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CO2ハイドレートと海洋資源(CCS、メタンハイドレート、レアアース)

CO2(二酸化炭素)ハイドレートは、それほど難しくなく作り出せるようだ。
25年以上前に、それを製造するテスト装置を見る機会があった。圧力は数十kg/cm2、温度はマイナス数十℃で、バッチ方式の高圧容器で試験的に製造されていた。
出来上がったCO2ハイドレートは、さらさらの直径数mmの白い粒状物で、常温で手のひらの上に乗せると、ドライアイスのような冷たさは感じられず、CO2がはじけ出るような感じであった。
最終的に実用化されることはなかったようであるが、当時は地球温暖化ガスであるCO2を固定化するなどという考えは全くなく、それを利用した製品の開発を考えていたようであった。

地球温暖化対策として、CO2排出量を抑制するだけではなく、火力発電所などから排出されたCO2(二酸化炭素)を回収し、貯蔵する技術(CCS:Carbon Dioxide Capture and Storage)の開発が進められている。
地中深く、また海洋深くCO2を圧入して安定的に貯蔵するのだが、これを活用して重油を回収し、またメタンハイドレートからメタンを回収するという、地球温暖化を防止しながらエネルギー資源を確保するという技術開発が検討されているという。

ここ数日間に海洋資源として、このメタンハイドレートとレアアースが大きく報道された。3日のTBS「夢の扉+」では、国産エネルギー資源としてメタンハイドレートが有望視されていることが放映され、4日の朝日新聞朝刊一面には、太平洋の海底の泥からレアアースが大量に発見されたと掲載された。
閉塞感のある日本にとっては、待望の国産資源と期待されているが、このレアアース発見報道について、中国は新たな発見ではないと冷ややかな対応をとっているという。
それもそのはずで、この5日に、世界貿易機関(WTO)が、中国のレアメタルの輸出制限を協定違反と認定したことへの反発もあるのだろう。

震災復旧問題、原子力事故問題、電力需給逼迫問題など一連の課題もあるだろうが、経済産業省など関連する部門は、政権が交代しようが、大臣が替わろうが、エネルギーと資源の安定的確保に向けた中長期の計画に邁進してもらいたいと期待している。

by ecospec33 | 2011-07-06 13:05 | ●エネルギー問題  

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