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下水道を考えるⅥ(終末処理場、下水処理場、水再生センター、液中膜、流動床型生物膜、技術、展開、移転)

2012年10月24日に、府中市にある北多摩一号水再生センターを視察させてもらった。
かつては有料道路だった稲城大橋に隣接する、多摩川沿いにある流域下水道の『終末処理場』、いわゆる『下水処理場』である。また、これは水質汚濁防止法の『特定施設』に相当する。
処理区域は、府中市と国分寺市の大部分、立川市、小金井市、小平市、東村山市の一部である。
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小金井市東側にある自宅の周辺地域は野川処理区と呼ばれ、ここで処理されるのでなく、直線距離で約25km下流にある東京湾沿いの森が崎水再生センターで処理されている。これは、野川水再生センターの計画がとん挫したためのようであるが、これこそが中西準子先生が河川から水が消え、水循環を途絶えさせ、水環境を悪化させると指摘する流域下水道の問題ではあるが、この野川処理区と小河川の渇水を除いて、多摩川中流域では良好のように思える。
それよりも、汚水と雨水とを同じ管渠で排除する合流式下水道の割合が多いことの方が問題である。
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北多摩一号水再生センターの都職員の方には懇切丁寧なご対応をいただき、食品工場などの産業排水の処理との違い、またA2O法(嫌気無酸素好気法)などの高度処理も知ることができ、非常に有意義な視察であった。
1800年代後半以降から発展した近代的な下水(汚水)処理で培った水処理技術が産業界へと技術移転していったこと、これからも続くであろうことを知っておく必要がある。
これは、液中膜の納入実績の件数を表しているが、し尿処理施設で採用された数年後に、産業排水処理施設に適用されている好事例である。
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2005年に乳業工場の排水処理施設の増設について、この液中膜を検討したことがあったが、設備費および維持費が高額であることから、流動床型生物膜好気性処理+沈殿槽を多段に設置し、スペースを有効に使うことで対応した。
この流動床型生物膜処理も汚水処理から技術展開された技術である。
ともあれ、汚水処理の技術を産業排水処理で採用する際は、その実績による安定性はもちろんのこと、経済性がネックになりうることを確認すべきである。

by ecospec33 | 2012-11-01 13:27 | 〇下水道と汚水処理  

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