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容器包装リサイクルの行方Ⅳ(再資源化量、リサイクル率、リターナブルびん)

一般廃棄物のリサイクル率は増加を続けている。総再資源化量も増加していたが、全体の排出量が低下していることから、ここ数年減少に転じている。
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この状況をバックアップしたのが、自治体の家庭ごみの分別収集と有料化である。
府中市は2010年2月から開始した家庭ごみ有料化に合わせ、プラスチック製容器包装ごみの有料化も実施した。これによって、ごみ排出量を約20%削減したと公表している。仙台市、京都市など、プラスチック製容器包装ごみを有料化する自治体も増加している。
この有料化は、リサイクルに回すべきプラスチックごみだけを分別排出することから、自治体と事業者の再商品化への処理作業を効率的にすることも期待されるだろう。
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このように、平成7年に容器包装リサイクル法が成立したことによって、また市民の意識の変化と事業者の軽量化などの努力によって、確実に減量化(Reduce)と再資源化(Recycle)が進んだ。
しかしながら、環境を標榜する市民団体は再使用(Reuse)が進んでいないと主張する。学校の給食での牛乳の容器を、牛乳パックから再使用できる牛乳ビンにするなどの運動を展開する。
確かに50年くらい前はリターナブルびんの全盛だった。酒屋さんに瓶を持って醤油とお酢を買いに行き、樽から瓶に注いでもらった。一度帰り道で落としてしまい、もう一度買いに行かされた苦い思い出がある。
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減少が続いてはいるが、牛乳やビールのように、リターナブル(リユース)びんは地域を限定し、利用場所を限定したクローズ系で回収と洗浄を確実に行う場合には、経済性に成り立つだろうが、その洗びん設備は大規模投資であるため、新たな設備を導入する事業者はほとんどない。
生協系のリユースびんを回収し、洗浄している都内の事業者を見学したことがあるが、洗びん装置は非常に旧式なもので、その設置環境の衛生性は優れているとは言えなかった。
ドイツでは非常に肉厚なPETボトルでのリユースについては、2008年から環境省などが実証実験をおこなっているが、オープン系では回収率が低下すること、外面に傷が残ること、内面に汚濁残留物が残るなど難点が多かったと記憶している。

by ecospec33 | 2011-07-22 10:09 | 〇容器包装リサイクルの行方  

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