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NPO法人が明治乳業を動かす-明治の粉ミルクから放射性セシウム検出-(噴霧乾燥装置、HACCP)

昨日12月6日に、乳業関係者から「明治の粉ミルク(乳児用調整粉乳)から放射性物資が検出されたと大騒ぎしている。」との一報を受けた。
国の暫定規制値を大きく下回っていることから、明治のすばやい自主的な対応を好意的に語る評論家もいるが、NHKの報道などを確認すると、『NPO法人「TEAM二本松」が、共同通信社の協力を得て、明治に粉ミルクから放射性セシウムが検出したことを認めさせ、また数値の公表と無償交換に追い込んだ。』というのが事件の真相である。
明治は経済的な痛手を最小限に抑えることに徹したのである。
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埼玉県春日部市の明治埼玉工場で、3月14~20日に、粉ミルクの主原料が噴霧乾燥装置(スプレー・ミルクドライヤー)で製造され、4月に缶に充填され製品化され、出荷された粉ミルクの一部、40万缶を無償交換するという。
しかしながら、賞味期限は製造から1年6か月で来年の10月までであるが、対象製品の多くがすでに販売され、消費されてしまっていると思う。

日本乳業協会は、「乳児用調製粉乳の放射性物質検査結果について」で、『母乳または乳児用調製粉乳(粉ミルク)は乳児にとって唯一の栄養源であることから、粉ミルクの安全性についてのお問い合わせを数多くいただいております。日本乳業協会では、乳児は成人に比べて、より影響を受けやすいと言われていることも考慮し、国内で製造販売されている全6社の乳児用調製粉乳(粉ミルク)について、取り急ぎ各社の検査結果を取りまとめました。結果は、調査したすべての製品(2011年7月に製造されたもの)について放射性物質は検出されませんでした。』として安心・安全を強調していたが、これが覆されたことになった。

明治が最初に放射性セシウムを検出した日を12月3日としているが、これ以前から承知していた可能性もあるが、企業も業界団体も、粉ミルクの原料は輸入品であることから、このような事態になるとは考えていなかった。
盲点は粉ミルクを製造する噴霧乾燥工程にあった。乳糖などを水で溶かした原料溶液を濃縮後、外部から取り込んだ空気(外気)を加熱した熱風で、この濃縮液を乾燥させる製造工程である。明治は、福島第一原発の水素爆発で大量に放出された放射性セシウムが混入した外気を取り込み、これが乾燥中の粉ミルクに吸着したと推定している。
外気を取り入れる際の防塵フィルターの性能が悪かったのかも知れない。食品の安全を確保するHACCP(ハサップ、ハセップ、Hazard Analysis and Critical Control Point、総合衛生管理製造過程)の見直しも必要となる。
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明治埼玉工場がある埼玉県の3月の空間放射線量を確認すると、測定された最大値は爆発事故前後で、それぞれ定常時の約36倍と約22倍である。一方、明治が粉ミルクで検出した放射性セシウムの最大値は30.8ベクレル/キログラムである。
当時は半減期8日の放射性ヨウ素があったが、現在は皆無に近いことを承知した上で、定常時の放射性セシウムは、事故前が0.85ベクレル/キログラム、事故後が1.4ベクレル/キログラムと推定される。この数値は検出限界である5ベクレル/キログラム未満となり、ピーク時以外は全て「検出せず」となる。

5月に、母乳から数ベクレル/キログラムの放射性セシウムが検出されたという報道があった。粉ミルクは水で溶かして使用すると、放射性セシウムは約7分の1となる。最大値が検出された粉ミルクでは、4.4ベクレル/キログラムとなり、同程度と言える。
しかしながら、母親にとっては、国と企業から安全と言われても安心ではない。

相次いで、明治の粉ミルクが商品棚から下ろされているとの報道が続く。
福島市にある森永乳業福島工場では脱脂粉乳などの粉ミルクを明治埼玉工場と同様な工程で製造しており、全てのロットで放射性物質の検査を実施している。
消費者に安心を得てもらうためには、粉ミルクばかりでなく牛乳についても、放射性物質の数値を自主的に公表しなければ、乳業会社、乳業界の信用が失墜する事態になりかねない。安全であったとしても。

by ecospec33 | 2011-12-07 18:15 | 〇明治粉ミルク放射能汚染  

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