人気ブログランキング | 話題のタグを見る

9.11と3.11、それにコージェネレーション

今日9月11日は、米国の同時多発テロから10年の節目の日であると同時に、東北大震災と福島第一原発事故から半年の節目の日でもある。各地で追悼式が行われている。

20年前の9月11日はワシントンにいた。米国エネルギー省(DOE)を訪問した前後の日である。9月13日の夜は、世界貿易センタービルの最上階にあるレストランで食事を楽しんだ。日本人の団体観光客もいて混んでいた覚えがあるが、エンパイヤ・ステート・ビルディングが眼下に見えて、ライトアップされている自由の女神がやっと確認できるほどの高さであった。
その日は、ペンシルバニア州にあるキャタピラー・ヨーク社のガスタービンと蒸気タービンのコージェネレーション設備を視察した後、高速道路を北上した。
この視察は、東京ガスと東邦ガスが企画し、団長は当時は農工大、現在は東工大の柏木教授であった。三菱重工、川崎重工、IHI、新潟鉄工、三井造船などのプラントメーカーと、トヨタ、ホンダ、JRなどのユーザー、総勢10数名が参加した、米国のコージェネレーション事情を調査する視察であった。
マンハッタンの高層ビル群が、高速道路から見えてきた感動は忘れられない。次第に大きくなる摩天楼の中で、ひときわ高い建物が世界貿易センタービルであった。

この視察を終えた2年後には、乳業界で初めてのコージェネレーション設備を設置することになり、約20年近い間に、自ら企画して10数基のコージェネレーションを導入した。
これらのコージェネレーションは、今回の電力需給逼迫に大いに活躍したと自負しているのだが、燃料高騰の点から経済性が解決出来ない問題である。

今後も続くであろう、特に関西電力管内における電力需給逼迫に対し、新たにコージェネレーション設備の設置を検討しているところもあるだろうが、難点は、その経済性である。
緊急避難的に設置した自家発電は、やむを得ずというような捨て金であったろうが、本格的なコージェネレーションの設備投資となれば容易ではない。
この時とばかりに、プラントメーカーは高い値を言い出すだろうが、お互いに落としどころを考えないと時間がない。来年の夏まで、1年を切っているのである。

9.11では、ニューヨークの象徴、世界の中心都市の象徴が消失したことに寂しさを覚えた。3.11では、地震と津波、それに原発事故に脅威と恐怖を感じた。
どちらも歴史のターニングポイントとして記憶されるに違いない。9.11から世界融和への道筋を、3.11から脱原発への道筋を、確実に歩まなくてはならない。

by ecospec33 | 2011-09-11 20:56 | ●エネルギー問題  

<< 脱原発の集会に思うこと 「減原発」政策の継承 >>