容器包装リサイクルの行方Ⅴ(社会的費用-便益=社会全体のコスト、再商品化手法)
これに対し、事業者側から『自治体の算出根拠が明白でない、自治体で効率的でない運用がなされていないのではないか。』という指摘があったことから、2007年に環境省が一般企業と同様な会計制度を取り入れた「一般廃棄物会計基準」ガイドラインを地方自治体に示し、コスト分析と評価を行い、効率的な運営に努めるよう指導した。
また、これに合わせて、環境省は「一般廃棄物処理有料化の手引き」と「市町村における循環型社会づくりに向けた一般廃棄物処理システムの指針」のガイドラインを示し、それぞれ、一般廃棄物処理(ごみ)の有料化の推進および廃棄物の減量とその適正な処理を指導している。
経済産業省は、容器包装リサイクル法の施行によって、事業者と自治体の「社会的費用」が増加したのに対し、廃棄物の焼却・埋め立て費用の削減、枯渇性資源の削減などによって「便益」を得たとして、その差額である「社会全体のコスト」を280億円であると算定している。
この「社会全体のコスト」を低減できたのか明確にすることが、今年から始まった容器包装リサイクル法の再見直しの課題の一つである。
この中には、発生抑制を最も優先すべき、ファストフードなどでの再使用容器の利用、ペットボトルの再使用の検討などがあり、また『プラスチック製容器包装の再商品化手法については、循環型社会形成推進基本法の原則を堅持すること。』という1項目がある。
この再商品化手法に関しては、今年から始まった法の再見直しでも、検討されるものと思っている。
廃棄物と容器包装リサイクルに関し、1回の異なった話題をはさみ、これまで6回連載し、その現状を整理し、問題点を指摘した。とりあえず、この話題を終えたいと思う。
by ecospec33 | 2011-07-23 08:22 | 〇容器包装リサイクルの行方