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ボランティア活動を考える

このゴールデンウィークは、多くのボランティアが被災地に向かったという。
ちょうど2年ほど前に友人の誘いで、私は数人の知人と湘南の防風林の枝払いと下刈というボランティア活動に参加した。
午前2時間、午後3時間程度の実作業であったのだが、翌日は疲れてダウンしていた。
木曽ヒノキの間伐活動などにも積極的に参加している友人は「秘訣は自分のペースでやること、疲れるまで頑張らないことだ。」と忠告してくれていたが、つい力が入ってしまったのだ。

作業の前に主催者から、海岸の防風林は陸側約300mの住宅街への風害、塩害、飛砂の被害を防止する役目があり、湘南の防風林の特徴は、黒松ばかりでなく丸葉車輪梅、隠蓑などの広葉樹を混植していることであると説明があり、作業を開始してからも、怪我しないような大鎌の使い方、小さい枝から切ることがコツなど、実戦的に教えてもらった。
数名の大学生が参加していたが、中には終了間際に現れる者もいて、このボランティア活動も一単位の取得としか思っていないのだろうと、その態度の悪さに不快感を覚えた。
私も学生時代に、日本サイクリング協会(JCA)の指導員として神宮外苑サイクリングロードで交通整理のお手伝いをしたことがあったが、そんなに甘くはなかったと思う。

ところで、このボランティア活動への参加費は500円で、初参加なので会員登録に300円かかった。鋸や鎌などの手入れなどに費用がかかることは承知しているが、何か腑に落ちない気持ちであった。
帰途、参加した知人の一人から「防風林から直接的に利を得ている地元住民が、防風林を手入れすべきだろうし、さらに参加費をとってボランティア活動をするのも不思議なことだ。」との話が出た。ボランティア活動に参加費が必要か否かは主催者の立場によって正解はないのだろうが、自治体に協力を促し地元住民がすべきであること、この意見に大いに賛同した。

会社では他社と協力して、牛乳パックのリサイクル啓発活動に参加し、小学生の環境学習活動のお手伝いなどをした。これをボランティア活動と環境報告書に記載し、喧伝していた大手牛乳メーカーもあった。
ウィキペディアには、『ボランティア活動とは、自発(自主)性、無償(無給)性、利他(社会、公共、公益)性、先駆(先見、創造、開拓)性に基づく活動』と定義されている。
ボランティア活動の裏には、事業者にとって利益が、学生にとって一単位が、芸能人にとっては人気が隠れているようではあるが、相手がどのように感じるかが重要だ。
ともあれ、一日の軽いボランティア活動ですら疲労困憊した経験から、私は被災地の活動は到底無理と思っているため、被災地で活動されているボランティアの方々の努力に頭が下がる思いがする。

by ecospec33 | 2011-05-06 14:52 | ●その他社会問題  

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