かって用水削減の方法を聞いてきた現役の知人に「大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応」をPDFで送付したところ、「KPIの数値目標を求められており、頭が痛い。」と連絡があった。

事業の長期的な目標を表す尺度の「KGI」(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)に対する「KPI」(KeyPerformance Indicator:重要業績評価指標)であるが、海外のグローバルな大手食品企業を調査したところ、この「KGI」には「水」への対策が必ず入っている。これに対し、国内の大手食品企業は、この意識が非常に乏しく、目標にすら掲げていないのが現実である。

国内にあっては、災害などにより地域社会が、また、驚くことだが羽田空港が断水すると、「水」が「電気」以上に、生活になくてはならないものとして、大きく取り上げられるが、一時的なものに終わる。一方、海外の企業はグローバルに事業活動していることから、グローバルな視点で「水」を扱っているということである。

天皇が「水」に注目されていると同様に、国内にあっても、食品企業の経営者にも、そういう意識が欲しいものである。


by ecospec33 | 2019-11-07 09:36 | ●CSRと環境対策  

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅸ(サステナビリティー、SDGs、ESG、CSV:共有価値の創造)

<別紙1>食品企業(ビール製造業/乳業)の「CSR全般」の評価と項目の比較表
大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅸ(サステナビリティー、SDGs、ESG、CSV:共有価値の創造) _e0223735_12191718.jpg
<別紙2>食品企業(ビール製造業/乳業)の「環境」の評価と項目の比較表
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by ecospec33 | 2019-11-06 12:25 | ●CSRと環境対策  

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅷ(サステナビリティー、SDGs、ESG、CSV:共有価値の創造)

5.まとめ

東洋経済の『CSR企業総覧』、『CSR企業白書』から、そのCSR評価について検証を試みた。大手食品企業の評価ポイントは僅差となっているが、企業間を詳細に比較する査定をおこなった結果、大きな差があることが判明した。

CSR関連のWebサイトの内容を精査した結果、大手食品企業のそのページ数は売上高に深く関連しており、それぞれの企業に多くの課題があることが明らかとなった。

日経BP社『環境ブランド調査』の結果から、大手食品企業の社会的評価とCSR関連Webの情報開示量とは強い相関がみられた。

経営戦略をCSRからCSVへ、また環境マネジメントをISO14001外部審査認証から自己適合宣言へ転換している状況を示した。

あとがき

かって、著者は自社工場についてISO14001認証取得を進めたが、高額な維持経費の点から関係会社の工場について手をこまねいていた。キリンビールの研究所がエコアクション21(EA21)の認証を登録したことをWeb上で知って、先進的な食品企業もEA21で対応していることを理由にして、これを実行に移した。

このEA21認証登録状況を「社会・環境報告書」に記載したところ、その次年度に同業他社が「環境報告書」に記載した。その担当部署の長が、「参考にさせてもらった。次の一手はどうする。」と聞いてきたので、「経費の点からも、本社のISO認証取得によるマルチサイト化だ。」と答えた。その後は自社も他社もその通りに進めることになった。また別の他社の担当者からは、「CSRレポートに変えましたね。参考にさせてもらいました。」と丁寧に挨拶頂いたこともあった。

競合する他社とは競争しながらも協調し合い、切磋琢磨しながら環境およびCSRの対応を進めてきたし、それは現在も変わらないはずである。

今回、東洋経済の「CSR企業総覧」、CSR関連のWebサイトから、それらの企業を見直したところ、GRIスタンダードの準拠およびSDGsを組み込みなど、大きな進展も見られたが、変化していないと感じることもあった。

例えば、関係会社に対する統治力が依然と弱いこと、かって他企業を参考にした項目を記載続けているにもかかわらず、本家の企業にはその記載がないこと、グローバルな視野が不足していること、社会的に大問題となった事件を引きずった状態が続いていること、マスコミで取り上げられた事故、事件の情報さえも開示していないことなどである。

これも、それも、企業の体質と風土は一朝一夕には変わらないということかも知れない。

著者は企業で勤めるかたわら、東京理科大学で2003年から6年間教鞭をとっていた。毎年、「環境報告書」または「CSRレポート」を、大手企業4社から120冊送ってもらい、これを工業化学科3年の学生に配布し、「装置工学」講座の教材とさせてもらっていた。

