人気ブログランキング | 話題のタグを見る

企業の合理化と日本人の美徳

日本経済は興隆期から低迷期に陥って、すでに久しい。
国内の経済規模の縮小を補完するために、企業は国内では工場の閉鎖など合理化を進め、海外への事業展開を進める。
これによって産業の空洞化が進み、さらに経済規模の縮小を生むという負のスパイラル(悪循環)が止まらない。

昨日と本日に行われた東京電力など電力各社の株主総会で、福島原発事故を受けて脱原発を求める意見が株主から相次いだ。役員の責任の取り方への不満も出たという。
今夜のNHKクローズ・アップ現代で「ドナルド・キーン先生は何故日本を選んだか」が放映され、その理由に、今回の大震災でも発揮された『日本人の美徳』を挙げた。
これは、第二次大戦の混乱時でも発揮された我慢強い日本人の姿であったという。
庶民、市民、国民の姿に大きな変化はないのだろうが、企業の姿は大きく変化したと思う。
かつての国内企業は合理化に対し、担当の役員は責任をとって辞職するケースが多かったように思う。しかしながら、企業存続には合理化は当然という理由で、今はそのような対応はとらない。

『日本人の美徳』は変わることがなく、『企業の美徳』は薄れていくようである。これでは、日本の経済再生などあり得ないだろう。
福島第一原発事故の責任は東京電力だけではない。安全責任の所在が不明確とIAEA(国際原子力機関:International Atomic Energy Agency)から指摘されてはいるが、行政府の長の責任がかすれているようである。これでは、原子力発電の復権などあり得ないだろう。

by ecospec33 | 2011-06-29 22:03 | ●その他社会問題  

<< 食品企業の環境対策の変遷と対応 ゼロエミッションとゼロエミッシ... >>