国内のコージェネレーションの将来は?(日本ガス協会、CHP;Combined Heat and Power、熱電併給)
その理由は、燃料である都市ガスの高騰にある。都市ガスの原料であるLNGの高騰は円高によって緩和されているとはいえ、コージェネレーション設置する経済的なメリットは激減しているのである。
原子力発電の停止により火力発電を稼働させるために、電力各社の利益が減少しており、電力料金の上昇が考えられ、コージェネレーション導入の経済的なメリットが、相対的に増加する可能性があるが、2000年前後までのように、設備投資回収が数年となるような好条件は期待できない。
原発事故前の2010年末に、ESCO事業者の経営者に、1990年代に設置したコージェネレーションの更新を検討すべきと話したところ、「更新の提案など怖くて出来ない。経済的メリットが減少しているので、そのコージェネを撤去しろと言われかねない。」と話していたのである。
エネルギーの効率的利用、CO2削減という国家の大きな目的を持った、国の支援、施策を受けなければ、電力需給逼迫が解消された途端に、コージェネレーション導入件数は極端に落ち込むに違いない。
2010年7月26日~8月2日に「原子力発電の行方と代替電力」をブログに連載し、その中で代替となりうるコージェネレーションについても記述した。その時の導入予測は上の図の通りであり、日本ガス協会の予測の半分ほどである。
火力発電所の発電効率も上昇しており、コージェネレーションの省エネというメリットも、今後とも縮小していく。このため、ガス会社含めコージェネレーションを取り巻く業界は、国内において今年度のような好況が続くだろうといった甘い期待は止めた方が良い。
by ecospec33 | 2011-10-28 17:58 | ●エネルギー問題