東京電力の現社長である小早川智明氏が営業で何度か来社を受けるなど、東京ガスさんと東京ガスさんとは様々な場面でお付き合いがあり、その報告書をエネルギー、地球温暖化問題の教材として、JFEさんとは早大大学院の同期で、還元剤として廃プラスチックの高炉投入を推進した研究所部長(現東北大学名誉教授の有山達郎氏)に照会してもらい、その報告書を重工業における環境対策の教材とした。またキリンビールさんとは当時の環境部長が学科は異なるが大学の2年先輩で、よく相談にのってくれていたこともあり、その報告書は本業である食品企業からの選択であった。その内容がアサヒ、サントリーとそれと比較して、広告色が薄く、先進的であり、かつ教科書といえるほど教材として優れていたからである。

当時、ビール三社には数多くの工場を見せてもらい、自社工場の冷凍設備や用排水処理の新増設および新工場の建設の参考にもさせてもらった。アサヒビールさんは「ノンフロン工場」など、当時としては、やり過ぎではないかと思うほどの華々しい環境対策を旭興一専務が率先して講じていたが、その報告書は企業内の楽しさを売りにしたような印象だった。今ではこれを理路整然としたものに作り変えている。また、サントリーさんは環境関連の用語解説集をWeb上で掲載するほど、環境対策に力を入れていた。現在は「天然水」を売りにして環境性と高品質を高らかに広報し続けている。そのホームページには『ビール・発泡酒の仕込の水として使用している「天然水」は、深井戸から採る良質な天然水です。』とある。深井戸、浅井戸に違いがあることは承知しているが、その井戸水を「天然水」と称してCM放送するうまさと、その発信力が際立っている。ただし、ピンチテクノロジーによる用水削減、食品業界で最大級の太陽光発電の設置、PETボトルのダイレクトリサイクルなどの環境対策を実質的に講じている。一方、キリンさんは観念的と言えなくもないが、先進的で論理的な攻めの経営姿勢は変わっていないように思う。

どの時代でも、環境対策、CSR(狭義・広義)、ESG、SDGs、サステナビリティ、CSVであろうが、社会の動向と制約を素早く捉え、実質的な活動を行うことによって企業価値を高め、企業ブランドと社会的イメージを上げるべく、真摯に情報公開することが肝要である。


by ecospec33 | 2019-11-06 10:39 | ●CSRと環境対策  

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅶ(サステナビリティー、SDGs、ESG、CSV:共有価値の創造)

4.先進的な対応

4.1 「CSR:社会的責任」から「CSV:共通価値の創造」へ

2003年は、「日本のCSR経営元年」と言われており、ソニー、パナソニック、東芝などグローバル企業が先行してCSR専門部署を組織し、CSRレポートを作成した。食品企業では、2004年にアサヒが、2005年にキリン、サントリー、味の素が続いた。

2011年には、マイケル・ポーターらが「CSV(CreatingShared Value:共通価値の創造):経済的価値と社会的価値を同時実現する共通価値の戦略」を提唱した。企業の倫理的な社会的責任を求める「CSR」とは異なり、「CSV」は企業の利益追求するという本来の目的の中で、自社の強みを生かして社会的課題の解決を目指し、社会的価値の創造を図っていく戦略という。

CSV経営の代表格として、国際的な大手食品企業であるネスレとユニリーバが紹介されるが、国内ではキリンHDと味の素HDが、この概念で経営を進めている。

グローバルな意識を醸成するために、参考として「世界の食品企業ランキング」を右図に示す。

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キリンHDは2019年2月に公表した「長期経営構想」の中で、『・・・キリングループを取り巻く環境は、先行きの見通しがますます困難になってきており、国内外で経営に影響を及ぼす様々な社会課題が顕在化してきています。このような中、持続的な成長を実現するには、CSV経営の深化により社会的価値と経済的価値を創出し、社会と共に歩んでいくことが不可欠です。こうした認識のもと、キリングループは、2027年までに「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを目指す・・・・・。』と述べている。

また、味の素HDは「非財務(ESG)」Webサイトの中で、『味の素グループは、事業を通じた社会的課題解決に取り組み、社会・地域と共有する価値を創出することで経済価値を向上し、成長につなげてきました。この取り組みをASV(Ajinomoto Group Shared Value)と称し、これを進化させていくことが「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」の実現につながると考えています。』と述べている。

また、アサヒグループHDは「サステナビリティ」Webサイトに、「アサヒの強みを活かした価値創造」を掲げ、『企業が持続可能な事業を営むためには、企業を取り巻く環境が抱えている問題を解決しながら、事業を進めていくことが不可欠です。現在、世界人口の増加による食糧不足や栄養・健康問題など、世界には食に関わる様々な問題が存在しています。アサヒグループは自らの事業で培った強みやノウハウを活用して、これらの課題解決に貢献できると考えています。』と、「CSV」の概念を取り込んでいる。

