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消費者庁と食品表示(一元化、偽装表示、不正表示、食品表示110番、パルメザンチーズ、食品添加物)

消費者庁は、2006年のガス湯沸かし器による中毒死事故、2008年の事故米不正転売事件、中国製冷凍餃子事件などの製品事故を契機に、農林水産省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省の縦割り行政の解消を目指し、消費者の利益の擁護と増進を図るために、2009年9月に「消費者安全法」の施行とともに内閣府の外局として発足した。
これによって、消費者庁は生活に身近な32の法律を所管することになった。そのほとんどの法律が一部を専管(主務官庁が単一の場合、単管)する他省との共管であり、省庁間、地方自治体との隙間を埋める役割を担ってはいるが、発足後3年近く経過しても消費者行政システムは機能的に運用できていないようである。
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その消費者庁が消費者基本計画に沿って、食品表示制度の運用改善を行いつつ、問題点等を把握・検討して、食品表示に関する日本農林規格(JAS法、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)、食品衛生法、健康増進法、景品表示法などの現行法を一元化した新法案を、本年度中に法案を提出するために、「食品表示一元化検討会」で検討が進められ、現在、中間論点整理について意見募集がなされている。
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2000年の雪印乳業の食中毒事件、2001年のBSE問題、2004年の浅田農園の鳥インフルエンザ隠し事件などによって、食品の安心・安全への信頼が失墜しつつある中で、2007年には、食品の産地や製造日、賞味期限などの偽装表示と不正表示が相次いで発覚した。ミートホープの牛肉偽装事件、石屋製菓「白い恋人」の賞味期限改ざん事件、伊勢「赤福」の消費期限不正表示事件、比内地鶏の偽装表示事件、「吉兆」の偽装表示と消費期限切れ販売事件、崎陽軒「シウマイ」の原材料不正表示事件などである。
このため、農水省の「食品表示110番」への問い合わせは2007年に急増し、また食品事業者への問い合わせも急増したが、現在は2006年なみまで低下している。

「食品表示一元化検討会」では、栄養表示の義務も含め海外の表示方法と合わせることも論点となっている。ここで、よく知られている粉チーズのクラフト100%パルメザンチーズについて、その日米の食品表示の差異を示す。
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英文、和文は別にして、消費者にとってどちらの食品表示に情報量が多く、分かりやすいかということからすると、輸入品ではなく米国で販売されている商品である。
ナチュラルチーズの原材料が生乳、食塩であることは、多くの消費者は至極当然に承知しているだろうが、これはパルメザンチーズという原料であるナチョラルチーズを摩り下ろし、粉状に加工した製品である。このために、米国表示のように原材料はパルメザンチーズ(殺菌済み部分脱脂乳、食塩、2%未満の酵素、チーズ用乳酸菌、固化防止用セルロース粉末、風味保持用ソルビン酸カリウム)と表記した方が正確な表示と言える。また、食品添加物であるソルビン酸カリウムを嫌う人もいるかも知れない。
食品表示の例としてパルメザンチーズを挙げたが、国内のすべてのナチョラルチーズについても同様な原料料表示の問題がある。

食品表示は、JAS法などの法令だけで決まるのでなく、業界団体が規定する「公正競争規約」に基づかなくてはならない。
この業界団体については、「消費者基本法」で『事業者団体は、事業者の自主的な取組を尊重しつつ、事業者と消費者との間に生じた苦情の処理の体制の整備、事業者自らがその事業活動に関し遵守すべき基準の作成の支援その他の消費者の信頼を確保するための自主的な活動に努めるものとする。』と規定している。
ともあれ、乳業界も乳製品の食品表示に関して問題点を見極め、改善することが必要である。

by ecospec33 | 2012-03-06 17:07 | ●その他社会問題  

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