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市民活動団体との連携・協働に必要なもの(社会貢献、CSR、NPO、市民団体、容器包装リサイクル)

企業の社会貢献(CSR: Corporate Social Responsibility)が叫ばれている今こそ、市民団体、行政、事業者(企業)との連携と協働が求められている。
内閣府は「市民団体調査」を数年毎に行っており、その中で市民活動団体を定義している。
『「市民活動団体」の定義は、「継続的、自発的に社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体で、特定非営利活動法人(NPO法人)及び権利能力なき社団(いわゆる任意団体:市民団体)」とする。』
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1998年に「特定非営利活動促進法」が制定され、『NPO法人』は増加の一途をたどり、現在約4万5千が認可されている。しかしながら、約1割の法人が解散していることも見逃せない。
生涯スポーツ功労者賞(文部科学大臣表彰)を受けている妹が地域のスポーツ振興を図るために、数年前にNPO法人を立ち上げたが、申請時には手続きの煩雑さに四苦八苦し、認証取得後も自治体との調整など団体経営に忙殺される毎日と聞いている。
NPO法人の役割は様々であり、『市民団体』(任意団体)も同様である。市民団体の数は、NPO法人数より少ない約3万と推定されており、法人化が進んでいるという。
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2006年7月末に、ある容器包装リサイクルに特化した市民団体の20周年記念に参加したことがある。代表は創業者の志を継いだ娘であり、副代表は創業者の活動仲間の女性であった。この2年ほど前に男性の事務局長は仲違いして退会しており、代表と副代表が事務局員を兼ねていた。
その懇親会の席上で、約半年後に原子力委員会委員に就任する松田美夜子富士常葉大学教授から、この市民団体について、「これからは、企業など事業者団体が支援していくのよ。」と、にこやかに話された。これについては後述のとおり、異論を持っていたので、この市民団体との付き合いが長い女史が、この団体の市民活動の低迷を案じていると直感し、「そうですね。」とだけ曖昧に答えた。

その帰途、農水省で環境対策を担当するノンキャリア官僚と列車で乗り合わせた。「このような活動の衰退はこの団体に限ったことでなく、多くの消費者団体にもある。その要因は、一般論として時代の変化による地域社会の基盤変化と社会のニーズの多様化にあり、また個別の問題としては創業者である母親時代が築き上げた市民のネットワークが崩壊していることにある。」と、実務経験の豊富な彼は明快であった。
それを裏付けるように、この市民団体が主催する会議での出席者の割合を確認すると、共催者である事業者の関係者が約56%、関係する事業者が約9%、自治体関係が約23%を占め、市民が主催者と同じく約6%であり、それも高齢者ばかりであった。
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松田女史に言われるまでもなく、この市民団体に対して市民からの支援が皆無になりつつある中、これに代わって業界団体と個別企業が会員として支援しているところであったが、その支援が一部の偏った考えを抱く企業のために、必要以上に増大していた。
ここで、その支援とは活動と事業資金の助成と労働力の提供を示すが、この市民団体は会員に対し、会員と財政(収入・支出)の実態などの情報公開をしていなかった。このような状況を甘受して支援し続ける業界団体も不甲斐ない話であるが、その業界団体には十分な資金の手当てと十分な労働力の支援が容易に出来ることから、市民団体とは馴れ合いの連携と協働が進められたのである。

この市民団体の20周年直後に、代表に半日程度の啓蒙活動に依頼し、給料1月分相当の謝礼を提供したことがあった。1,2週間後に副代表にお礼の挨拶をしたところ、それに関する入金はないと不機嫌であった。
代表が団体名の領収書を直接発行しているにもかかわらず、まことに不可解で不愉快な事件であった。
この真偽を追及しなかったが、この2,3年後にその副代表が退会したことだけは事実である。
社会貢献活動が立派であろうとも、不明朗な実態が市民団体にあったとすれば、『市民団体』という定義から外れている。

個別企業なり、業界団体が市民団体と連携し、協働して社会貢献を果たすために、多大な支援をするからには、その団体の目的が事業者が目指す社会貢献の方向性と合致していることを確認した後、代表と支援者の資質、専門性、年間活動実績、会員の内訳、財政状況(収入、支出、投資)、外部からの支援とネットワークなどを調査することが必要である。
このためには、市民団体に対し、NPO法人と同様な『事業報告書』を提示してもらう必要がある。


市民団体の活動は市民の支援があってこそであり、その活動目標と全てが一致することなどあり得ない事業者がその全てを支援し、代替することは控えなくてはならない。
市民団体としての品格があるかが問題であり、企業(事業者)の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)が問われるならば、それと連携する市民(団体)の社会的責任 (CSR: Citizen Social Responsibility) も問われるのである。

by ecospec33 | 2012-10-01 10:12 | ●CSRと環境対策  

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