ともあれ、前述したとおり、キリン、味の素ともに「CSR」を先進的に進めてきたが、その舵を「CSV」へ転じた意味は大きいと考えるべきである。

4.2 ISO14001外部審査認証から自己適合宣言へ

2017年に、キリンHD内の主要企業であるキリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンの3社について、15年近く維持してきたISO14001外部審査による認証から自己適合宣言に変更した。

著者は、企業においてこの環境マネジメントの管理を長年担当し、本社の頂点としたマルチサイト化を進め、企業内の内部監査員制度を作るなど、その維持経費の削減を進め、また外部審査員の能力不足を感じたことから、審査会社を変更するといった改革も進めた。しかしながら、それでも認証維持に多大な労力と経費を要しており、その効果は大きくないと考えていた。

ステークホルダーとの関連があるから、また世間体があるからと、関係会社についてもEA21(エコアクション21)からISO14001認証取得に変更する企業もあるようだが、先進的なキリンのこの動静を受けて、これまで外部審査によるISO14001認証維持とその範囲を拡大させてきた、全ての食品企業について環境マネジメントシステムを再考する時期にある。


by ecospec33 | 2019-11-06 10:24 | ●CSRと環境対策  

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅵ(サステナビリティー、SDGs、ESG、CSV)

2.5 CSR関連Webサイトに求められるもの

あるブランド評価会社が2017年に、「CSR・環境への取り組み」のWebサイトについて、良かった点をアンケート調査している。その複数回答の結果は、「活動内容が分かりやすい」(37.6%)、「方針が明確である」(29.3%)、「内容が充実している」(27.7%)、「情報が探しやすい」(24.%)、「活動の意義が分かりやすい」(23.9%)、「内容に興味が持てる」(23.5%)であった。この結果について、『活動方針をきちんと伝えるとともに、各活動が方針のもとに実施されていることを伝えることが重要』と説明している。

これは、各企業自らが、これらの視点からWebサイトを見直しが必要であることを意味する。

3.社会的な評価

日経BP社は『環境ブランド調査』を毎年実施している。各企業の環境に関する活動が一般消費者にどう伝わっているかについてインターネットを利用してアンケート調査し、その結果を集計・分析しており、2019年で20回目という。

評価方法は『企業ブランドの形成に強く影響する4つの指標、環境情報に触れた度合いである「環境情報接触度」、環境報告書や各種メディアなど環境情報の入手先を集計した「環境コミュニケーション指標」、環境面で当てはまると思うイメージについて集計した「環境イメージ指標」、環境活動への評価度合いを集計した「環境評価指標」、これを総合した「環境ブランド指数」を主要指標とする。』としている。

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全業界の総合ランキングでは、食品企業が毎年上位20社中に6~8社が、また上位100社中に24~27社が占めている。これは、他の業界に比べても高い評価である。当然のように、取り扱う食品自体が環境に優しくないはずはないと確信のもとで、その企業ブランドも環境イメージが高いに違いないという社会的な評価であり、もともと業態の全く異なる全業界でのランキング付けには無理があるのだろう。

右図のとおり、食品業界の評価ではサントリーが他を大きく引き離しての1位であり、全業界の総合評価は3年続けて1位という。キリン、アサヒビール、アサヒ飲料、日本コカ・コーラ、サッポロビール、と5位まで続き、その下位グループの大手食品企業に大きな順位の変動はない。

この環境ブランド指数に対する、「CSR」関連のWebサイトのページ数、また東洋経済の「CSR企業ランキング」の「環境」評価ポイントとの関係を、右図に示す。

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図に示すとおり、環境ブランド指数はWebサイトのページ数と強い関連性が見られたが、「環境」評価ポイントとは強い関係は見られなかった。これは、Webでの情報開示量が多い企業は環境ブランドが高いことを示している。

サントリーHDによる「天然水」のCMテレビ放送のように、CMの露出時間の方が消費者の環境ブランド形成に直接的に貢献していると思うが、そこはWebサイトに多くの情報開示出来るという、企業の基礎力が関連している。

また、サステナ㈱は、ESG/CSR活動に積極的に取り組む企業を、AIによっってESG評価と財務評価し、「ESG経営先進企業」として、「SUSTAINA ESG AWARDS2018」を表彰しており、ここでも、食品企業として、味の素、サントリーHD、、アサヒグループHDを選定している。

食品企業の上位は変わらないという結果である。下位の大手食品企業はこれらの企業の対応を参考とすべきである。


by ecospec33 | 2019-11-06 10:19 | ●CSRと環境対策  

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅴ(サステナビリティー、SDGs、ESG、CSV)

