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ベルトコンベア火災と電力ケーブル火災の教訓(Jパワー、石炭火力発電所、フジクラ)

昨日11月24日午後10時ごろに、Jパワー(電源開発)の磯子火力発電所で火災が発生し、約6時間後に発電を中止した。
発電した電力を東京電力と東北電力に送電していたそうであるから、電力需給が逼迫していた今夏の火災事故であったなら、大きな社会問題になっていたはずである。
火災の原因は不明であるが、貯炭サイロから石炭を運び出すベルトコンベア付近から出火したという。

これまでも、石炭や可燃物などを搬送するベルトコンベア付近から出火した火災は少なくない。その火災原因にベルトコンベアが直接的、間接的に関与している。
●東京都京浜島清掃工場:2002年5月7日
焼却用廃棄物を運搬するベルトコンベアから火災が発生。
火災原因は、ベルトコンベアで破砕機から分別処理部分に移動する所で発火していることから、破砕機で生まれる火花が不燃ゴミ中の引火性のものを発火させてしまったものと推定された。
●四国電力西条発電所:2006年9月10日
コールサイロからコールバンカーへ石炭を運搬するベルトコンベアから出火。
火災原因は、ベルトコンベア内のローラーの軸受部が固着し、軸と軸受内輪とが擦れた結果、発熱し、周辺の石炭粉やベルトコンベアに延焼したものと推定された。
●新日本製鐵八幡製鉄所:2008年7月29日
コークス炉に石炭を運搬する屋外のベルトコンベアから出火。
火災原因は、ベルトコンベアが劣化して落下し、ガス管を損傷したことが出火原因と推定された。
●北海道電力苫東厚真発電所:2008年10月 16日
苫東コールセンター貯炭場から苫東厚真発電所1号機貯炭場へ石炭を運搬するベルトコンベアから出火。
火災原因は、火災発生当日にコンベヤ下部で実施していたコンベヤ腐食部修繕工事において、コンベヤ支柱ボルト取替作業のためガスバーナーを使用した際、ガスバーナーから発生した高温ガス等により、コンベヤ建屋側壁の内張りベニヤ材に着火し、建屋内部に延焼したものと推定された。

いずれにしても、老朽化対策の遅れ、火災予防対策の不足、人材教育不足などが真因となるのだろうが、過去の同類の火災が教訓として生かされていないようである。
火災の消火と復旧には多くの時間を要し、鉄鋼や電力の供給不足といった社会問題化する可能性がある。

このように社会問題化しないまでも、一企業にとって火災事故が大きなリスクとなる。
2002年前後であったと記憶するが、子会社の乳製品工場で電力ケーブルから出火した。
夜勤の設備担当者がピチピチという聞きなれない音を感じ、天井を見上げて火災に気づき、延焼を未然に防ぐことが出来たのだが、国際的な外食企業へ納入する製品を製造するラインを再開することが出来たのが、火災後2日であった。
私も火災当日から徹夜を強いられ、電力設備の復旧と工場内の製造担当と設備担当との調整に当たった。また、火災原因の追究について社内では出来ないと判断して、電線メーカーであるフジクラにお願いした。
この結果、出火した電力ケーブルは空調設備に電力を送電し、24時間×30年間にわたって連続使用していたこと、またケーブルの放熱が妨げられる配線構造となっていたために、絶縁被覆が徐々に炭化して、ショートしたことが原因と推定された。

この火災事故を契機に、フジクラから提供された情報を参考にして、電線、電力ケーブルの配線手法など電力設備に関する規格を見直し、全面的に改定するとともに、老朽化した電力ケーブルの更新を進めた。
電気設備の専門担当であったなら、過去の仕事を反省することなしに、この火災を単独事故として扱い、教訓と生かさなかったかと思うが、これまで電気設備に関与してこなかった私だからこそ出来たものと思っている。

by ecospec33 | 2011-11-25 12:25 | ●その他社会問題  

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