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食品の放射性セシウムの新基準と牛乳、乳製品Ⅲ(チェルノブイリ、放射能汚染、放射能雲、フィンランド)

1.過去の放射能汚染が教えること
1986年に4月26日にチェルノブイリ原発が爆発し、高さ1kmまで吹き上がった放射性物質を取り込んだ放射能雲(放射性雲、プルーム、Plume)は、1200km以上も離れたフィンランドの南部を覆い、4月28日から数日間に大量の放射性物質を降下させた。これは福島第一原発事故から約200km離れた柏市周辺のホットスポットに相当し、放射性セシウムの沈着量は柏市周辺よりも高いことから、チェルノブイリ原発事故が甚大な被害を及ぼしたことが想像できる。
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人類は、77万テラベクレルの放射性物質を放出した福島第一原発事故の以前に、1960年代の核実験と520万テラベクレルもの放射性物質を放出したチェルノブイリ原発事故という大きな放射能汚染を経験している。
これを顧みることによって、食品の放射能汚染の現状を確認し、将来を見通すことによって、不安を少しでも払しょく出来るのではないかと期待している。

2.日本とフィンランドとの放射能汚染の比較
フィンランドには2か所5基の原子力発電所と映画で話題になった核廃棄物最終処分場「オンカロ」があり、その安全を監視しているのがSTUK (Radiation and Nuclear Safety Authority;放射能および原子力安全機構)である。
日本のように経済産業省、文部科学省、厚生労働省などが縦割りに管理するのでなく、一括管理しているため、放射能に関する情報を得るのが容易である。
2.1 大気中の放射性セシウムCs-137の濃度
日本とフィンランドにおける「大気中の放射性セシウムCs-137の濃度」の推移を示す。
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1960年代から1980年にかけて核実験が行われていたときの影響は、日本の方がフィンランドよりやや大きかった。1986年に発生したチェルノブイリ原発事故の影響は、フィンランドが日本の約20倍以上であったが、その後の減衰の推移は同程度であった。
福島第一原発事故のフィンランドへの影響は約25日後に現れ、その規模はチェルノブイリの約60分の1であった。1月17日には、STUKが『福島第一原発事故によって食品中の人工放射能が最大約1%増加した。』と発表している。
頭に入れておかなくてはならないことは、このように影響が小さかったとはいえ、震災後各国から様々な支援を受けた日本ではあるが、日本が世界を放射能汚染させたという事実は消えないということである。ちなみに、フィンランドからは紙パック入りのアセプティック育児用ミルクが提供され、粉ミルクと違って溶解水が不要なことから、その利便性が評判となった。
2.2 放射性セシウムCs-137の降下量
日本とフィンランドにおける「放射性セシウムCs-137の降下量」の推移を示す。
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1960年代から1980年にかけて核実験が行われていたときの影響は、フィンランドが日本の最高値と同程度であった。1986年に発生したチェルノブイリ原発事故の影響は、フィンランドが日本の約100倍以上であり、その後の減衰の推移にも大きな差があった。過去の推移の右隣に福島第一原発事故以降の推移を示したが、影響の大きかった福島市でさえ2011年中に、核実験が盛んに行われていた時期の降下量まで低下していることが分かった。また、福島市はフィンランドと同程度の減衰を示している。

次回は、このような過去の放射能による原乳の汚染状況を確認し、現状の実態と比較をおこないたい。

by ecospec33 | 2012-01-20 08:44 | 〇明治粉ミルク放射能汚染  

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