2.3 CSR情報提供は冊子からWebサイトへ

CSR活動の情報公開については、報告書・レポートといった冊子形式に頼っていたところがあり、これをPDF版化して、これを企業のホームページに公開していた。しかし、インターネットの活用が進んできたことから、ホームページ上に「企業情報」、「IR・投資家情報」などに並んで、「CSR」または「サステナビリティ」のWebサイトを立ち上げ、多くの人に制限なく情報提供できるようになった。

下の表はWebから確認したレポート、報告書であるが、その全てを冊子として提供するわけではない。一般的に、Webだけでの情報公開も増加していると言う。冊子にしなくてはならない要因を再考する必要であるだろう。

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財務情報の「アニュアルレポート」と非財務情報の「CSRレポート」を統合した「統合報告書」を発行する傾向にあり、サントリーHDや明治HDのように、「CSR」または「サステナビリティ」のWebサイト自体をPDF版化して公開する食品企業も出てきている。

また、世界を目指す食品企業については、冊子の英語版化も確実に進んでいる。

2.4 重要な課題と記載すべき項目

大手食品企業の「CSR」、「サステナビリティ」のWebサイトのコンテンツを詳細に調査することによって、重要な課題および記載すべき項目を把握することが出来たので、ここに提示する。

(1)Webサイトの重要な課題

Webのホームページは企業のイメージを印象づける重要な情報発信ツールの一つでもあるが、新たなサイト、コンテンツを追加する際にうまく適合出来ていないようである。大々的なリニューワルを検討すべきと思う企業もあった。

また、ホームページ内で、企業情報、IR・株主情報、CSRまたはサステナビリティと、サイトが分かれているが、コーポレイト・ガバナンス、企業の方針などといった共用する情報を、どのサイトに組み込むか、または参照させるかの課題が散見された。これに対し、サントリーHDは企業情報のサイトに、上記の他のサイトを組み込み統合して、この課題をクリアしている。

サントリーHDのWebサイト内のレベル(階層)は5つで多く、これに対し、アサヒグループHDは3つのレベルに統一しており、内容を全体的に把握しやすいヒエアルキーである。

上述したとおり、サントリーHDなどのように、CSR関連Webサイトの全てをpdf版化することによって、CSR関連情報を一括して読みやすくすることは重要な方法であり、また明治HDのように開示されたページを印刷スタイル化できることも優れた方法である。

CSRに必須な「ステークホルダーとのダイアログ」や「GRIスタンダード対照表」の記載が全くない企業は対応が遅れているとの印象が諌めないし、数値を扱っている項目については、少なくとも自己検証した説明が必要であり、さらなる場合は第三者認証が必須であるという認識を持つべきである。

多くの企業はSDGs適応のプロセスについての記載は極めて控えめに、その結果についても1ページ程度にまとめているが、このプロセスを多く記載している企業がある。報告書の基本的な記載方法は、企業内のプロセスより企業外に伝えるべき結果を重視してもらいたい。

些細なことだが、あるガバナンス図が改正されないまま、また文字化けを掲載しているような企業もある。

(2)記載すべき項目

Web上に記載すべき項目、またはそれ以前の対応として、実施すべき項目を箇条書きで示す。

その多くの項目は、ビール・清涼飲料製造業がWeb上に記載している内容である。

方針・規約の適正な記載方法の検討

事業所の災害拠点化による地域社会への貢献

JAL、ANAなどのマイレージのサービス利用を企業の一括管理とし、その収益を地球温暖化対応に還元

加入している関連業界団体、支援している市民団体また出向者の役職の記載

関連法令と国家資格取得者人数の記載

サイトレポート(各工場の環境データ等の報告書)の記載

アンモニア冷媒使用など脱フロン対応の記載

用水の使用実態とリスク管理の記載

環境を考慮した容器包装の事例の記載

社内教育における社内報の活用の記載

個人情報漏えい問題に対する情報リスクの記載

社員の健康維持活動の記載

グリーン電力購入および蓄熱・蓄電とDSM対応の記載

環境関連の関係会社の記載

事業所の緑化対応、風力・水力・太陽光などエコ見学会開催の記載

休業災害度数率など労働災害の実態の記載

消費者からの声を生かしている事例の記載

水源涵養と排水の放流河川の清掃活動(注1)

エコマイレージ方式採用などによるボランティア活動の推進(注2)

LCA、CFPの記載(注3)

(注1)水源涵養について

10数年ほど前に、自工場と関係会社工場の工場長が集合する会議で、ビール会社の事例をもとに水源涵養の必要性を説いたのだが、同席する経営者らも無反応だった。経営者の意識改革が優先するのかも知れない。

