人気ブログランキング |

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅱ(サステナビリティー、ESG、SDGs、CSV)

1.東洋経済新聞社によるCSR評価について

1.1 食品業界の位置づけ

東洋経済の『CSR企業白書』をもとに、業種別の上位20社の平均評価ポイントを比較し、右図に示した。全18業種に対し、食品業界である「食料・飲料・たばこ」は13番目の評価である。

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅱ(サステナビリティー、ESG、SDGs、CSV)_e0223735_12461660.jpg

一番評価の高い「電気機器/精密機器」の約530ポイントに対し、「食料・飲料・たばこ」は約460ポイントであり、その評価差異の90ポイントは、満点の600ポイントの15%に相当するほど大きい。その評価の差異の要因を下図に示す。

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅱ(サステナビリティー、ESG、SDGs、CSV)_e0223735_12462237.jpg

そもそも、評価ポイント600満点中、「財務」が300点、「非財務」項目である「E:環境」、「H;人材活用」、「S:社会性+G:企業統治」の各項目がそれぞれ100点、合計300点である。

このことから、この差異の割合についても、「財務」が50%、非財務の3つの項目がそれぞれ16.7%となるはずであるが、これに対し、「財務」と「E:環境」の割合が大きく、これが食品業界の問題点と言える。

1.2 食品企業のCSR評価

(1)CSRとESGの企業ランキング

食品企業について、東洋経済によるCSRおよびESGの企業ランキングを下表に示す。どちらのランキングとも業界内の順位に大きな変動はないが、全業種での総合順位は、CSR企業ランキングよりESG企業ランキングの方が高い。これについては、CSR総合ポイントでは全業種の順位上位800社の中に食品企業が40社含まれており、またESR総合ポイントでは全業種の順位上位500社の中に食品企業が36社含まれていることからも、判断できる。

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅱ(サステナビリティー、ESG、SDGs、CSV)_e0223735_12462673.jpg

この要因は、CSR総合ポイントは「非財務」項目と「財務」項目の評価ポイントであり、ESG総合ポイントは「非財務」項目のみの評価ポイントであるためで、前述したとおり、食品業界の「財務」の評価ポイントが他の業界のそれと比べて低いことを示している。

市乳・乳製品を製造販売する食品企業として、比較すべき企業、または目標とすべき企業はビール・清涼飲料業であるアサヒグループHD、サントリーHD、キリンHDである。特に著者はキリンビールからは多くのことを学び、「環境報告書」から「社会・環境報告書」、さらに「CSRレポート」への展開を判断し、その内容を参考にさせてもらった。

(2)CSR総合ポイントの経年推移

大手食品企業について、2012年から2019年までの9年間のCSR評価の推移を、右図に示す。

大手食品企業のCSRの第三者評価と先進的な対応Ⅱ(サステナビリティー、ESG、SDGs、CSV)_e0223735_12463255.jpg

味の素が評価を低下させているが、その他の企業は大きな変動はない。この中で一番の特徴は、2014年と2017年が前年より、全企業とも大幅に評価ポイントが上昇したことである。その要因は、企業の一斉の努力、評価内容の変更、評価判定の変更、財務の好転換でしか説明ができない。

評価ポイントを前年より50ポイント以上上昇させた企業もあるので、企業努力というよりも、評価内容と評価判定が変更されたと考えた方が妥当である。

この根拠として、CSR評価の一つである「財務」には、「成長性」、「安全性」、「規模」の3つの評価基準があり、この中の「規模」の評価ポイントが全業種の全企業で、2017年に前年より大幅に上昇したことが挙げられる。


by ecospec33 | 2019-11-05 17:40 | ●CSRと環境対策  

<< 大手食品企業のCSRの第三者評... 大手食品企業のCSRの第三者評... >>