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「電力使用制限令」の前倒し打ち切り(「実質的な節電」と「見かけ上の節電」)

福島第1原発事故による電力供給不足によって生じた電力需給逼迫を解消するために発令された、東京電力管内と東北電力管内における大口需要者に対する「電力使用制限令」が、期限を前倒しして打ち切られることになった。

東北と関東の大震災と新潟・福島豪雨の被災地での大口利用者に対する使用制限は来月2日で終了し、それ例外の東京電力管内は来月22日までを2週間前倒し9日までで終了、また東北電力管内は予定通り来月9日までで終了するという。
しかしながら、残暑への対応から東京電力管内の企業や家庭などに対して、15%の節電努力の協力を呼びかけるという。

節電とは言っても、冷房の温度設定を上げるなど「実質的な節電」と電力需要ピーク時に緊急的に設置した自家発電を運転する「見かけ上の節電」がある。
この「見かけ上の節電」は省エネでもなく、CO2削減でもないので、「電力使用制限令」の前倒し打ち切りで「見かけ上の節電」を中止することは、地球環境にとって良好なことである。また、この「見かけ上の節電」は、電力会社に支払う電力料金より燃料代が嵩むことから、「電力使用制限令」の前倒し打ち切りは、企業にとって渡りに船の話である。
このため、罰則のある節電命令から節電協力に代わった時点で、企業は一斉に自家発電の運転を中止することだろう。

このような状態があったとしても残暑も乗り切れるだろうが、行政はこのような煩雑な指示、命令をしないで、「電力使用制限令」を予定通りに継続する忍耐力が必要であったと思う。また、数日前に東京電力から「電力使用制限令」の前倒し打ち切りの提案があったというが、東京電力は原発事故対応に専念してもらいたいと思っている。

by ecospec33 | 2011-08-30 07:04 | ●原発問題と電力需給逼迫  

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