(注2)ボランティア活動について

2010年に業界で付き合いのあった仲間の計らいで、著者も気軽い気持ちでボランティア活動として、湘南にある防潮林の下草刈りを一日参加したことがある。主催する団体に500円の費用を支払い、お揃いの赤いバンダナをもらい、鋭く研がれた大きな鎌で林の下草を教わりながら刈った。きちんとした運営で1時間毎に休みをとったが、当日の日差しの強さから疲労困憊した。当然ながら、芝狩りより厳しかった。

しかしながら、この防潮林の背後には、役得を直接的に得ていると思われるマンションが建っている。その住民こそがやるべき活動ではないかと思い、また参加した学生の不真面目な態度が気になった。これに関し、仲間達も同意見だった。このように、たった一回のボランティア活動に不満を言っているようでは、精神的にも、体力的にも、“スーポーボランテイア”になる資格は全くない。

ここでの結論は、働き方改革という大きな命題があるこそ、企業の責任において、ボランティア活動の意義と目的および実行者の対価を明確にし、その記録を残すことが必要があり、企業が「ブラック・ボランティア活動」を推進してはならないし、個人としても企業人としても、「ブラック・ボランティア活動」には参加してはならない。

(注3)LCAの活用について

環境大臣として初めて国際会議に臨んだ小泉進次郎議員が、ニューヨークで、温室効果ガス排出量が高い牛肉を食して、環境団体から批判を浴びた。環境対策のみならずCSR、サステナビリティを担当者としては、このような初歩的な問題をクリアしておく必要があるだろう。

2006年に、食糧農業機関(FAO)は「家畜の長い影(Livestock's Long Shadow)」という畜産部門のLCAを発表した。畜産部門による土壌劣化、気候変動、地下水汚染、生物多様性について検討をおこない、畜産部門による温室効果ガス排出量は総人為的な温室効果ガス排出量の約18%という大きな数値であることを推定した。

これに対し、2010年に、FAOは酪農部門による温室効果ガス排出量は総人為的な温室効果ガス排出量の約4%であり、このうち肉生産を除いた排出量は総排出量の約2.7%であることを推定した。

畜産、酪農の両部門ともに、揺りかごから墓場まで、農場から製品消費までを扱っており、このうち農場からの温室効果ガスの排出が大半を占めている。

CSRの関係者は、このような基本的な知識を承知しておくべきである。

右図は、著者が2013年に日本乳業協会の環境委員会で、「カーボンフットプリントCFP対応」というテーマで講演した時の資料の一部である。

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この図は、温室効果ガス排出量に対する栄養素密度で、牛乳が他の飲料に比べて高い数値を示している文献紹介であり、その目的は誇りを持って牛乳を取り扱う意識を持ってもらうこと、また社会に周知徹底を図ってもらうことであった。


by ecospec33 | 2019-11-06 09:40 | ●CSRと環境対策  

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅳ(サステナビリティー、SDGs、ESG、CSV)

2.食品企業のCSR、サステナビリティのWebサイト

2.1 CSRコンテンツ充実度ランキング

CSRコミュニケーション協会はCSRサイトを格付けしており、『CSRコンテンツ充実度ランキング2019』を発表した。これが第3回目という。

そのランキング86位にアサヒグループHDと味の素、97位に日清食品HD、98位にキリンHDが入っている。

前年にも、36位にアサヒグループHDと44位にキリンHDが入っていたが、日清食品HDは情報公開が進んだことによって、上位にランクされた。

サントリーHDがランクされていないのは、上述の東洋経済『CSR企業ランキング』とは一致しない結果である。

2.2 Webサイトの調査と評価

東洋経済の『CSR企業ランキング』で比較したと同様に、ビール・清涼飲料業と乳業、それに『CSRコンテンツ充実度ランキング』で上位にランキングされた味の素グループを加えて、そのCSR、サステナビリティのWebサイトを詳細に調査し、評価した。

これを下表に示す。ここで、レベルとは階層のことであり、章>節>項に相当する。

このサイトの名称は「サステナビリティ」が主流になりつつあるが、キリンHDは「社会との共有価値(CSVCreatingShared Value)」を使用している。このCSVについては先進的な対応の中で後述する。

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その特徴を記し、内容と規模で評価をしたが、サントリーHD(Webではサントリーグループ)がトップであり、アサヒグループHDと味の素グループ、それにキリンHDが続き、一段下がり、明治HD、森永乳業、雪印メグミルクと続く。酒類製造業として特有な社会的責任の項目を除外したとしても、この実態は変わらない。

