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環境ISOの認証登録から自己宣言へ (EMS、ISO14001、EMAS、JAB、自己宣言)

環境マネジメントシステム(EMS)を「ISO14001」認証登録と同一視する向きもあるが、それは大きな間違いである。
勤務していた乳業会社では、1991年に環境対策室が設置され、環境マニュアルを策定し、1993年から独自の環境マネジメントシステムで自社、関係会社の工場を管理していた。
1996年にISO14001認証登録が開始されたことから、1999年にモデルの2工場で登録を開始し、数年経過して自社工場すべてが環境ISOでの環境マネジメントシステムに切り替えた。
その切り替えに出遅れた関係会社の工場は、2006年から環境省が策定した「エコアクション21」の認証登録を進めた。

日本適合性認定協会(JAB)のホームページには、国別の認証登録組織数が掲載されており、日本が他国を圧倒していることがわかる。EU諸国は環境ISOでなく、EMAS(Eco-Management and Audit Scheme)での環境マネジメントが行われていることは良く知られていることであるが、登録が多いドイツでも日本の10分の1以下である。
ところが、この日本の認証登録組織数が頭打ちから低下傾向にある。

環境ISOを維持するには大きな経費が必要なことから、本社の認証登録の3年後の更新時期に合わせて全工場を本社が統一管理するマルチサイト化を進め、さらに2年後には全数審査からサンプル審査する認証機関へと変更させた。これによって、維持経費を年間1000万円削減することができた。
このように工場、事業所などのサイト数は増加しても、マルチサイト化によって登録組織数は減少するものと考えられる。

しかしながら、それだけが原因ではないと考えている。
私が担当した数年間を見ても、3年という1区切を3回迎えた工場ばかりでなく多くの工場で、外部審査の指摘内容は浅く広くというジレンマに陥っており、審査機関は環境に係るコスト削減を進めるコンサルタント業務をする対応を見せつつあった。このため、私はJISに明確に記載されている「環境ISOの自己宣言」方式への切り替えを一時は意識した。
結果的には、「認証登録」という“ブランド”は得難いものと判断し、認証機関の変更に留め、新たな観点から審査してもらうことにした。

私ばかりでなく、このように考えている担当者は多いはずで、環境ISOの認証登録から自己宣言への切り替えが着々と進行していることが、登録組織数の減少の原因と考えている。このことは、審査機関にとって経営上由々しき問題であろうが、“ブランド”がなくても日本の企業が環境保全に対する取り組みを軽視するなどといった、本質的な問題は生じないと思っている。

by ecospec33 | 2011-04-21 19:11 | ●CSRと環境対策  

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