上述したとおり、『CSRコンテンツ充実度ランキング』の上位に、サントリーHDが出てこないのが不思議である。

ここで、キリンHDについては、「E:環境」が全く記載がなかったが、直接的にリンクされていないサイトに、112ページの冊子「キリングループ環境報告書2019」のpdf版があったので、これを加えた。

ちなみに、著者が大学で教鞭をとっていた2005年に、学生の教材として、キリンビールに「環境報告書」を120冊お願いしたところ、「環境報告書」ばかりでなく「CSRレポート」各120冊、合計240冊が送られてきた。キリンは当時から環境対策の情報公開を重視しており、それぞれのビール工場でも「環境報告書」を作成していた。

左図は、「CSR」WebサイトをE・S・Gに分類した項目数とページ数、またその割合を示す。

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「CSR」のWebサイトは、ESGがバランスをとって記述されていることが望ましいが、キリンHD以外の企業は「E:環境」のページ数の比率が低い。

ここで、「CSR全般」はもともと「G:ガバナンス」に含まれる項目である。

次に、これらの食品企業の売上高に対するWebサイトのページ数を左図に示す。

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この図に示すとおり、売上高が高いほど、ページ数が多いという結果であり、その関連性は深いと言える。

10数年前に、売上高が約4倍であったサントリーの環境部長から、部の人数は12人と聞いたことがあった。当時、著者が担当していた環境対策室の人数が3人であったことから、売上高に比例すると納得せざるを得なかった。

ともあれ、企業それぞれに優先度を定め、目標を定めて、CSRを推進することが必須のことである。


by ecospec33 | 2019-11-06 07:40 | ●CSRと環境対策  

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅲ(サステナビリティー、SDGs、ESG、CSV)

1.3 CSR企業ランキング評価の検証

東洋経済の『CSR企業白書』のCSR企業ランキングの「非財務」の評価項目は、「環境:E」、「社会性:S」、「企業統治:G」に加えて、「人材活用:H」の4つである。

『CSR企業総覧(ESG編)』の企業データには、「CSR全般」、「ガバナンス・法令順守・内部統制」、「消費者・取引先対応」、「社会貢献」、「企業と政治の関わり」、「環境」の6項目について、アンケート結果が詳細に記載されている。また、『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』には「人材活用」に関わる項目が詳細に記載されている。前者の6項目を、ESG(E:環境・S:社会性・G:ガバナンス)に整理すると、「環境」がEに相当し、「消費者・取引先対応」、「社会貢献」、「企業と政治の関わり」がSに相当し、「CSR全般」、「ガバナンス・法令順守・内部統制」がGに相当する。

ここで、東洋経済の評価方法は、『原則として全項目加点方式で、ネガティブなデータを回答したことによつて減点されることはない。逆に情報開示という観点から、一部の項目では数値の優劣にかかわらず、有効回答があつたことに対し加点している。』としているが、その詳細は不明である。

そこで、食品企業について、『CSR企業総覧(ESG編)』に記載された企業データの内容を比較し、その査定をおこない、評価の妥当性を検証した。この査定方法は、最高評価のアサヒグループHDの記載内容を基準として、他の企業のそれと比較して、未満であればマイナス査定、超えていればプラス査定するものである。

ここでは、6項目の中から「CSR全般」と「環境」の2項目を取り上げ、著者の査定結果を下表にまとめた。

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これによって、東洋経済の「CSR評価点(格付け)」では各社の差異は小さいが、査定した差異は大きいことが判明した。

これは、評価が加点方式の絶対比較であるに対し、査定が加点に減点も入れての相対比較であるためで、食品企業という同じ業態内で企業間比較する場合には、後者の方が優れていると考えられた。

ここで、「CSR全般」と「環境」の項目ともに、ビール・清涼飲料業は乳業より高い評価であることは明確である。

ちなみに、アサヒは2002年に、またキリンは2005年に、味の素は2009年に、国連が提唱する「グローバル・コンパクト」に署名しているが、これに対し、乳業界では2018年に森永乳業が初めて署名している。また、キリンは2003年に、食品業界で初めて環境対策部門を組み込んだCSR部門を創設した点も記録しておきたい。

そのキリンが「CSRレポート」を初めて出版したのが2005年であり、業界は異なるが、住友化学が「レスポンシブル・ケア レポート」から「CSRレポート」に変えたのが2004年である。この化学業界はCSR評価ランキング上位にランキングされており、この「レスポンシブル・ケア」とは「環境と安全」を意味しており、かっては企業内に環境・安全という部門が存在していた。ともあれ、CSRを推進するためには、業界内にとどまらず、グローバルな視点を生かしているかが大きな課題である。

この評価と査定の詳細な比較表を別紙1、2に示す。

このような比較をすることによって、それぞれの食品企業が改善すべき課題、新たに取り組むべき課題が明確になる。


by ecospec33 | 2019-11-06 05:58 | ●CSRと環境対策  

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅱ(サステナビリティー、ESG、SDGs、CSV)

1.東洋経済新聞社によるCSR評価について

1.1 食品業界の位置づけ

東洋経済の『CSR企業白書』をもとに、業種別の上位20社の平均評価ポイントを比較し、右図に示した。全18業種に対し、食品業界である「食料・飲料・たばこ」は13番目の評価である。

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一番評価の高い「電気機器/精密機器」の約530ポイントに対し、「食料・飲料・たばこ」は約460ポイントであり、その評価差異の90ポイントは、満点の600ポイントの15%に相当するほど大きい。その評価の差異の要因を下図に示す。

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そもそも、評価ポイント600満点中、「財務」が300点、「非財務」項目である「E:環境」、「H;人材活用」、「S:社会性+G:企業統治」の各項目がそれぞれ100点、合計300点である。

このことから、この差異の割合についても、「財務」が50%、非財務の3つの項目がそれぞれ16.7%となるはずであるが、これに対し、「財務」と「E:環境」の割合が大きく、これが食品業界の問題点と言える。

1.2 食品企業のCSR評価

(1)CSRとESGの企業ランキング

食品企業について、東洋経済によるCSRおよびESGの企業ランキングを下表に示す。どちらのランキングとも業界内の順位に大きな変動はないが、全業種での総合順位は、CSR企業ランキングよりESG企業ランキングの方が高い。これについては、CSR総合ポイントでは全業種の順位上位800社の中に食品企業が40社含まれており、またESR総合ポイントでは全業種の順位上位500社の中に食品企業が36社含まれていることからも、判断できる。

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この要因は、CSR総合ポイントは「非財務」項目と「財務」項目の評価ポイントであり、ESG総合ポイントは「非財務」項目のみの評価ポイントであるためで、前述したとおり、食品業界の「財務」の評価ポイントが他の業界のそれと比べて低いことを示している。

市乳・乳製品を製造販売する食品企業として、比較すべき企業、または目標とすべき企業はビール・清涼飲料業であるアサヒグループHD、サントリーHD、キリンHDである。特に著者はキリンビールからは多くのことを学び、「環境報告書」から「社会・環境報告書」、さらに「CSRレポート」への展開を判断し、その内容を参考にさせてもらった。

(2)CSR総合ポイントの経年推移

大手食品企業について、2012年から2019年までの9年間のCSR評価の推移を、右図に示す。

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味の素が評価を低下させているが、その他の企業は大きな変動はない。この中で一番の特徴は、2014年と2017年が前年より、全企業とも大幅に評価ポイントが上昇したことである。その要因は、企業の一斉の努力、評価内容の変更、評価判定の変更、財務の好転換でしか説明ができない。

評価ポイントを前年より50ポイント以上上昇させた企業もあるので、企業努力というよりも、評価内容と評価判定が変更されたと考えた方が妥当である。

この根拠として、CSR評価の一つである「財務」には、「成長性」、「安全性」、「規模」の3つの評価基準があり、この中の「規模」の評価ポイントが全業種の全企業で、2017年に前年より大幅に上昇したことが挙げられる。


by ecospec33 | 2019-11-05 17:40 | ●CSRと環境対策  

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅰ(サステナビリティー、ESD、SDGs、CSV)

今回から、数回にわたって、「大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応」のテーマで記述する。

本文中に、環境対策、CSR(狭義・広義)、ESG、SDGs、サステナビリティ、CSVなどの内容を記述しているが、ある程度の予備知識が必要である。

また、本文は2019年9月15日に脱稿したたため、文中の各企業のホームページのCSR関連のWebサイトを参照したが、脱稿時以降のWebサイトの改正については、適合していないことを、あらかじめ明記しておく。
図と表には見にくいものもあるので、連絡いただければ、本全文をPDFでメールでお送りします。
                          <目 次>

まえがき

1.東洋経済新聞社によるCSR評価について 

1.1 食品業界の位置づけ

1.2 食品企業のCSR評価

1.3 CSR企業ランキング評価の検証

2.食品企業のCSR、サステナビリティのWebサイト

2.1 CSRコンテンツ充実度ランキング

2.2 Webサイトの調査と評価

2.3 CSR情報提供は冊子からWebサイトへ

2.4 重要な課題と記載すべき項目

2.5 CSR関連Webサイトに求められるもの

3.社会的な評価

4.先進的な対応

4.1 「CSR:社会的責任」から「CSV:共通価値の創造」へ

4.2 ISO14001外部審査認証から自己適合宣言へ

5.まとめ

あとがき

別紙1、2


まえがき
Sustainability」を英訳した「持続可能性」という堅いイメージの言葉が、いつのまにか広く使われるようになった。

その言葉の由来と経緯については割愛するが、2000年に国連ミレニアム・サミットで採択された『ミレニアム開発目標(MDGs:Millennium Development Goals)』を発展させて、2015年に国連サミットで先進国に積極的な取り組みを促す『持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)』が採択された。これを受けて、2016年から日本政府はこれを積極的に取り組み、そして多くの企業が経営の目標に組み込んだ。

これに対し、「Sustainability」の言葉を派生させた地球環境問題への対応は、企業が取り組むSDGsの多様な目標の中にあって、埋没しつつあるように思う。2015年にCOP21で「パリ協定」が採択されても、ビッグサイトで開催される国内最大級の環境展である「エコプロ」の大企業の出展者数は最盛期の半減となり、また来客者数も大きく減少している。

一方においては、夏の猛暑がますます激化し、夏季が長期化して彼岸花の開花遅れなど身近な自然現象が変化し、海水温の上昇によって烏賊、蛸、魚の漁獲量が各所で減少し、また熱帯を思わせる集中豪雨による自然災害が甚大化している。このため、この真因が地球温暖化による気候変動であり、地球温暖化が社会の脅威であるという認識が急速に広まっている。ここにきて、発信力のある小泉進次郎議員が環境大臣に就任したこと、また彼が出席した国連の気候変動サミットで次世代を担う少女が「私たちを裏切った」と怒りの抗議演説を行ったことは大きな衝撃となって、地球温暖化問題が、プラスチックの海洋汚染問題ともに、国内においても1997年(「京都議定書」採択年)以上の社会的な関心事となるだろう。これによって、日本政府も経済界も地球環境問題への更なる対応を余儀なくされることだろう。

ところで、1998年から日本経済新聞社が『環境経営度調査』と称して、各企業から工場のCO2排出量などの環境対策情報をアンケート調査で収集し、それを基に各企業を評価・ランキング付けし、新聞紙上に公表していた。当初は企業からの協力が得られずにいたようだが、いわゆる環境に優しい企業が次第に回答するようになったことから、最初から協力していた企業は評価点が低下しないにもかかわらず、そのランキングを低下させる結果となっていた。

これに対し、東洋経済新報社は、2005年から多くの業界・企業から財務、環境、社会性、企業統治などの情報をアンケート調査で収集し、企業のCSR活動を分析、評価している。その評価結果を『CSR企業白書』に、またアンケート調査内容を『CSR企業総覧(ESG編)』などに取りまとめている。著者が早大の職員をしていた時に、学生の就活支援を行うキャリアセンターで、これらの本が「会社四季報」と並んでいるのを見たことがあった。このアンケート調査内容に要望がないとは言えないが、その情報の公開方法に照らしても、日経よりも信頼性は高いように思う。

一方、どの企業もWeb
のホームページを生かして、企業の価値を高める努力をしている。このホームページ内のCSR、サステナビリティーのサイトについて、一般社団法人CSRコミュニケーション協会が『CSRサイト格付け「CSRコンテンツ充実度ランキング」』を公表している。今年2009年で第3回目という。この他にも第三者による評価が盛んになっている。

森永乳業のホームページの「CSR」Webサイトを検索したところ、「森永乳業のCSR」というサイト名であった。CSRの前に、どのような理由があって企業名を入れているのか、その必要性があるのかと疑問に思った。また、トップメッセージに、「・・・・・GRIに準拠し・・・・」と記されているものの、GRIスタンダード対照表が掲載されていなかった。
さらに進めると、社外からの評価として、「持続可能な社会の実現に向けた活動を推進している企業グループとして、さまざまな外部機関より高く評価されています。」との記載があり、これに続いて、ある投資銀行による格付けを載せていた。投資する、または投資したい側が格付けをしたからといって、高く評価されていると言えるのかと更に疑問に思った。

このため、大手食品企業について、上述の東洋経済新報社のCSRの第三者評価の情報を検証し、また各企業のホームページを通してCSR対応を調査し、その評価の検証と先進的な企業のCSR対応について検討を加えた。



by ecospec33 | 2019-11-05 16:08 | ●CSRと環境対策